【019】Today’s Branding Topic

ブランドが毀損するリスクの事例。
たまに無性に食べたくなるという食べ物はないでしょうか?僕にとっては吉野家の牛丼がそれにあたります。
吉野家と言えば、「うまい、やすい、はやい」という「味、価格、効率」という価値を消費者に認知させた牛丼屋です。
消費者の期待する価値に反して、提供までに提供まに時間がかかりすぎるとブランド価値の低下につながります。
そんな吉野家が行ったキャンペーン。消費者からの非難を受けています。
問題となっている企画「魁!!吉野家塾」は、人気漫画『魁!!男塾』とのコラボとして2021年7月から開催中のもの。
マイル(米礼)をためると最も豪華な特典として「お名前入りオリジナル丼」がプレゼントされる。最も豪華な特典には、66,000円以上の購入が必要になります。さらに、1マイルためるには300円以上の支払いが必要となり、ためられるのは1日1回のみ。オリジナル丼との交換には220ポイント必要で、220日以上かかる計算になります。しかし、当初参加者に対し「丼に記載できる名前は任意」と案内していましたが、後になって実名でないとNGと説明を覆したことにより、非難を浴びているようです。これは、金額的コスト以上に時間的コストを消費者に求めていたキャンペーンになるので、大きく非難を受けることにつながったのでしょう。220日とは、1年365日の3分の2の日数、牛丼を食べることになります。このキャンペーン自体の構造が牛丼を習慣化させようという策が強すぎるのではないか、消費者のことを思っていない施策ではないかと個人的には思いました。
「うまい、やすい、はやい」というブランドイメージは変わらないものの、ブランド体験としてはどうでしょうか。
吉野家の役員が以前こんなコメントをされていました。「吉野家のように日常食を提供する飲食店が成長するには、客層を広げて、来店回数を増やすかに尽きる。」まさに来店回数を増やす施策でした。