大学生が、データサイエンティスト検定リテラシーレベルに1ヶ月で合格した話【DS初学者】
データサイエンティスト検定リテラシーレベルを、初学者ながら1ヶ月かからず合格したので、ノウハウをまとめました。
この記事を読めば、
・DS(データサイエンティスト)検定とは
・必要な教材
・合格して得られるもの
が明確になると思います!
自己紹介(学習歴)
慶應義塾大学理工学部管理工学科4年生。大学では統計やAI、数理最適化、金融工学、IE、プロジェクトマネジメント、経済などを幅広く理系的な視点から学んでいる。まあ、データサイエンスとは距離が比較的近い学部だと思う。
Twitterはこちら→@A7_data
詳しくは以下を見てね
忙しい人向け
公式リファレンスブックを全て覚えろ
黒本をやれ
合格するほどの力がつけられれば、DSに関する幅広い知識と学習ロードマップを手に入れられる
DS検定(リテラシーレベル)とは
一言で言えば「初学者向けの、データサイエンティストとして働く上で必要な知識を幅広く問う試験」
体感、「統計検定2級」+「G検定」+多少のビジネス力と言った感じ。
基本情報
どんな試験?
『データサイエンティスト検定 リテラシーレベル』(略称:DS検定 ★)とは、アシスタント・データサイエンティスト(見習いレベル:★)と数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムが公開している数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合し、実務能力と知識を有することを証明する試験です。(データサイエンティスト協会HPより抜粋(2023/04/12))
実際に受けて感じたことだが、プログラムを書かせることもないし、難しい計算も必要なく、ただ知識を問われるだけなので、本当にスタートラインの資格といった感じ。
構成
データサイエンティスト協会は、データサイエンティストに必要な力を大きく3分野に分けており、
データサイエンス力:情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力
データエンジニア力:データサイエンスを意味のある形に使えるようにし実装・運用できるようにする力
ビジネス力:課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力
試験もこの三つから構成されている。ただ、実技はなく、選択肢問題であるのでご安心を。
対象者
上の文言を見ても分かる通り、「これからDSを学ぶ人」が主な対象であることがわかる。また、初心者向けに最低限の知識を幅広く覚えようということなので、「DSの専門ではないけど、教養として知っておこう」という人にも大変役に立つと言える。
近年、データの重要性が語られることが多いので、データ活用に興味がある人は一度受けてみるのもいいかもしれない。
ちなみにホームページには、
データサイエンティスト初学者
これからデータサイエンティストを目指すビジネスパーソン
データサイエンティストに興味を持つ大学生や専門学校生など
と記載されている。
歴史
検定の歴史はとても浅い。第1回が2021年の9月に開催され、自分は第2回の2022年6月に受験した。
DS自体、盛り上がってきたのが最近であり、まだまだ定義が曖昧なところが多いので仕方ない。
そのため、試験もややお粗末なところが見受けられ、まだまだ生まれたばかりの赤ん坊といった感じ。
実際、同じ問題が試験に2回出たりした。
検定概要
2023年の検定概要
2023年4月12日現在、次回は第4回が2023年6月3日(土)〜6月25日(日)に開催される。
第5回は2023年11月11日(土)〜2023年12月3日(日)、
第6回は2024年3月上旬〜下旬が予定されている。
期間に3週間ほどの余裕があるが、受験者はこの期間の中から一日選んで、好きな試験センターに行き、パソコンで試験を受ける(CBT方式)
応募期間
もうすぐ始まる第4回試験の申し込みは、4月17日(月)10:00〜5月22日(月)23:59(月)とされている。
忘れないうちに、そして自分にプレッシャーをかけるためにも、早めに申し込もう。
試験内容
選択式、90分で90問のCBT方式。若干計算問題があった記憶があるが、難しくないので焦らずにやれば大丈夫。あとで詳しく書くけど、ビジネス力の範囲の問題を素早くとき、他に時間をかけるような時間配分がおすすめだと思う。
出題範囲としては、「データサイエンス力」「データエンジニア力」「ビジネス力」の三つから出される。
詳しい出題範囲:数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムと、スキルチェックリストの3カテゴリ(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)の★1(見習いレベル)を総合した範囲である。
https://www.datascientist.or.jp/common/docs/skillcheck_ver4.00_simple.xlsx
さて、ここらへんで「おや?」と思った人もいるかもしれない。散々、「データサイエンス初学者向け」とかいって簡単風を装っておきながら、試験範囲はめちゃくちゃ広い。
なので初学者向けで簡単な試験ではあるが、油断していると普通に落ちる。
受験費用
ちょっと高い。一般は1万円、学生は5千円。やっぱりちょっと高い。
でも、今後データサイエンスを勉強するにあたり、全体像を得られるので受ける意味は大いにある。
ただ、資格を取ること自体にあまり意味は今のところないので、試験を受けなくてもしっかり勉強できる、という人は受けなくてもいいかも。
模擬問題
データサイエンティスト協会のHPに模擬問題が公開されている。
https://www.datascientist.or.jp/common/docs/practice_v1.2.pdf
難易度がイマイチわからない人は、これを見れば掴めると思う。
合格率・合格ライン
過去の検定の合格率は50〜60%ほどで、合格ラインは正答率約80%とされている。
数字で見ると意外に低いが、覚えることをしっかり覚えれば難易度的には合格できるはずなので、おそらく範囲が広すぎて覚えきれなかった人が多いんだと思う。
しっかり計画を立てて、覚えきることが大切。
受験者数も第一回は約1400人、第二回は約2900人と、増加傾向。
詳しくはこちら
試験の内容などは全て以下のデータサイエンティスト協会のWebサイトにまとまっている。
教材
書籍
自分が使ったもの
公式リファレンスブック
正直、これを全て覚えれば受かると思う。280ページくらいあるからまあ1ヶ月あれば十分覚えられると思う。
徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応
通称黒本。問題演習をこなしたくて買った。結構たくさん問題があるので、これだけで十分かも。
Webサイト・対策講座・アプリ
データサイエンティスト検定の特徴として、たくさんの対策講座が公開されている。自分が受けた時よりもだいぶ増えたが、自分はスキルアップAI社の基礎講座を電車の中や、歩いているときに聞いていた。
自分が使ったもの
スキルアップAI株式会社「DS検定リテラシーレベル対応データサイエンティスト基礎講座」
普通にわかりやすかったと思う。
DS検定リテラシーレベル対策アプリ
自分が購入したときは250円?ですごく安かった記憶があるが、今や値上がりしてしまったので、このアプリか黒本のどちらかでいいと思う。
自分は使っていないけど、データサイエンティスト協会で紹介されているもの
株式会社GRI「DS検定対策講座」
CTCテクノロジー株式会社「ゼロから始めるデータサイエンス〜DS検定リテラシーレベル対応講座〜」
株式会社AVILEN「全人類がわかるDS検定対策講座」
株式会社ディジタルグロースアカデミア「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル対策講座」
https://www.dga.co.jp/service/e-learning/008/
株式会社日立アカデミー「<eラーニング>AI・データサイエンス基礎」
合格して得られるもの
データサイエンスの全体像
幅広い知識が手に入り、DS関連の新しい分野を勉強しようとする時でも「あー、これ聞いたことあるわ」という状態でスタートできるのでやりやすい。これがとても大きい。
深層学習のことをやるにも、データベースを触るにも、データサイエンスに関連することを学び始めるときにスタートダッシュを決められる。
ブロックチェーンを利用した合格バッジ
合格証がブロックチェーンを利用して発行される。だから何?と言われればそれまでだが、なんかかっこいいじゃん。
企業によっては評価されるところも?
企業によっては、取得すると給与がアップしたり祝い金をもらえるところもあるらしい。合格すれば間違いなくデータの扱いに対する知識はある程度持てるので、会社としても嬉しいのだろう。
個人的に思う合格する方法と感想、まとめ
合格する方法
上でもちょくちょく書いたが、
公式リファレンスブックを覚える
問題演習をこなす
対策講座をみる
この三つをちゃんとやれば、1ヶ月で合格できると思う。通勤電車の中では対策講座とリファレンスブックをやり、家では復習がてら問題演習をする、といった感じで自分は大学に通いながら、なおかつデータサイエンス初学者ながら1ヶ月で合格した。
このツイートも参考にしてもらえると嬉しい。
ただ、統計もAIも全くの初心者というレベルなら、もう少し長く見積もった方が良いかもしれない。
まあ、理系なら大丈夫。多分。
あ、あと「ビジネス力」に関しては、大学生でも安心して欲しい。読めばわかる問題しか出ない。実際、自分はアルバイトしかしたことがなくてビジネス用語なんて全然知らなかったけど、問題文を読んで考えればわかるので試験勉強に割く時間も少なくした。試験本番も、ビジネス力は満点だった。
反対に言えば、社会人の方々はビジネス力はあるから優位だとは言えない。この検定のビジネス力が簡単すぎるから。どうしてもデータサイエンス力とデータエンジニアリング力をしっかり抑えられるかの勝負になると思う。
感想
個人的には、受けて良かったと思ってる。一番の恩恵はやっぱり、全体像が手に入ること。次に何を勉強すれば良いか、自分のスキルで何が足りていないのかを意識できるようになったので、学習スピードと効率、そして挫折するリスクを考えても、全てかなり良い影響を及ぼしていると感じている。
迷っているなら受けよう。ただ、この資格を取ったから十分ということは何もない。あくまでベース知識が手に入るという感じ。
データサイエンス関連の本
データサイエンスに興味がある人は、面白そうだな、と思うような本をいくつかおいておきます。笑
一生モノのビジネス教養 データサイエンス大全 -シンプルにわかる49の用語と13の実践
あの有名なデータサイエンス系YouTuberのウマたんさんが書いた本。図解が多くてわかりやすい。
データサイエンティスト入門
企業でデータサイエンスがどう使われているのかを例と共に示されている。データサイエンティストに必要なスキルなどもまとめられているため、未経験者にはためになると思う。1000円行かないで買えるので、優しい。好き。
データサイエンスの無駄遣い 日常の些細な出来事を真面目に分析する
これは僕が読みたい本。笑
空想科学読本っていう本が昔あって、大好きでよく読んでいたが、それのデータサイエンス版みたいな感じがしてて、面白そう。笑
データサインティスト検定合格したら、次は何をする?
統計知識をもっと深めたい人は、統計検定2級をまずは目指してみると良いと思う。この検定に合格できたなら、統計検定2級も少し勉強すれば取れると思う。
統計検定2級対策はこの記事を参考にしてね
データエンジニアリング力をもっと深めたい人は、とりあえずSIGNATEやKaggle出場を目指して、機械学習やデータ分析周りの勉強をすれば良いと思う。YouTubeなどでたくさん教材があるので、まずは無料のものから始めてみると良いと思う。
優良教材をたっくさんまとめておいたので、この記事を参考にするといいものが見つかるはず!
おすすめの本としては、分析モデル 入門がある。
基礎の統計から、最新の機械学習、深層学習、強化学習の手法がわかりやすい図解と程よい数式でまとめられていて、初心者でも読めるし、何せ世界の天才たちの工夫とそれによりもたらされる進化を感じることができ、読んでいてとても面白い。おすすめ。
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