理学療法士から海外プロサッカークラブのトレーナーへ。海外に出たからこその収穫と、これからのこと。
オーストリアのSKNザンクト・ペルテン トレーナー
吉田 昇弘さん
理学療法士として病院に勤めていたある日、Ascenders Collegeの海外研修を知って一大決心を決めた吉田さん。現在はオーストリアのSKNザンクト・ペルテンでトレーナーとして活動しています。
実は挑戦前、「日本で経験を積んでから海外に行こう」とも思っていたそうで…。そこからの転機、実際の海外経験で感じたことについてお聞きしました。
【現在とこれまでの働き方】
Q.自己紹介をお願いします。
理学療法士の吉田昇弘です。現在はオーストリアのSKNザンクト・ペルテンというクラブの女子チームでトレーナーをしています。
Q.現在はどのようなお仕事をされていますか?
先にトレーナーとして勤めていた原辺さんと一緒に、女子選手たちのサポートに当たっています。最初はインターン生として現地に入ったのですが、仮にそういった立場であれ、現場に入れば一人のフィジオ。選手からのリクエストもあちこちから飛んできます。
中には経験の少ないことを頼まれて焦ることもありますが、原辺さんに助言をいただきながら、奮闘している日々です。
Q.前職はどういったお仕事をされていましたか?
卒業と同時に就職したのは病院でした。その時から、休みの日にトレーナー兼コーチで少年サッカーチームには行っていましたね。
その生活が2年ほど続いたある日、Ascenders Collegeで海外研修があると知って、真っ先に飛び込みました。ずっと海外サッカークラブで働くのが夢だったので、これは逃すまいと、参加する時点で勤務先にも伝えて覚悟を決めました。
とはいえ、自分がSKNザンクト・ペルテンで働けるとは正直思っていなくて、自分が選ばれたときには驚きも大きかったです。嬉しさも緊張もいっぱいの中で渡欧したことを覚えています。
【運営しているAscenders株式会社について】
Q.Ascendersとの関わりは?
大学の時からスポーツに関わる仕事へ興味があったのですが、周りにはスポーツ関係のコミュニティが無くて。そんな時に高校時代からの知り合いがAscenders Collegeのことを教えてくれて、自分も入会することに決めました。
もちろん勉強するためというのもありますが、そこで色々繋がりを作りたいという気持ちも大きかったですね。
コミュニティに入ってからは、学生のうちから現場に出られる案件をいただくことができて、今に繋がっているなと実感しています。
【渡欧後の生活】
Q.実際にオーストリアで活動してみて、率直な感想はいかがですか?
そもそも海外研修を受ける前は、「日本で経験を積んでから海外に行こう」と思っていた節がありました。ただ、「すぐに動けるだけの行動力が大事」「経験が浅くてもまずは(現場へ)出てみろ」といったアドバイスをいただいて、自分も海外に出てみることにしました。
実際に働き始めると、正直できないこと・わからないことが山ほど出てきました。ただ、わからないことが明らかになれば、それを勉強するのみ。何をすべきか、何が足りないのかをあぶりだす上で、自分は海外に挑戦してみて良かったと思っています。
もちろん今となっては、「さらに上をめざす上で、日本で補うべき知識やスキルがあるかもしれない」と思っている部分もあります。例えば鍼灸に関する知識は日本の方が学びやすいですし、欧州の選手も関心を寄せつつある分野だと肌で感じているからです。一度海外に出てみて今後のキャリアパスを考える流れは、自分に合っていたなと思います。
Q.これはやっておいて良かった、あるいはやっておけば良かった、と思うことはありますか?
学生の時から現場に出させてもらっていたことは、今でも良かったなと感じます。やはり机に向かっているだけではわからないことが多いですし、現場ならではの肌感覚みたいなものが貴重な収穫でした。
一方で「やっておけば良かった」と思うことは、トップレベルの選手がいる現場を見学させてもらったり、インターンをさせてもらったりする経験をつくっておけば良かったということです。私自身は学生のとき、高校年代に向けたサポートをしていたのですが、もしプロの基準を知っていたのなら、早い段階で学んでおけることがあったのではないかなと思います。
あとは言語の習得について、机に向かって勉強するよりも、ネイティブの人と話すような実践的な練習をもっとやっておけば、慣れるのも早かったんじゃないかなとは感じますね。
【これからトレーナーを目指す人へメッセージ】
Q.最後に、これから同じ道を目指す人へメッセージをお願いします!
私が今欧州でトレーナー活動をできているのは、Ascendersの存在がきっかけです。スポーツの現場をめざす人たちのいるコミュニティを知れたことで、講義なり交流会なりに参加することができて、そこで触れた価値観や経験がどんどんその先に繋がっていったからです。
やっぱり、何事も行動しないと変わらない!と強く思っています。迷っている人はぜひ一歩を踏み出してほしいです!