【詩 あの子】
夕焼けが
真っ赤に染まるころ
あの子が
ランドセル鳴らして
通り過ぎる
真っ赤な鳥居の
神社の前
立ち止まり
ちょこんと
頭を下げていく
真っ赤なランドセルに
黄色い帽子
流行歌なのかな
楽しげに鼻歌歌い
通り過ぎる
神社の大きな木
あの子の歌に
つられて
そっと揺れた
神社の鈴も
そっと鳴った
あの子の通りすぎた道では
枯葉が風に揺られていた
夕陽が山の向こうに消えた
もうすぐ
暗くなるね
あの子が無事に通り過ぎたのを
確認
みんな
背伸び
深呼吸して
静かに夜を待つ支度を始めた
空には一番星がスタンバイ中