黄緑

桜の季節も終わり、新緑がとてもみずみずしく、美しい頃になった。

今日も、私は、電車に乗っていた。今日は、息子の心療内科の通院日だった。電車には、片道1時間ほど乗った。

いつも電車に乗って座席が空いた時は、ラッキー！と、思って直ぐに座っていた。座れた時はいつもの癖でついスマホを触ってしまっていたが、混んでいて座れない電車では、吊革につかまって立って、窓からの景色を見ていた。

そうだ、これだ！
まだスマホを持っていない頃の私は、窓からの景色を見るのが電車に乗るときの楽しみだった。上京して来る前の暮らしでも、何気なく流れていく知らない街の景色を窓から見ては、色んな事を想像したりして楽しんでいた。

このところ雨が降った影響もあるだろうが、とにかく今日は、新緑が一段と美しく、目を奪われた。木々の芽の幼い葉の色は木の種類によっても勿論違うのだろうが、それぞれの色が本当にみずみずしく眩しいほどだった。
夕方の日光の当たり具合も丁度良かった。まさに命がみなぎっている。喜んでいる。

私は、あいにく絵画が苦手だが、この景色を絵筆で描こうとすると、どの位のバリエーションの「緑」を使うのだろう、と感じた。例えば、濃い緑、黄緑、さらに黄色味の強い黄緑、かすんだような緑、・・・とたくさんある。どんな混色をすれば、リアルに目に映るその緑に近づけられるのか、私には想像もつかないような程のそれぞれに違った「緑」を使うのだろうな。

同じように見えて、違っている美しさに、また感動した。

私たちの現代の暮らしでは、テレビやスマホ、タブレット端末やパソコン（我が家にはないが、ゲーム機）などのブルーライトに、毎日この目がさらされている。

こうやって美しい緑、ありのままの自然を目にすることが、私たちの目にとっては、何よりもよいのだろうけれど。

今日は、電車での往復の間だけだけど、めいっぱいの美しい緑を、約１０分間は見れた。きっと、目に栄養をあげられたんだし、「キレイな緑だ～。」と感激したことで、心にも栄養をあげられたんだと思った。

ラッキーって、毎日たくさんあるんですね。

ラッキーなA&Y