16候 晩春 あしはじめてしょうず
4/20~4/24
葭始生(あしはじめてしょうず)
4月20日のこと。
お昼休みに、近くのゆう便局へと歩いていきました。
その日はとてもお天気が良くて、もう少し外で太陽の光を浴びていたいと思いました。
なので、小さなころによく遊んでいた公園へ立ち寄りました。
本当に久々に、立ち寄った公園。記憶の中での公園はもっとずっとひろいものでした。
誰一人公園にはいなくて、藤棚の下のベンチに腰掛けて、ただただ、そこに座っていました。
太陽の光は暖かく、ご近所の生活音が各方向から聞こえてきます。
そして、一番大きな音で聞こえてきたのが、咲き始めた藤の花のそばを舞っているクマンバチの羽音です。
ブンブンと羽音を響かせて、藤の花のあいだを飛び交い、藤の密を集めているようです。
コロンとした姿がかわいらしい。
羽音は大きいですが、クマンバチから攻撃性を感じたことはなく、私の事なんて眼中にもないようで、舞う音だけが聞こえてきます。
どうやらクマンバチたちは、花の蜜をいただいている代わりに、金色の花粉を運び、藤の交配の手助けをしているようです。
藤の色 香り誘われ 舞う羽音
金粉かさね 次へと結ぶ
藤の花の色気に誘われて……美しい花の色と香りを感じながら、
ベンチでひとり、なんにもないぽっかり空いた豊かな時間を過ごすことができました。
自然の営みの、持ちつ持たれつという形は時に残酷にもおもえますが、
その命が連なっていることの奇跡と豊かさ、命が結ばれていく姿に気づくとき、暖かいものがこころに流れ込んできます。
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