泉健太が維新についてBS11で語った事 -2021 立憲民主党代表選
明日から立憲民主党の代表選挙が始まることから、速報性を重視して簡単にお伝えします。
BS11の「報道ライブ インサイドOUT」という番組です。2021年11月10日水曜 ゲスト泉健太、司会岩田公雄 コメンテーター鈴木哲夫
ゲストは泉健太一人だけで、約一時間の番組なので、かなり長時間の出演です。話している時間が長く、かなり参考になりました。
以下は、同番組の『「維新の会」躍進、立憲はどう向き合う?』のコーナーでの、泉健太の、維新に関連する発言のひと下りを、出来る限り音声に忠実に書き起こしてみたものです。
以下引用
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あのお、瞬間風速、としてというと分かりませんが、たしかに維新さんの支持率が、たとえば、こう、上がるとかですね、そういうこと、あるんですが、しかし、やはり、あの、立憲民主党が立憲民主党らしさというか、もっているよさをしっかりとまず、もう一度再確認、再認識をして、独自で歩むと、いうことだと思います。たしかにあのう、友党である国民民主党さんもですね、いま、維新さんとの連携の話がいろいろ出ていますが、だからといって立憲民主党がそれを追いかける様にですね、あの、寄っていくということではなくて、やはり、例えば維新さんとはですね、分配の議論をしたときには、やっぱり維新さんは、改革をしなければ、分配もしない、という姿勢を一部おっしゃってましたので、そこは我々と明確に違うわけですよね。そういうところはやはり、しっかりと違いを出して、まあ、やれる部分はいっしょにやれ、れば、いいですねと、いう姿勢でいきたいと思います。
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引用終わり
以下、私のコメントになります。泉健太の生の発言だけ知りたくて、他人のコメントで色をつけられたくない、と思う方は、ここで読むのをやめていただいて結構です。(なお、この番組の一字一句そのままというわけではない、多少要約気味の発言録は、泉健太自身のnoteのアカウント[なりすましの可能性はほとんどないのでないかと思います]で公開されていますhttps://note.com/ikenta/n/nb3a9106a19c9)
ただ、話は、司会者やコメンテーターの話の流れの中において話されているものですし、発話の本当の意味は、話している表情とか声音などを見ないとなかなか分からない部分もあって、私のコメントも多少参考になると思います。
さて、泉健太は、維新の議席数が大幅に増えた理由について、二段階に考える必要があり、大阪の小選挙区の結果は特殊事情だと思う、関西メディアでの露出はたいへんなものがあった、と話しています。「それに加えて全国で立憲を忌避する流れの中で、「改革」という言葉はかつて民主党もよく使っていたが、そのカードは維新の方に移っていると多くの国民が思いつつあるなかで、維新が比例も大きく伸ばしたのかなと考えている。」
https://note.com/ikenta/n/nb3a9106a19c9、と話しています。(この直前の括弧内は、泉健太のnoteアカウントが、この番組での発言内容を記載しているものから引用)
このことから、つまり、泉健太は、大阪の小選挙区の結果は、大阪メディアの特殊事情、と考えているわけです。そして、維新の選挙結果については「躍進」というよりは、弱めに考えていることが分かります。また私の書き起こしでも、「瞬間風速、としてというと分かりませんが」とも言っています。
次に、この維新の議席増についての見方の話のほぼすぐ後で、「立憲民主党が立憲民主党らしさというか、もっているよさをしっかりとまず、もう一度再確認、再認識をして、独自で歩むと、いうことだと思います」、と言っています。ですから、ツイッター上で、リベラル系の人の一部が、泉健太について「維新と手を組む」なんてとんでもない、それだけで泉健太は問題外、と言っているような
見方とは、実態は違うことが分かります。「独自で歩む」というのと、維新と手を組む、というのでは、違いが大きすぎるでしょう。
続けて、国民民主が維新と関係を深めようという動きをしているという話について、立憲がそれを追いかけて「寄っていくということではなくて、やはり、例えば維新さんとはですね、分配の議論をしたときには、やっぱり維新さんは、改革をしなければ、分配もしない、という姿勢を一部おっしゃってましたので、そこは我々と明確に違うわけですよね。」と言っています。考え方が(一部と言っているにせよ)明確に違う、と言っているわけです。
その後に、「まあ、やれる部分はいっしょにやれ、れば、いいですねと、いう姿勢でいきたいと思います。」と言っているんです。
この下りは、番組全部の中で、司会者の岩田公雄が、穏やかな言い方ながらも
維新について、市政改革で程度強引にでもやってきた部分については(たぶん大阪では、という意味でと思いますが:note筆者注)評価している人が多いのは事実、このへんは取り入れていかないといけないのじゃないか、と言う風にやや持論気味に話した流れからの所です。これに対し、泉が、行革については民主党政権時代は取り組んでいたが、政権を失ってから、あまり発言しなくなっており、これについては反省すべきことだ、という意味のことを話します。続けて、司会の岩田公雄が、維新の台頭に対して立憲がどう対応するかは相当大きな課題、と言い、コメンテーターの鈴木哲夫の意見を聞きます。この時点で、場の話の流れは、維新は無視できない、という感じになっています。これに対し鈴木哲夫は、意味としては、共産党と組んだらどうだとか、維新が伸びてるからどうするみたいに迷ったら、立憲は迷走する、泉の言う、立憲らしさを構築するのが大事で、数も立憲の方が多いし、(国民民主のように、という意味と思いますが:note筆者注) 下手にでてこっちから仲良くする必要もない、我々は我々、一緒にやるなら、 (立憲の方向性に合わせて、という意味と思いますが:note筆者注) むしろ維新さん、いっしょに行きませんか、という姿勢であるべきだと思う、という意味のことを言います。
泉健太の、先程発言(書き起こし) はこの流れで出てきているものです。ですから、泉健太は、維新と我々立憲民主党は明確に違う。違いをしっかり出して、一緒にやれる部分があればやる、という姿勢、でいきたい、と言っているわけです。ここで、先程の書き起こしで書きましたように、泉健太の実際の発言は、「しっかりと違いを出して、まあ、やれる部分はいっしょにやれ、れば、いいですねと、いう姿勢でいきたい」、だったということに注意が必要です。これは実際に音声を聞かないと分かりずらいですが、「やれ」と「れば」、「れば」と「いいですね」の間に、それぞれはっきり大きい間をとっています。これは、どっちかというと、あまり乗り気でない、やるつもりのないことについて、相手の顔を立てるために、可能性としてはありうる、というニュアンスを残すためによく使われる話し方の感じの音の出方でした。我々が日常生活で時々使う、ご協力できれば(仮定)いいですね、というような距離の取り方、の感じです。
維新と協力の可能性を言うなど問題外という人もツイッターで結構見ますが、政治的には、これだけ瞬間風速的にもある程度大きな支持がでている勢力について、一言の下に完全否定するのは、そのにわか支持者の一部国民の人たちをも完全否定することになって、それらの人たちを維新から奪還することも難しくなります。また、次回の参院選で、共産社民れいわと仮にうまくやっても、維新が続々候補者を立ててくれば、共闘の効果は激減する可能性もあるわけです。ですから、選挙戦術的には、維新の完全否定は悪手の可能性が高いですから、この程度の言辞は、政党の代表になろうとする政治家の発言として、常識的なものだと思います。枝野が所属しているサンクチュアリが推した逢坂誠二でさえ、参院選で自民と一体一の構造を作るためには、どことは組むがどことは組まない、などという事はできない、という意味のことをはっきり出馬会見で話していました。これはつまり、明らかに選挙区によっては維新と協力することも排除してない、と解せます。ですから、現状で、ツイッターや大手メディアで、泉健太が維新と連携に前向きである、あるいは、維新と組むつもりである、などと報じられたり、理解されているのは、基本的には誤解や、かなり誤報に近いものである、といってよいと思います。受け止め方は、人によって差はもちろんあるにせよ、実際に話された言葉に則して理解するべきだと思います。