物事が成功するまでの3段階
イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんは、トイレ掃除で有名な方です。
トイレ掃除から学べることは多く、日本各地だけではなく、海外にまでそのお話をされに飛び回っておられたそうです。
今は90歳を超えられているので、どこまで活動されているか分かりませんが、ググってもらえるとその考えの断片を見る事ができると思います。
その鍵山さんが2014年、何かの取材に答えられた中で挙げられたのが冒頭の内容です。
鍵山さんも、文化が定着するまでのご苦労があったのかもしれませんね。
そこで哲学者の言葉に合点がいったのでしょう。
何か新しいことをスタートしようとすると、周りの人はそれに同調しないのが普通のようです。
よーし!やろうぜ!と全員が食いついていくるなんてことは不自然なのでしょう。
それで確保できる安全、高まりすぎないリスクはありますですから、むしろ正しい反応です。
自分に経験があること、セーフティゾーンの内側にとどまろうとする保守的な心が「新しい事に同調しない」というアクションに繋がります。
新しい事への反対は、保守的であろうとする心に従っているまでのことで、人として当たり前です。
誰かの始めた「新しい事」が成功することによって、相対的に自分の価値が下がることを警戒し、足を引っ張る本能が作用することもありそうです。
何かの取り組みが軌道に乗るには、発起人であるリーダーが大事ですが、同じくらい大事な存在として、リーダーの「新しい事」に乗っかるフォロワーがあると聞きました。
1人のアクションが2人になると、一気に2倍です。
1人が推進する「新しい事」は、1人だけの気まぐれで、独りよがりで唯一の意思かもしれない行動だったのが、2人目の出現によってメジャー化の可能性が見えてきます。
確かに、とても大きい意味がありそうです。
リーダーは嬉しいでしょうしね。
周りが「同調する」というアクションにまで至るには、損得勘定も作用すると思います。
「新しい事」がメジャー化する兆しが見えた時、「乗っかる」か、「乗っからない」かの選択の時になるわけですが、多数派に加われば、それは自分にとって新しい保守に身を置くことに繋がります。
「数は力だよ、アニキ!」と言ったのは機動戦士ガンダムの登場人物ですが、一方でブームに乗るか乗らないかは「新しい事」の持つ意味や納得性による側面もあるのでしょうね。
あるいはリーダーやフォロワーの人柄や人間性も。