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米の成長を見守った半年間

通勤路が田んぼの間

4月に今の職場に異動してきた。
自宅から職場までは歩いても15分程度。車も持っているが道中は少し狭い道だし、ガソリン代も高いので特別に車が必要じゃないときは徒歩通勤している。
メイン道路をまじめに歩くよりも、途中で田んぼの間を通るほうが少し近い。期せずして毎日朝晩稲の成長を見守ることになった。

田植え~成長

5月か6月頃、突然田んぼに水が現れた。いわゆる代かき?と思いながら通過。そしてあっという間に田植えがなされている。
田植えも田んぼ毎に少し異なっていて、余った苗を隅っこに固めて植えているところもあれば廃棄なのか畔に打ち上げているところもある。

その後はただひたすら稲が伸びていくのを見守った。彼らの成長はすさまじく、朝と夕でも丈が伸びていた。毎日「すげえな」を連発しながら田んぼをじろじろ見ながら歩くわたしは農家さんからみると怪しいことこの上なかっただろう。

突然「奴」が現れた

ぐんぐん伸びてはいくものの、一見ただの草にしか見えない稲。はてこの状態でどこまで伸びるのだろうか、いわゆる稲穂はこの草のどこに隠されているのだろうか、と思っていたある日、「奴」が現れていた。

稲穂がお目見えしている。

最初は見慣れた田んぼに違和感を感じてぎょっとなったが、よく見るとそれは稲穂だったのだ。おそらく休日明けの出勤日で観察間隔が少し空いていたと思うが、稲穂がついている田んぼの稲は一面に稲穂が出現していて、いったいどこから現れたのかわからなかった。
その後数日かけて、まだ稲穂が出ていない田んぼを観察し、どうやらあの草の中から稲穂が伸びてきてコンニチワしている様子だと判明した。ただの草状態の稲と稲穂がコンニチワした後の稲では確かに下半身のしっかりし具合が違う。
草に見せかけてその中できちんと米をつけていたとは。
しかも本当に出てくるその時は花粉のようなものをまとっている。彼らの受粉過程はどうなっているのだろう。その辺はよくわからなかった。

品種の違いか、田んぼ毎に稲穂がつく時期はかなりずれていて、おかげで稲穂が現れる過程を観察することができたのだが、初めて見たあの日の衝撃はしばらく忘れないような気がする。

稲刈り

成長が早かった田んぼはこれまた突然刈られていた。いつになったら田んぼの水を抜くのだろうかとか泥状態でトラクター?刈り機?は入れるのだろうかとか、勝手に心配していたが、当然ご無用だった様子だ。
無事に米になってくれたのならそれ以上のことはない。

小学校5年生の学びの続きをした社会人6年生

小学生の頃に稲作体験と称して近所の田んぼを借り、米を育てる授業もあったが、我々は当然「田植え」と出来上がった米(もち米だった)で「餅つき」しかしていない。田んぼの管理をしてくださっていた農家さんが稲刈りをして、その稲を干していたような気もするが、「やってくれてんだ~」程度の感想しか持たなかったような気がする。
母の実家は農家なので、高校生までは脱穀の手伝いに行っていた。それで少し米には詳しい気になっていたが、稲の成長に関しては全く知らなかったと痛感した。

毎日稲の成長を観察し、稲穂が一面に現れる瞬間を目の当たりにできたのは幸運だったといえる。米がどのように生産されるか、その一部だけでも知ることができたのだから。小学生で学びきらなかったことを今になって少し学んだような気がする。

Take home messege”お米をおいしくいただこう”

まだ稲作の全容を知ったわけではないが、この半年間だけでも彼らは広大な土地と莫大な水とそれなりの手間を要するようだと感じた。米粒一つ残さず食べるように育てられたので、当然今までそのような汚い食べ方をしたことはないが、今後もすることはないだろう。

ご飯を炊くのは一人暮らしにはコスパがあまりよくないので避けていたが、今後自炊するときはおいしくご飯をいただくようにしようと思ったものである。今年の新米が出回るまでに手元の米を食べきって、おいしいご飯にありつきたい。



ヘッダー画像はnoteみんなのフォトギャラリーからお借りしました。


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