猫
宵闇迫る部屋の中
忙しかった一日の
ほんのちょい、緩む時間
猫のヒゲがピクピクと揺れる
猫の目玉のように
くるくる回る時間が落ち着いて
猫が丸くなって
背中を撫でる私の手を
気持ち良さげにゴロゴロと
私も猫のように
丸くなり
優しい手が
背中を撫でてくれるのを
小さく小さく泣きながら
あの優しい手と
あの優しい歌うような声を待つ
暗闇迫る部屋の隅
猫に添い寝のまどろみで
子猫になって
小さなあくびをする
よしよしと
背中を撫でる手を
ぎゅっと抱きしめて
愛おしそうに私を見つめる
優しい眼差しを待ちながら
私は子猫の夢を見る