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文士の恋文

“文士の恋文”という公開講座に参加してきた。

文豪の恋文🟰ラブレターの背景を解説しながら朗読する講座だった。

樋口一葉
坂口安吾
太宰治
芥川龍之介

中でも私は昔から芥川龍之介の恋文に
心が揺さぶられた。

芥川龍之介は昔から好きな作家である。
彼の作品はおどろおどろしい作品もあるけれど、彼の優しさが隠れていると思っている。

そんな彼のラブレターはとても優しくて
ふみさんへの気持ちがぎっしり。
白い箱に真っ赤な薔薇が敷き詰められたような優しくて強い愛。そんな感じがした。

短歌を書こうと、古語辞典をパラパラ捲っていたら、辿り着いた懸想文。
書き上げて、ホッと一休みしたところで
この講演会を知った。
懸想文は恋文の事である
ま、まさか!と思いながら、
行くべきか?行かないべきか?と悩んだ。
何かの予兆か?
私は行く決心をした。

文豪作品を読むと引きずり込まれるという話を聞いた。
私もなるかなと“ある作家”の小説を読んだ。
だか、集中力が足りないのか、
私はのめり込むことはできなかった。

私の頭の中は常に醒めた意識があり、
“これは物語”と一線引いてしまう所があるのも理由の一つかもしれない。

逆に“ある作家”にはめちゃくちゃ腹が立ってしまった。
人の心を振り回すとんでもないプレイボーイめと…(ファンの皆様、ごめんなさい🙇‍♀️)
私も大人になり、これもまた才能だなと思えるようになったけど。

その作家の恋文は…
やはり、私には刺さらなかった。

その場の勢いで書いた恋文
何日かしたら忘れてしまう恋心
調子良い恋文
恋に恋してるような恋文
そんな気がしてしまった

芥川龍之介はちょっとオカルトぽい
私は怪談は苦手だ。
だけど妖が好きだ。

だから、芥川龍之介の世界が好きだ。

そして
陰陽師のようなおどろおどろしい世界も大好きである。

実際、もし、百鬼夜行など見たら失神するだろうけど、好きなのだ。

昔、恐怖新聞(従兄弟の家にありこっそりと)やうしろの百太郎をブルブル震えて楽しんで読めたのはやはり
自分の中に“これは物語”という意識があったからだろう。

ただ、今でも読めない本がある
ドグラマグラだ。
あれはちょっと怖い。
だけど読んでみたいという好奇心はある。果たして、読める日はくるのか。

文士達が愛する人に送った恋文。
そこにどんな想いが込められているかは本人と送られた人にしかわからない。

まさか、文士達も何百年も先の人達の前で、読まれるとは思わなかった事だろう。

あっ、芥川龍之介は
見せてもいいって書いていたような…

誰かが大切に保管して置いてくれたから
私も聞けて感動もできた
それは喜ばしい事だけど…
私は私の恋文は
この世をさるまでにこっそりと処分したいと思った。

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