添い寝フレンドと会えなかったし、メンヘラが復活しそうになった話
添い寝フレンドのA君に飽きられてしまったらしい。
私が過去3本もの記事にすることで擦りに擦ってきたA君。
「会いに行ったら好きになってしまうだろうな」という目論見通り、2年ぶりに会ったあの日から私の心はしっかりA君に傾いてしまっていた。
かといってA君には彼女さんがいて、私にも恋人がいるという現状で、どうやったってスムーズに関係性を変化させることなんてできないわけで。
私がA君を恋愛的に好きだと自覚したとして、A君が彼女さんを切ってまで私に振り向いてくれる保証なんてもちろんあるわけもない。
どちらかといえば「何を今さら」と鼻で笑われて去って行かれてしまう可能性が高い。
そんな中、私はA君に傾きつつある気持ちを肯定することさえ出来ずにいた。
◇
2年ぶりに会ったあの日から1ヶ月ちょっとが経過したことになる。
会った後の4月、お互いの休みがなかなか合わなかったり私に予定があったりした。
次に会えるとすれば5月だね、なんてLINEをして、でも他県では緊急事態宣言が発令されているし、その時の状況を見て考えようってことでまとまっていた。
そしてGW明けの平日、お互いの休みが2日間一緒のタイミングが訪れた。
A君は最初「泊まりにおいで」と言ってくれていたので、私もそのつもりで予定を明けていた。恋人は両日とも仕事だったので特に気にしていなかった。
日程を決めてからもA君とは普通にLINEをしていたのだが、前日の夜になっていきなり「上司から外出自粛について強く言われてしまったから明日はやめにしよう」という旨の連絡が来た。
この日を楽しみにしていた気持ちは少なからずあったしもちろんショックではあったけど、それなら仕方ないよね、と思って「はいよー」と軽く返事をした。
そこで駄々をこねたところでどうにかなる訳でもなさそうだし。
あと言ってしまうと普通にちょっと疲れていて、生理もいつ始まるか分からないような状況で、あまりにも異性とお泊りをするには不向きの体調だったっていうのもある。
◇
A君は明け方まで仕事のシフトだったので、ドタキャンの連絡以降から何も反応はなかった。
私は予定が一気に2日分なくなったことの解放感から割とぐっすり寝た。
次の日(会う予定だった当日)の昼近くに、夜勤明けでひと眠りしたであろうA君から返信が来ていた。
「あまり会いたくなかった?」
え?ってなった後、納得した。
そうか、思ったより私が駄々をこねなかったから不安になって追いかけてきてくれているんだな、と。ちょっと嬉しかった。
心の底ではめちゃくちゃ会いたかった。会えたら少し素直になって、あなたを好きだと思ってしまっているよと伝えてみようと思っていた。
前回は夜ご飯をおごってもらったので今回はご馳走しよう、目の前のスーパーで食材を買って一緒に作るのもいいな、とか想像する程度には楽しみにしていた。
ただこの時の私は家族との夜ご飯に向けてちょっと手の込んだカレーを作り終えたばかりで、もう会いに行こうという気持ちなんてほぼなかった。
それより、不安で追いかけてくるくらいならなんでドタキャンしたりしたんだと若干腹立たしく思っていた。
そっけなく返すか、かわいらしく返すか悩んで、「会いたかったよ」と素直な気持ちを返信しておいた。また休みが合うときは会いにけますようにと願いを込めて。
◇
それからも家事をこなしつつA君とLINEをし続けていた。
すると、どうして会えなくなってしまったかの話の中で「どこにも出かけられないのに申し訳ないし」みたいなことが送られてきた。
「え?どこか出かける予定だったの?」と声が出た。
いや、20代も半ばの男女が1泊2日で会うってなれば、どこかに出かけるのが普通なんだと思う。それは分かる。
でもA君は大学時代から私とはまったくお出かけをしてくれない人で、会うとなれば当たり前のように家だったし、この前2年ぶりに会った時もずっと家で過ごした。だからもうてっきり私とはどこにも出かけてくれないんだと思い込んでしまっていた。
思った気持ちのまま返信したところ、A君はどこかに出かけるつもりでいてくれたらしい。どこに行くかは決めてなかったから嘘か本当か知らないけど。
今まで出かけた記憶が バイト終わりの夜ご飯か数回の映画か… しかなかった私は、なんとなくA君の中で1つ上の関係性に置いてもらえた気がして嬉しくなっていた。
◇
調子に乗ってしまったのかもしれない。
ここまで惚気のような文章を書いてきてアレだけど、冒頭に書いた通り、私はA君に飽きられてしまった気配を感じている。
お出かけしてくれるつもりだったというA君の言葉に浮かれて、次の約束をしてくれるんじゃないかなんて思ってしまって、いつもよりグイグイと追いかけてしまった。
「お出かけできなくても会えるだけで嬉しかったのに」なんてしおらしく言っている時はA君もすぐ返信をくれていた。
でもそのうち時間が開くようになって、次の日にはパッタリ返ってこなくなって、トークルームを見てみたら既読無視をされていた。もし予定通りお泊りをしていたとしたら、2日目にあたる日の出来事。
別にA君が既読無視をすることは稀にあることだった。でも「え?このタイミングで?」感が拭えなくて、ただただ暇をしていた私のメンタルを抉るには十分だった。
そもそもこの日のドタキャンが本当に上司のせいだったのかも分からない。彼女さんと突然予定が合ってそっちとイチャイチャしていたのかもしれないし、純粋に気乗りしなかっただけかもしれない。
会うのをやめようってなった後も「やっぱり会う?今からくる?」なんて連絡が来ていたから彼女さんと会っている説は薄いけど、結局私は会いに行ってないんだから真相なんてわからないよね。
暇なときにこの仕打ち(既読無視)だったので、思考回路が悪いほうへ悪いほうへと流れて行ってしまってやばかった。
そうなってくると、恋人といるときはナリを潜めている私の中のメンヘラ人格がどんどん存在感を出してくる。インスタは21分前にログインしているから寝ているわけじゃないな、とか言い始める。
本当は「なんで既読無視すんの笑」とか追い打ちLINEをしてやりたかったけど、その文章は何度か打って消した。
24歳にもなると何が逆効果なのか少しくらい分かる。つもりでいる。
既読の文字を見なかったフリして、ちょっとでも考えてしまった幸せな未来妄想を振り払って、トークルームをそっと消した。
私の「会いたい」に「可愛い」と返してくれていた履歴ごと全部消した。
結局その日は積読本を引っ張り出してきて1日中読み漁って、夜は買ったばかりのジャニーズWESTのCDを聴いてゆっくり寝た。
◇
暇な休日が明けて普通に出勤。
大学時代はこれっぽちのことで大学に行けなくなってしまっていたのにな、と成長した自分のメンヘラ人格を褒めたたえつつ、じわじわと寂しくなってしまったりしている。
ちなみにA君からは丸1日置いた後くらいに普通にLINEが返ってきていた。
無視してごめん、でも、何か言い訳をするでもなく普通~~~~のLINEが来ていたので、彼からしたら大したことじゃなかったんだと思う。
それがまた少し悲しかった。
どちらも同じくらい想い合っている恋人関係と違って、私とA君は追いかけたほうが負けのような、バランスをとるのがちょっと難しい歪な関係だ。
いつか私たちのタイミングと気持ちがピッタリ合って、この関係性に進展が来るときはあるのだろうか。
その時が来たらきっと私たちはうまくいく自信があるのにな。と痛い女は今日もA君に想いを馳せている。