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父の小父さん作家・尾崎一雄と父のこと

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私の父と作家の尾崎一雄さんとの、得難い縁を戦前戦後の風景とともに綴ります。
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#小説

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと 28

尾崎さんの『大吉の籤』という作品に、父が独立して仕事を始めた頃のことが書かれています。大…

atsuko
4年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと18

父がぼそりと呟きました。「三月がやっと終わるな」。父にとって三月は辛い月です。家族を失っ…

atsuko
5年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと8

実家には週一ペースで通っています。一人暮らしの父に少し楽をしてもらおうと、週末の夕飯は妹…

atsuko
6年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと6

日常のふとした出来事が記憶を呼び覚まします。少し気取っていうならば、プルーストの『失われ…

atsuko
6年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと5

二〇一六年三月に母が亡くなってからしばらく、父の精神も体も、目を覆いたくなるほどの衰弱を…

atsuko
6年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと4

少しだけ私の話を。平成十八年(二〇〇六年)に『きものの花咲くころ』という本を上梓しました…

atsuko
6年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと3

父は、尾崎さんが亡くなったのちも、未亡人となった松枝さんと晩年までお付き合いがありました。老いた松枝さんは、生まれ故郷の金沢に「まアちゃん、一緒に行こうね」と誘ってくれたこともあったそうです。きっと、子どもの頃からの親しみゆえ、気安く誘うことができたのでしょう。 松枝さんは気さくで開けっぴろげな人柄で、私も大好きでした。尾崎さんは痩せぎすの体に着流し姿、子どもにとっては近寄りがたさがありました。 尾崎家を訪ねると、たいがい尾崎さんは父と、松枝さんは母と私たち姉妹と、男女チ

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと2

上野の山は、今も昔も大好きな場所です。家族でよく出かけました。子どもにとっては動物園が何…

atsuko
6年前
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父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと1

タイトルにした「父の小父さん」から、ある人は、映画化された北杜夫原作の「ぼくのおじさん」…

atsuko
6年前
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