ブラックコーヒーの飲める女になるまで
私はコーヒーが好きだ。でもそれは本当だろうか、バスに揺られながら考えてみよう。
幼少期に遡る、小さな私は母親がブラックコーヒーを淹れる姿を眺めている。私の母は、コーヒーが好きだった。
「ねぇお母さん、コーヒー美味しい?」
そう尋ね、一口飲んでみる。
「にがーぁい!!」
小さな私には苦くてとても飲めなかったが、これがコーヒーへの憧れのきっかけだったように思う。大人になったらコーヒーが飲める!そう思っていた。
高校生になると、主にテスト勉強中にコーヒーを飲むようになった。眠気覚ましにはならず、コーヒーを飲んですぐに寝ていた。
当時はまだブラックは苦手だったので、砂糖とミルクを入れていた。それでも、大人へ一歩近づいたようで嬉しかった。
大学生になると、マグカップにもこだわるようになった。雑貨屋さんで素敵な作品を見つけると買い、イイキブンでコーヒーを飲んでいた。
この頃から、砂糖を多少入れたところでスタバに比べれば全然甘くないし、もう無糖でもあんま変わらんくないか?と思うようになり、私は晴れて「ブラックコーヒーの飲める女」になった。
苦くはある。でも、“ブラックコーヒー飲める私かっこいい〜”という、かっこつけ精神が勝っており、私は涼しい顔をして飲むのだった。
それから数年が経ち、今ではすっかりブラックコーヒーを美味しく感じるまでに成長している。
飲めなかった時期も、憧れという意味でコーヒーは好きで、今もシンプルに好きと言えそうだ。
最後に好きなところを箇条書きにしてお別れです
( ¨̮ )