Django REST Framework 入門ガイド
1. はじめに
Django REST Framework (DRF) とは?
DRFを使うメリット
この記事の対象読者とゴール
2. Django REST Framework のセットアップ
必要なライブラリのインストール
プロジェクトへのDRFの追加手順
設定ファイル (settings.py) の基本的な設定
3. シリアライザー (Serializer) の基本
シリアライザーとは?
serializers.Serializer と serializers.ModelSerializer の違い
簡単なシリアライザーの実装例
バリデーションの追加と応用
4. ビュー (View) の種類と実装
Function-based Views (FBV)
Class-based Views (CBV)
ViewSets
ビューの選択基準と応用例
5. URL ルーティングの設定
通常のルーティング
ルーターを使った自動ルーティング
カスタムルーターの作成
名前空間を使ったルーティング
バージョン管理を導入する方法
6. 認証と権限の設定
DRFがサポートする認証方式
権限の設定 (permissions.py)
標準の権限クラス
カスタム権限クラスの作成
Token認証とJWT認証の導入
開発環境での注意点
7. ModelSerializerを使ったCRUD操作
ModelSerializerとは?
データの作成 (Create)
データの更新 (Update)
データの削除 (Delete)
データの読み込み (Read)
クエリセットのカスタマイズと関連モデルの扱い
8. クエリパラメータとフィルタリング
クエリパラメータの取り扱い
DRFのフィルタリング機能
django-filter の活用
フィルタバックエンドのカスタマイズ
9. ページネーション
DRFのページネーションの仕組み
ページネーションの設定方法
LimitOffsetPagination
PageNumberPagination
カスタムページネーションの実装
10. APIのテスト
DRFの組み込みテストツール
APIClient の使用例
ユニットテストと統合テストの基本
11. 応用編
スキーマ生成とAPIドキュメントの自動生成
drf-spectacular や drf-yasg の紹介
Signal と Celery を使った非同期処理
カスタムフィールドの作成方法
12. 次のステップ
1. はじめに
Django REST Framework (DRF) とは?
Django REST Framework(以下DRF)は、Djangoを使ってRESTfulなWeb APIを簡単に構築できるライブラリです。
DjangoはもともとHTMLページのレンダリングをベースに設計されていますが、DRFを利用することで、JSON形式のデータをやり取りするAPIを簡単かつ効率的に実装することが可能になります。
DRFは以下のような機能を提供します:
シリアライザー:データベースモデルやPythonオブジェクトをJSON形式に変換する仕組み
ビューセットとルーティング:コードを簡潔に保ちながら効率的にAPIエンドポイントを作成
認証と権限:さまざまな認証方式(Token認証、JWT認証など)をサポート
フィルタリングとページネーション:データの絞り込みや分割のサポート
スキーマ生成とAPIドキュメント:API仕様書の自動生成
これらの機能により、少ないコードでも便利なAPIを実装できます。
DRFを使うメリット
DRFを使うことには、以下のように多くのメリットがあります:
簡単で迅速な開発
DRFはDjangoとの親和性が高く、既存のDjangoプロジェクトに簡単に統合できます。また、ModelSerializerなどの機能により、モデルに基づくシリアライザーを自動生成できるため、開発スピードが向上します。拡張性が高い
標準で用意された機能だけでなく、カスタマイズ性も非常に高いため、プロジェクトの要件に応じて柔軟に対応できます。ドキュメント生成の容易さ
DRFには、APIドキュメントを自動生成する仕組みがあり、drf-spectacularやdrf-yasgを使えば、SwaggerやOpenAPI形式で視覚的なドキュメントを簡単に提供できます。大規模なコミュニティ
DRFは活発なコミュニティによって支えられており、多くのリソースやサードパーティーパッケージが利用可能です。
記事の対象読者とゴール
この記事は、Djangoをある程度使った経験がある方を対象としています。
具体的には、以下に該当する方を想定しています。
Djangoで簡単な実装をしたことがある
モデル、ビュー、テンプレートについての基本的な知識がある
Djangoそのものから学習したい場合は、公式サイトのドキュメントや、
日本語でも書籍があるので、そちらから始めるのが良いと思います。
本記事のゴール
この記事を通じて、以下の項目を達成することを目指しています。
DRFを使ってシンプルなAPIを構築できるようになる
認証、フィルタリング、ページネーションなどの基本機能を活用できるようになる
API開発を効率化するためのツールや技術の知識が広がる
次章ではDRFのセットアップ方法から解説していきます。