五省について
「五省(ごせい)」に出会ったのは内田康夫さんの小説の中でした。
内田さんが亡くなられてしばらくになりますが、書かれる小説が好きです。
探偵浅見光彦や信濃のコロンボこと竹村岩男刑事が難事件を解決する痛快感は、次の作品、また次の作品と中毒性がありました。
また作中には日本各地の風土や文化が描かれ、旅行に出かけた気分を得ることもできました。
旅情ミステリーとジャンルされていましたが、旅行記+推理という組み合わせは、今で言うイノベーションですね。
さて、「五省」ですが、かつて海軍兵学校の指導に使われていた五箇条です。
自衛隊の幹部候補生学校のHPに記載があるので、今も使われているのかもしれませんね。
この学校のHPには現代語訳も併記されていました。
軍国主義だ!と忌避することも自由ですが、ここには主義や宗教や時代を問わず、目指すべき人の生き方、武士道みたいなものにも繋がっている内容に僕は感じます。
人は完全ではないので、この5つが完璧に満たされる続ける人生は不可能かもしれません。
でも、1つでも2つでも、意識して努めることは出来そうな気がします。
懐かしくなって内田康夫さんの小説をまた手に取っています。
昭和から平成にかけて紡がれた作品には、旅情ミステリーであることに加え、一昔前のノスタルジー感も纏っています。
小説はタイムカプセルでもありますね。