後世まで残るのはいいもの。

時の流れの中で、多くの文化的所産は人々に忘れ去られていく。

出版物に目を向けてみると、今出版されている本も数年後には絶版となり、やがてはその存在すら知られなくなっていく。
例えば数世紀前にも数多くの書籍が発行されたはずだが、僕らはそのほとんどの書籍を、その存在はおろか出版されたことすら知らないし、知ることももはやできない。

音楽の分野でも同様の現象が見られる。例えば長い歴史を持つクラシック音楽の中でさえ、現代に残っているのは有名な曲だけで、無名の作品については曲そのものはおろか、そうした曲が作曲されたという事実すら知られていない。

このように、本や音楽、さらには映像作品に至るまで、文化的所産の多くが時間の推移とともに失われていく。自然淘汰のプロセスとでも呼ぶべきこの現象において、個人が大切だと思うコンテンツは、手元に保管しておかなければならない。絶版になった書籍は簡単に手に入らないし、音楽では、ストリーミング配信されていない楽曲はCDでしか聴くことができない。

文化的所産のサイバー空間でのアーカイブ化が進めば、一定の救済は期待できるが、それでも全てが永遠に残るわけではなく時間の経過とともに忘れ去られていく傾向は避けられない。
ゆえに、自分が愛着を持つ本・音楽・映像作品は、自らの手で大切に保管しておく必要があるだろう。

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Daiki Shiraishi
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