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WiFi接続のNASに有線のネットワークを追加してみた

以前書いた記事を読み返していて、NASとPCの間だけでもケーブルで接続すれば、悩みから開放されるような気がしてきました。

我が家のネットワーク環境は無線です。PCもNASもすべて無線で接続しています。
そもそもNASをWiFiで運用するのがおかしいとお叱りを受けそうですが、住んでいるお家の都合で、リビング(ルーター設置場所)からPC部屋まで有線ケーブルを引き込めません。
NASはWiFiのインタフェースを持っていないので、LANケーブルの先にこういう中継機↓をつなげて、無線化しています。

最初はこれでもよかったのですが、遅さを感じることが多々あります。中継機の調子が悪いときは、しばらく接続できないという状態に陥ったりすることもあります。
また、PCとNAS間のデータ転送なのに、毎回無線のルータを経由するので、無駄なトラフィックが家中を駆け巡っているような気がして、なんとかしたくなってきました。


1. 現状

冒頭でも書いたとおりで、すべての機器が無線接続でルーターにつながっています。

すべて無線で接続(現状)

2. 改善

PCとNASの通信だけ有線のネットワーク、固定IPで運用するように変更します。こうすることで、もうIPを調べる必要もなくなりますし、さらに

  • PC↔NAS間の通信速度UP

  • 安定した通信

  • 無駄なトラフィックが軽減できる

という効果が期待できます。
というわけで、ネットワークの構成を以下のようにしたいと思います。

こういうふうにしたい

既存のWiFi環境とは別に、NASとPCの通信のために、有線のネットワーク(青色の部分)を新設します。文字で書くと、以下のような形になります。

  • ネットワーク1(既存のWiFiルーター: 192.168.1.0/24)

    • DHCP

    • PC、スマホ、タブレットからインターネットへの接続

    • NASのファームウェア更新やアプリケーションの更新

  • ネットワーク2新設の有線ハブ: 192.168.2.0/24で作ります)

    • 固定IP

    • NASのIP: 192.168.2.10

    • PCのIP: 192.168.2.11

    • PC↔NASの通信

使っているQNAPのNASにはLANポートが2つあるので、1つ目はこれまで通り無線のコンバーターへ、2つ目のLANポートでローカルネットワークを構築すればよさそうです。

3. 設定してみる

必要なものは以下のとおりです。

  • スイッチングハブ(1Gbpsのものでした)

  • LANケーブル x 2

どちらもクローゼットの奥に眠っていたものを引っ張り出しました。

3-1. 有線ケーブルでつなげる

  • NASのLANポート1のLANケーブルは、すでにEthernetコンバーターにつながっているので、これはそのままで。

  • NASのLANポート2からハブへLANケーブルを接続。

  • PCのLANポートからハブへLANケーブルを接続。

  • ハブの電源をONに。

3-2. NAS側のLAN設定

QNAPの管理画面から、コントロールパネルを起動します。

QNAPのコントロールパネル

「ネットワークと仮想スイッチ」をクリックします。
ネットワークインタフェースが2つ表示されるので、新設するローカル接続用のインタフェースをクリックして、以下のように静的IPの設定を行います。

新規で固定IPを設定する
  • 静的IPアドレスを使用する

    • 固定IPアドレス 192.168.2.10

    • サブネットマスク 255.255.255.0(/24)

デフォルトゲートウェイは設定しなくてOKです。

3-3. PC側のLAN設定

Gnomeのコントロールパネルから、「ネットワーク」を選択して、有線接続を新規作成。
以下のように設定しましたが、WindowsやMacの場合も内容は同じだと思います。

PC側の固定IPを設定
  • IPv4メソッド 手動

  • IPアドレス 192.168.2.11

  • ネットマスク 255.255.255.0

こちらもゲートウェイは設定しません。

以上で設定は完了です。

3-4. 接続確認

ブラウザから「http://192.168.2.10:8080」を開いてみたところ、NASへのログイン画面が表示されました。
次に「smb://192.168.2.10」をマウントして、いつもどおりファイルが読み書きできていることを確認できました。

4. 作業を終えて

以上、WiFi環境のみだったネットワークに、有線のローカールネットワークを追加してPC↔NASを接続するようにしてみました。
結果は以下の通りです。

  • IP固定
    ケーブルでつながっている機器は、コマンドを使って名前やIPアドレスを探す必要がなくなりました。

  • 速度
    4GBくらいのファイルをNASへコピーしてみたのですが、システムモニター読みで、15MiB/sec→64MiB/sec。4倍くらい速くなりました。1000Mbpsのハブなので単位を変えると119MiB/secです。理論値のだいたい半分くらいの性能が出ているということになりました。(もうちょっと出ないかな)

  • 安定性
    こちらも中継機を使わなくなった影響だと思うのですが、とても安定して接続できています。

  • 無駄なトラフィックの低減
    実際にトラフィックをモニタリングしていないので、なんとも言えません…。他の通信機器が劇的に速くなったかと言われると、体感できるほどの変化は感じられません。大きいファイルをNASへコピーしているときに試してみればわかると思うのですが、面倒なのでそこまでは確認していません。

速度は大幅に上がりました。まあ当たり前といえば当たり前なのですが。
速くなるって単純に嬉しいです。次にNASを新調するときは、もっと高速なハブを使ってみたいです。


なお。構成図のアイコンには「さくらのアイコンセット」を使わせていただきました。ありがとうございます。


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