教育に影を落とす時代錯誤人間
昔の厳しい指導を武勇伝のように語る人をまだよくみかける。
その名残なのかそれが必要なことであると錯誤しているのか、ミスをした選手に怒号を発して怒り散らかす。口を開こうものなら「言い訳をするな」どうやらこの種の時代錯誤人間が未だに教育、指導の現場に多いようだ。もちろん、指導者の中には親も含まれる。
そんな大人たちに教育、指導を受けてきた子供と接する機会があった。
以下、そんな大人の下で育った子供達の特徴をあげてみる。
嘘をついてしまう
とにかく怒られたくない為、怒られないようにという思考が働き咄嗟に嘘をついてしまう。これは脳に癖として染みつき反応、反射的に嘘をついてしまう仕組みのようだ。
父親が優秀な方で、息子に対して厳しいパターンの家庭などに非常に多い。
分析すると、子の為を思って言っているのか。自らのみてくれのためなのか、甚だ疑問な為、まずは指導側へ自らの内観をお勧めしたい。
私の息子はしっかりしているという現実を得るための自らのエゴでないことを願う。
自分の意見を言うことができない
これには2つのパターンがある
1つは怒っている人の言われるがままに生活してきた為、そもそも意見がない。思考が停止している状態。
もう1つは間違うことの恐怖から一歩踏み出すことができず、発言ができないパターン。自覚症状のない領域だが、いわばトラウマを抱えているようなものである。
消極的な行動
失敗をして怒られたくないという思考が行動を消極的にさせる。率先して行動することなど出来る訳もなく誰かに指示を受けて動くことの方が楽に感じていることが多い。
人生100年時代、AIによる自動化が進み、雇用が縮小すると言われ、独自の力、技術を持たなくては生きていくことができないと言われる時代。当然その時代に適した人物ではなくなる。
いつどこで奪われた?
どこであきらめることを覚えてしまったのか。(あきらめさせられてしまったのか)
赤子のころは皆、好奇心旺盛であった。
何かあれば触りたい。誰かに自分を見て欲しかった。
いつの間にか人との関わりの中で焼失され、時に勇気を出して意見をしようものなら
「言い訳をするな」と一掃される。
訳を言う事の何が悪いのだろうか、時には誤解だってあるかもしれない。
子供が一生懸命考えて言っているのだ。耳くらい貸してやればいい。その上で論理的に間違いを指摘してあげることが親切ではなかろうか?
また言い訳...
まずそれをやめろ...
思考を停止させたいのか?!
幼い子供達に恐怖を与え、更に失敗することへの恐怖を植え付けて何になろうか?
今、問題解決能力を養うことが教育に求められている。
野球での失敗を問題とすれば、それを解決する為のヒントを与えることが指導側の役割ではないか。
右を向けと言えば右を向き、「はい!」とひと返事に走り出す。
自分と同じクローン人間を作り出すのはいい加減にやめて欲しい。
自分たちの過去を正当化し美化しようとする大人たち。
自分の過去を守るのも良いが未来ある子供たちにそれを当てはめることだけはやめていただきたい。
あなた方が生きるこの時代と子供達が生きる未来は全く別の世界である。
必要な教育も違う。
時代錯誤層がのさばるこの世界にゆとり世代教員が警鐘を鳴らそう。
いわゆる体育会系がもてはやされる時代はもう終わりを迎えている。そんな人間の需要はどんどん減っている。
自らの経験は腹に閉い。時代の変化を受け入れる心の"ゆとり"が私達にはある。新たな時代を受け入れようではないか。
誰かに監視され、罵声を浴びせられ、時に暴力に耐えることは厳しい指導、厳しい環境とは言わない。
厳しい指導、環境とは
与えられた自由の中で自分を律して、考え、目標達成の為に行動することではないか。
その厳しさは耐える事よりも数倍厳しいことであると思うのは私だけだろうか。
耐えれば終わる練習
出来るまでやる練習
どちらが厳しいことであるか、冷静に考えてみて欲しい。
そんな私はいわゆる体育会系と呼ばれる現代版ファシズムの世界でどっぷりと生きてきた。
無駄な風習に心を奪われ、古代の産物にごびりついた錆の色を美しいと長い事錯覚してきた。それでもまだ心のどこかでそれを信じているかもしれない半時代錯誤人間である。
時が流れる事で大人として扱われてしまった赤子たちよ、お昼寝の時間は終わりだ。これまで手放すことのできなかったおしゃぶりはいい加減卒業しよう。教育に私事は不要である。
これ以上、被害者達を輩出してはいけない。
でなければ子供たちが生きる100年時代に充実した未来は待っていない。
子供たちの幸せな未来を願う為に
まずは指導側が学ぼう。
それでもまだ根性、技術うんぬん指導したければ
まずは人間の動作の基本である正しい歩き方についてだけでも学んでみてはいかがだろうか。
時間を惜しみ、怒号を発することも忘れさせてくれるだろう。