法科大学院に2年間通った感想
こんばんは。今回は、法科大学院に2年間通っていた時の感想をここに書いてみます。
法曹志望の方もそうでない方も、そういう世界もあるんだなーという感じで読んでみてください。
法科大学院ってどんなところ?
法科大学院は、簡単に言えば、弁護士や検察官や裁判官(これら三者のことを法曹といいます)を目指す人が法律の専門知識や実務について学ぶ場所です。
しかし、その就職先は法曹に限られず、幅広く存在します。国家公務員、企業の法務部門など様々あります。
法科大学院に入ったきっかけ
私は高校時代から弁護士に憧れていました。
授業で日本国憲法の前文を読んだときにその内容に感動し、法律を生涯学べる職に就きたいと思いました。
弁護士になるには司法試験に受かる必要があります。
そして、司法試験の受験資格として、法科大学院卒業(2022年までの制度)か予備試験合格のどちらかが必要です。
なお、現在は法科大学院の在学生にも受験資格が認められています。
私の場合、大学時代に全然勉強が追いつかなかったため、予備試験合格の道は厳しいと感じました。また、法科大学院ではより専門的に法律を学べると考えました。
そのため、法科大学院への進学を選びました。
法科大学院入試の受験勉強
ここでは少しだけ受験勉強について触れます。
大学時代は法曹志望者向けの講座に参加し、サークルは法律の勉強サークルに入っていました。
そのため、自然と法科大学院入試に関する情報(難易度、過去問、司法試験合格率、先輩の合格体験記など)が集まりました。
自分の志望校を決めた後は、友人とゼミを組んで、判例集を検討したり、志望校の過去問を検討したりしていました。
判例集の検討では、事案と判旨の読み合わせをして、理解を深めました。
試験問題は事例問題だったので、論文の答案を書いてはチューターの先輩に添削してもらい、反省点をまとめるという作業もしていました。これが大変でしたが、実力につながったと思います。
大学時代に使用していた基本書・問題集
ここで、大学時代に使用していた参考書や問題集を紹介します。
基本書は以下のようなものを使っていました。
憲法→芦部
民法→佐久間(総則・物権)、松井(担保物権)、内田民法、潮見(債権総論・各論)
刑法→基本形法(総論・各論)、
会社法→リーガルクエスト
民訴法→藤田(講義、解析)
刑訴法→リーガルクエスト
行政法→基本行政法
その他、試験対策講座、判例百選なども使いました。
問題集は、主に旧司法試験の過去問とえんしゅう本を使いました。
法科大学院に入学
法科大学院には、未修者コース(3年制)と既修者コース(2年制)があります。
未修コースは法律を勉強したことのない方向けのコースです。入試の内容も一般的な小論文の問題などがあり、法律を勉強していなくても入学することができます。入学した後は、3年間で法律の基礎から応用まで勉強することになります。
既修コースは法律をある程度勉強している方向けのコースです。入試では、法律の事例問題(論文式)が出題されます。そのため、受験する場合は過去問で論文対策をする必要があります。
私が入学したのは、法科大学院の既修コースでした。
5 法科大学院1年目(2年生)
1年目は、まず法科大学院の生活に慣れることから始まりました。
授業時間は大学の時と同じく90分でしたが、その後に質問会があり実質的には90分を超えていました。体力勝負という感じです。
授業内容は問答形式で、質問された内容を予習資料を見ながら答えていきました。基礎的な質問から答えのない応用の質問まで幅広くありました。予習をする際は周辺知識まで見ておかなければ授業についていくことが大変だと感じました。
課題は、予習課題、復習課題、レポート、起案(答案を書くこと)など様々ありました。課題を終わらせるために徹夜したのは良い思い出です。今となっては、課題をする際に時間制限をかけたり、完璧を目指さないようにしたりと工夫すれば、徹夜しなくて済んだなと思います。
土曜日には補講ゼミがあり、司法試験の過去問を解いていました。教室に集まって2時間で起案し、翌週にその問題の解説を聴きました。最初は全然答案が書けず、途中答案ばかりでした…
そんな感じで毎日課題と起案に追われていました。
6 法科大学院2年目(3年生)
3年生になると、実務科目が増えました。民事実務と刑事実務です。
民事実務では弁護士や裁判官の先生が文書の作り方や民事実務の考え方を授業していました。要件事実についても学びました。
刑事実務では弁護士や検察官の先生が訴訟資料の見方や刑事実務の考え方を授業していました。
印象に残ったのは、模擬裁判です。これは、民事も刑事も両方経験し、大変有意義な授業でした。
民事模擬裁判では、原告・被告・裁判所で分かれて、実際に訴状などの訴訟資料を作成・提出したり、証人尋問をして証言を引き出したりしました。民法の勉強になるだけでなく、訴訟資料の作成の仕方や証言を引き出すための話術も学ぶことができました。
刑事模擬裁判では、検察官・弁護人・裁判所で分かれて、配布された資料から攻撃防御方法を考えて尋問したりしました。訴訟資料の読み方や訴訟手続きの流れは刑事訴訟法の勉強になりました。また、事実認定のやり方については、刑法におけるあてはめの勉強になりました。
その他の授業は起案メインのものが増えました。そのおかげで答案を時間内に最後まで起案することができるようになりました。
7 法科大学院に通った感想
まず、課題の多さに驚きました。生活リズムをキープするのが大変でした。課題に時間をかけすぎないこと、そのための工夫が必要だと感じました。
そして、授業の緊張感がすごかったです(私があがり症なだけかもしれません。)。予習をしていても緊張するので、これは慣れるしかないですね。
また、体調管理が大事だと思い知らされました。体調を崩している人も多かったので。(私もよく体調を崩しました。体調管理は本当に大事です。)
しかし、法律の専門的知識を学べただけでなく、論理的思考力や事務処理能力などを鍛えることができました。
また、先輩の弁護士とのつながりや司法試験に関する情報など独学では手に入らないようなものを得ることもできました。
さらに、2年間集中して勉強できたことが思い出として残っています。
今回はこんな感じになりました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。