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【6年沼ったセフレ】縁を切って1年が経ちました。

まるっと1年が経ちました。

このnoteにリアルタイムで書き殴っていたおかげで、1年経ったことに気づいた。
というのも、つい最近上の記事にコメントをいただいたからである。コメントに返信をしようと久しぶりにこの記事を開いて、日付を見て、「ああ、1年経ったんだな。」って気づいた。

長かったか、短かったか


短かった。
1年ってあっという間なんだなって驚いた。

それは私が沼くんのことを綺麗さっぱり忘れたからっていうのとはちょっと違う。新しく彼氏が出来たから、そちらとの生活が楽しすぎてあっという間に過ぎ去った1年だったというわけでもない。

普通に、当たり前のように、沼くんとの記憶が薄れていないから、あれがもう1年前の出来事だなんて信じられない。

だから、この1年って短かった。あっという間だった。

この1年間、誓って私は沼くんと連絡を取っていない。というか取れない。
インスタはもちろんLINEもブロックしているし、LINEに至ってはブロックリストからも削除した。ブロックを解除しようとしたってもう出来ないのである。
だからこの1年間、私の中で沼くんとの新しい思い出や記憶は何ひとつとして増えていない。

いつもだったら。

小学校のとき初めてちゃんと好きになったあの先輩も、中学校の大好きだった図書委員長も、ファーストキスを捧げた野球部の部長も、高校3年間好きだったあいつも、

会わなくなって1年も経てば誰の声もぼんやり忘れていくのに、沼くんの声は覚えている。
誕生日も、身長も、好きなゲームも。
出会ったときに住んでいた家の間取りに、匂い。そして、彼自身の匂い。
腕枕の高さ、興奮したときに擦り寄ってくる腰つき、セックスの始め方、首絞めの強さ。

忘れられなくて、良い方にも、悪い方にも脚色されてくれなくて、

そんな状態のまま、時間だけは1年経った。

困るなあ、と思う。

彼と出会う原因になった大学時代のアルバイト。
そこの後輩(1個下の男の子)が私の地元に遊びに来ると言うので、先日お酒を飲んだ。
懐かしむように尽きない話題はもちろんバイト先のことばかり。楽しかったあの頃の話をしていても、沼くんの話題は実はそれほど出なかったりする。沼くんはそんなに目立つタイプではない。だから好きだったし、私だけの沼くんでいてくれると思っていた。

縁が切れてよかったと、素直に思う。

その気持ちは嘘じゃない。
昨年の秋、自分の誕生日前後の私は苦しかったし悲しい気持ちになることも多かった。
けど、今年の秋には新しい彼氏とそれはそれは素敵な誕生日を過ごしていた。沼くんとあのままダラダラとしていたら出会えなかった彼氏だと思う。後悔していない。
沼くんはあの時のブロックをしなかったとしても、きっと告白にいい返事をくれなかった。そして私はそのままの状況を受け入れてしまっていたはずだ。セフレのまま、年数だけを積み重ねてしまうところだった。後悔していない。

ただ、その感情とは別のところにある感情。

忘れたくない。忘れてほしくない。沼くんはずっと私の沼であってほしい。
そんな感情は、『現実』とか『常識』とか『理屈』とかとはまったくかけ離れた心の奥底で、私だけが触れる場所で、持っていたっていいと思う。

私はその場所に、沼くんの声を保存している。
生年月日も、身長も、好きなゲームも、間取りも匂いもセックスも全部、保存している。

友だちと通話をしながらオンラインゲームをしているあの日、合間に通話をミュートにしてイヤホンを外して私にキスしてきたこと。その傍らに置いてあった雑誌はFINE BOYSで、表紙は山田涼介だったこと。
お風呂上りに借りた10-FEETのTシャツは2014年のツアーTシャツ。ディズニーのお土産にあげた音で動くプーさんのぬいぐるみ。それをストーリーにあげてくれたあの日。ルマンドアイスが美味しかった日。
コーラを2Lペットボトルで買う人だった。炭酸が抜けないように潰したままキャップを締めていた。いつも部屋に入って机の右に君で、真ん中に私。
元カノからもらった手紙を今から燃やすと連絡があったとき。煙草を吸わなかった君が、どんな心境で買ったか分からないライター。
私には手を出さないと分かり切っていた、まだ元カノのことを好きだった君が、寝るときは私の名前を呼んで腕枕を欠かさなかった頃。それでも私の身体に触れて、指で私のことを気持ちよくして、それからぎゅっと私の腰に固いの押し付けて、手を出さないように耐えていた顔。
2人で行った最初で最後の旅行に、君はゴムを持ってきていなかった。本当に、私には最後まで手を出さないつもりでいてくれたんだよね。結局あの日、シちゃったけど。

コタツの布団はニトリで買った木の絵が描いてあるやつ。

たぶん、私が今使っている掛布団と同じやつ。

忘れられない と 忘れたくない


両方嘘じゃないから、共存していたっていいはずだ。
私は誰も届かない書き替えられない心の中に、沼くんの沼を持っていていい。

もう彼に連絡を取ることはないし、彼と会うことだってないし、新しい記憶が増えることはない。過去の話。ぜんぶ、むかしのおとこのはなし。

1年経った。
次に彼のことをnoteに書くとしたら、また1年経ったときなんだと思う。

縁を切ってよかった。
彼が忘れたい嫌なヤツになってしまう前に、大好きなうちに、離れることが出来てよかった。

おかげで私は、今でもたまにあなたの夢をみます。

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もち子
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