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パーフェクトな勝利、それは引き分け?

50対50の痛み分け。
問題は先送りに。
でも外交ではほぼパーフェクトな結果でしょう。
100対0では遺恨を残す。
勝ち負け、白黒、加害者被害者をはっきりさせることは
双方に傷を残す。

多分、「空母いぶき」の映画か漫画かのセリフです。
誰かと対決構造になったとき、そりゃあ自分が勝ちたいですよね。
自分の意見や論理(あるいは腕力?)を、自分は正しいと思っていますもの。
例えば野球の試合で、相手チームをボッコボコにやっつけて30対0のコールドゲームで圧勝したとします。
大差でワンサイドなやられ方をした相手チームの心には、渦巻くものが残りそうですよね。
必死で練習し、次の対決の試合では死ぬ気でかかってきそうです。
故意か偶然かのデッドボールで乱闘が起きるかも…。
仮に試合の最後の最後で1点返し、「一矢報いた!」となったなら、負けはしたものの遺恨はあんまり残らないかもしれません。
野球界に平和が維持されます。

本当に目指すべき勝利があるとすれば、引き分けに持ち込み、妥協点を探る中で、できるだけ自分の価値に近いところに譲歩を得ることかもしれません。
孫子の兵法にも、断崖絶壁、一歩後ろはもう崖っぷち!という状況に敵を追いつめると、敵はむしろ一念発起して牙をむくので自分たちの被害が増える、といった教えがありました。
これって、普段のコミュニケーションの中でも大事なことのように思います。
ネットニュースでは「完全論破!」なーんて取り上げ方で、もてはやされたり、称えられたりする話題もありますが、一方的に相手をノックアウトするのは、長期的に見ると賢くない戦術だと思います。
その時は完全な勝者かもしれませんが、遺恨を持った敗者は、いつか復讐の刃を向けるかもしれませんし、それが一時の勝者の息の根をとめるかもしれません。
世界は色々なバランスの元で成り立っていますよね。
物事に0%や100%は無いのかもしれませんし、自分でコントロールできるのならば、あえて白黒はっきりにならないように配慮するのが、本当に賢い人の立ち振舞いなのかもしれません。
この言葉が頭にあると、スポーツニュースで「ノーヒットノーラン達成!」とか「完封!」とか「2位以下の全車を周回遅れ!」とか「5対0、ホームゲームで圧勝!」なーんて見出しを目にすると、なーんとなくモヤッとするのです。

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