君だけの星を探す旅

リーディングコンサートへのゲスト出演、お疲れさまでした。
初めは大阪まで観に行くつもりはなくて、本当に全く思っていなくて。
五関さんが頑張っている場所には何処にだって行く気だって思ってたし、そのつもりなんだけど、でもしんどくて。往復のバスを予約してもやっぱり行きたいって前向きに思えなくて、なんでかなーやっぱり二部構成のうちの二部とアンコールの曲のみの出演だから、だったのかな。どんなステージに立っていたって五関さんがその仕事を全うしない訳がなくて、その信頼は揺らいですらいなかったのに、それを観に行くには物凄い力を使わなきゃいけなかった。
本当どうしても遠征って苦手で。時間が決まっていない気ままな旅ってわけにはいかなくて時間しくじったら終わりってところと、単純に遠くの、いつも暮らしている圏外に出る、ってことが凄く怖い。楽しめたらこんなに楽しいことないんだろうなって思うけど、やっぱりどうしても駄目。少なくともまだ今は。

だからバスに乗るまでに何度も帰っちゃおうかなって思った。帰ってしまえば楽になる、行かなかったらこんなに苦しい気持ちで遠くに行かなくて済むって。
でも、わたしにはどうしても空席にすることは出来なかった。当たったからには、そこの席はわたしのためにある場所で、別に実際には五関さんが来いって言ったわけじゃないけれどそれに近しい意味合いを持つところだから。
あと、シェイクスピア物語でいっぱい空席を見た。近くの席がぽこぽこ空いてたこともあった。わたしは舞台のチケットのはけ方とか知らないし満員御礼なんて滅多にないことなのかもしれないけどわからないし、ケースを知らないから、だからだと思うけど、その空席たちがショックだったから。わたしがあの悲しい席を作るわけにはいかないって、本当それだけだった、正直。ゲストとして呼んで下さった観月さんにも失礼だと思ったのも、勿論。

大阪について梅芸を久々に見て、ああ懐かしいなと思った。一月のことだったね、シェイクスピア物語は。こんなに早くまた大阪に、一人で、ずっと一人でくるとは思っていなかったよ。奇しくもシェイクスピア物語が繋いだご縁だったから、うーん、その時のわたしにはあんまり嬉しいとか、思えなかった。
とにかく遠征へのネガテイブな感情が大き過ぎて楽しいとかわからなくなってた。
なにより体調がめちゃくちゃに悪くて、ずっと緊張状態で。
サンケイホールの劇場には親切にも連れて行って頂いた。大阪駅って一つでも大きいのに阪急と更にもう一つあって、いっぱい出口があって、方向音痴にはキツイとかいうレベルじゃなかった。でも帰れなくなったら本当に死んじゃうから一生懸命覚えようとした。

劇場についてチケットを取り出した。
ああ、来たんだなと思った。来れたんだ、本当にって。
大袈裟だとは自分でも思うんだけど、なんていうかしんどい気持ちが限界まできていたからたったそれだけのことでも報われた気になった。

内容としては恵比寿での公演と変わりなく、多分セットリストも変わっていなかったと思うんだけど、恵比寿で観て聴いていたから前回よりはノリ方もわかって、一部のライブパートも楽しかった。観月さんの声ってなんていうか可愛らしいのに綺麗で、あまり耳馴染みない曲調でもすんなり入ってくるからファンでなくても楽しめたのかなぁと思う。ゲスト出演させて頂く方のファンだから、メインの方が全然興味なかったら辛い以外の何物でもないと思うんだけど、観月さんには好感を持っていたのもあって楽しめたのが嬉しかった。

リーディングパートで出てきた五関さんは、なんというか恵比寿でのそれよりも「若いが気弱で暗い医者」という役柄そのものになっていた気がする。恵比寿の時点でも充分なほど役になっていたと思うんだけど、なんというか大阪での読み上げでは五関さんと役がしっかり一体化して、演じるというかその役が実際に感情を伴って話している、という感じがした。
それに関しては湖月わたるさん、観月さんもそうで、二ヶ月の間が空いたにもかかわらず凄いの一言では済まされないくらい、良かった。
湖月わたるさんの歌い上げる声、感情を込めているというより感情をそのままに、抑えたい抑えられない想いを歌にしている感じがとても胸に迫った。凄い人だと思った。
贔屓目じゃないと思う、わたしは五関さんがそのお二人に負けないくらい、同じくらいって言っても恥ずかしくない程、堂々として見えた。
きっと、内面では緊張もあっただろうとは思うんだけど。それは五関さんのもので、役には全く響いていなかったから。

ジョークの部分は本になく、暗記なんですよって言っていたけど。なるほど目が頭の中のものを探るような感じになっていたからそうだったんだと思う。元を知らないから五関さんがしっかり暗記したものを披露できたのかは知る由もないけど、でもあの時会場はいい感じに暖かった、うん。観月さん、湖月さんのファンの方はどう感じてくれたのかなぁ。実際のところはわからないけど、五関さんが演じるキャラクターはしっかり受け止めてもらえてるような雰囲気をわたしは感じたから、嬉しかった。

ハナミズキでも、恵比寿の時よりもしっくり場に、歌に馴染んでいて。聴いていてじんとしてしまった。

ジョアンナ、スー、そして医者。その三人が好きになった。

アンコールでの出演でも、観月さんは優しく五関さんを紹介して下さって。
五関さんも、あくまで観月さんを立てる姿勢を貫いていて。
観月さんが「来年、再来年とまたリーディングコンサートというものを続けていきたい」と言っていた言葉を借りて、その時は是非また呼んで下さいと言っていた五関さんは、なんていうか、こうして今までもこれからも縁を大事にしていくんだなって、そう思った。

五関さんが頂くお仕事は、わたしの好きなタイプの仕事じゃない時もある。だとしても与えられた場で力を尽くす五関さんがわたしは好きだから、その仕事を好きになれないとしても、やっぱり五関さんがいるステージに惹かれていくんだろうと、思う。
来年、再来年ともしかしたらまたリーディングコンサートに呼んでいただけるかもしれないし、そうじゃないかもしれないけど、もしその機会を五関さんが頂けたのなら、きっと観にいく。観にいきたいと、思う。

「他の誰かじゃなくて僕を呼んで下さい」
他の、の部分は具体的には名前を出していたけど、わたしはこの言葉が嬉しかったな。
もっと自己主張していいのに、って歯痒く思うことが度々あったから、こういう気持ちがあるんだ、言葉にしてくれるんだ、って。
それを聞いて、大阪まで頑張って行って良かったって思った。

ジャニーズでリーディングコンサートを経験したのは五関さんだけ。珍しいゲスト出演だって立派にこなした。その事は大きな収穫だった、きっと。
次は自身のコンサートがある、わたしはまた今月大阪まで頑張って行く。
きっと、今回の経験はわたしにとっても大きな収穫になった、はずだ。

次はもっと明るい気持ちで行きたいな、大阪。




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