塾や予備校は何を提供しているのか
受験産業について、ときどきこのように思います。
その答は・・・
分かりやすい授業
成績UP
志望校合格
人によっていろんな回答がありそうです。
私は教育業界に関わる中で、これまで塾講師として働いてきた経験があります。
長年受験指導をしてきた中で、正直に言うと
「この子が志望している○○大学に合格するのはちょっと難しいな・・・」という場面がよくありました。
そんな場面で「大丈夫!きっと合格できるよ!」と(無責任な?)応援をするのか・・・
それとも「その大学は君には難しいから△△大学にしたら?」と(これも無責任に?)現実を突きつけるのか・・・
という選択にとても頭を悩ませてきました。
でもふと、「この二択じゃないのではないか」と思ったんです。
きちんと努力してきた生徒にはきちんと納得のいく形で受験を終えてほしい。
そしてどこであろうと進学した先でも頑張ってほしい。
そんな未来につながる指導をしたいと思いました。
例えば塾の合格実績のために無理にチャレンジさせることも、
指導する立場からのアドバイスともとれる言葉で簡単に生徒の可能性を潰すこともしたくない。
じゃあどんなサポートがいいんだろう。
そこで、それまでに卒業していった生徒たちのことを思い出してみました。
その中には、とことん勉強に打ち込んだ結果、
たとえ志望校に合格できなかったとしても、次のステージでも自力で新しい目標を見つけてバリバリ頑張っている!!
という人がたくさんいました。
これに気づいたとき
「受験勉強って一つの手段でしかないな」ということにも気づけました。
スポーツでも趣味でも何でも、何かに打ち込んだことのある経験って強いですよね。
「受験勉強に打ち込む」っていうのも、数多くあるジャンルの一つだなと思います。
目標に向けてとことん打ち込んだ結果、
○○大学にはやっぱり届かなかった・・・。
ってなってもべつにいいじゃん!
大人に言われたから、自分のチャレンジをせずに、なんとなく△△大学に進学しちゃうよりは。
その経験はぜったい将来の力になるよ!と思います。
もちろん無謀なチャレンジばかりであってはいけません。現実的な問題として、どこかでセーフティネットは用意すべきではありますが。
「大丈夫!きっと合格できるよ!」と無責任な応援をするのでも、「その大学は君には難しいから△△大学にしたら?」と、これまた無責任に現実を突きつけてチャレンジの可能性を潰すのでもなく、
いっしょに目標をクリアにして、打ち込んでいく環境を作っていってほしい。
塾や予備校って、学費を払ってもらって結局何を提供しているところなのか?
勉強を教えること
成績を上げること
合格するようにサポートすること
いろんな考えはあるけど、
【何か打ち込めるものを見つける一つの環境を提供できる場】であることも
大事にした産業であってほしいと思います。