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好意の消費期限

ついこの間、マッチングアプリで出会った彼とわたしの好きなオムライスを食べに行った。

初対面な感じもせずただただずっと話をしたり聞いたり笑ったり、店員さんがお水のお代わりに10回くるくらいは長居してしまった。申し訳ない。

わたしはふと、社交性のスイッチが切れる時がある。
人が大勢居るところや声が聞こえないところ、公共交通機関を利用中などなど
話がしづらかったり、聞こえないから聞き直す話し直す、静かな場面で話をするというのはストレスなのだ。
相手を気にしたり、周りを気にしてしまうのが要因である。

今回も同様に店を出たあとにやってしまった。
元々ご飯を食べたらその日は解散だった。
でも楽しかったから2軒目を誘われたが特にお店の提案もなく出てきてただ無意味な徘徊を続ける目的がわたしには分からず先ほどの要因も相まって沈黙が続いた。

それを察した彼は「やっぱり帰ろう」「話があるから乗り換えの時に一緒に降りていいか?」と提案があった。
正直いくら気が合ったとしても決められたスケジュールを終えたあとに「無計画になにもしない」というのが性格上許せなかったのだ。イラつくとかストレスとかではなく、ただただ「今これはなにをしているのだろうか?」と理由が欲しくなる。

此処で驚いたのが彼はきちんと自分の気持ちを伝えてくれたこと。
「ゆくえさん、いきなり黙っちゃったから楽しくないのかと思って不安で、次も本当に会えます?嫌なら嫌って今ここで言ってほしい」
今までの人生で学生、アルバイト、職場、仕事柄色々な人(異性)と関わってきたがこのタイプは初めてで相手の気持ちを害してしまうなら自分の気持ちを押し殺してもいい我慢したほうが楽だと回避し続けてたわたしには新鮮に映った。

一見なよなよしく思うだろう、でも初対面の人間にここまで弱みを出せるのか?わたしならno一択。

自信なさげなでも真実は知りたい、受け止める覚悟のある瞳を見たとき、その場凌ぎの嘘をついたり誤魔化しは効きそうになく、黙ってしまった経緯、上に記述があるようなことをぽつりぽつりと述べた。
自分の心の奥の話をするのはいつぶりだろうか。

わたしの構築する人間関係は3段階に分かれてて
①興味ないけどいざとなれば会話はできる一般層
②わたしのことを肯定してくれて好意を持って接してくれるからこちらも誠心誠意応える友人層
③なんでも相談できるし不満も伝えられる時には頼れる親友層

彼は言った。
「ゆくえさんから好意を持たれてるのか分からない」と。これまた衝撃的だった。
そもそもわたしの世界ではまず人間を興味あるかないかで振り分ける。興味を持てたのなら知りたいし話したいし力になりたい、これはのちの好意に発展する。
興味が無ければ自分から話題は振らないし会話を発展させる努力もしない、最低限のコミュニケーションをとって終わりなのだ。

この問いはわたしの構築式を2〜3段階ほどすっ飛ばしたかのようなもので、その場で最適解を導くことはできず解散してから幾分か悩んだ。

ひとまずなんとなくだがこれまでの経験上、初期段階で盛り上がりを見せていた場合冷めるのもいきなりだし無に戻るのも早いとみた。
比べてわたしはいつも遅く、わたしのことをこんなに大切に思ってくれるなんてこの人良いかも…と思った時には相手は別の人に心変わりしていたりとまあよくある話。
なんだかそういうこともあって恋愛をするのが億劫になってしまい、人に興味を持たないよう自分の気持ちに蓋をするようになった。

好意を持たせてみせる!と息巻いていた彼だが、その様子に少し嬉しくなりつつ「この人も前と同じかな」とどこか冷めてる部分もあった。

これからどうなるのだろうか。
わたしは果たして彼のことが好きなのだろうか。好きになるのだろうか。
もう少しお互いのことを掘り下げて理解していく必要性だけは大いに感じた。

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