#時空の森羅万象物語 第Ⅸ章第88節
今節は会話文が多いのも相まって、この物語の中でも文章の長さが随一なのではないかと思います(例によって著者の配分ミスとも言う)。
表紙絵で乙雛さんが三味線を弾いていますが、屋久島で語られる山姫が三味線を弾いていたという話が元です。
第82節で、乙雛さんが三味線を習っていたという話もありましたね。
山姫の容姿や服装、正体については諸説ありますが、木の精や怨霊みたいに言われる事が多いようです。
乙雛さんに関しては、山姫的な龍神のお遣いといったようなところでしょうか。
龍神は「自分は大丈夫」みたいに言っていますが、誓也が封印の力を真正面から受けた事を考えると、本当はかなりの痛手を負っていたはずです。
鏡祐が現世に戻れるまでなるのに60年かかっていますが、その間も回復に要しているはずですし、龍神が狭間の世界を「休息所」と言っているように、氷雨さんから逃れる為にこの世界に逃げ込み、未だ痛手を被った身を回復させ続けていると考えた方が良いかと思います。
龍神が鏡祐に「ようやく起きたか」と言っているのも、60年も経っていたら当然かもしれません。
その間も外の世界では時間が進んでいたわけですが、例の事件で自身の時空を歪められてしまった為に成長が遅く、織姫さんも例の願いによって鏡祐達と同じ見た目年齢を保っていたわけです。
(第78節で八百比丘尼の話が出た時、織姫さんが妙な表情をしていたのはこの辺りに引っ掛かりを感じたからですね。)
なので現在の鏡祐は20代前半か半ばくらいの見た目であり、あくまでも見た目年齢を考えて目上にあたる人(馬叉斗さんとか)にはそれ相応の話し方とかで対応しています。
実際は130年ほど生きている(狭間の世界にいた間の事は置いておくとして)計算になりますが、織姫さんはともかく鏡祐はあまり目立ちすぎないように立ち回っているようです。
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます (^^)