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マイケルジョーダンの舌 (謎解き2日目)

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咀嚼、嚥下の際、歯がカチカチと上下にタッピングして噛んで、たったそれだけではものを飲み込む準備にすらなりませんし、もちろん飲み込むこともできません。

そもそも食べる時に歯をそのような仕様はしません。

歯医者さんに行けば、「カチカチして」「ギリギリして」と垂直方向と側方方向に上下の歯を噛み合わせて動かし、咬合(噛み合わせ)を合わせますが、そんな動き、どちらも生理的には行いません。

寝た状態でご飯は食べないので、それらの調整は、そうでないと調整できないという歯医者さん側の都合です。

しっかりと機能に合わせるならば、動作に合わせる評価が必要になります。

舌と口蓋(口の中の屋根の部分)の関係があり、ものを飲み込む時にはその関係が不可欠です。舌が口蓋に圧をかけながら、後方に引き込む動きをします。

高重量トレーニングのデッドリフトを行う際。
重量を地面から浮かし、最後、脊椎をしっかりと伸ばし(伸展させ)持ち上げ切る動作を行う際、“チンイング”という下顎を後方に引きながら、頚椎を後方並進運動する動きをします。それによって脊柱を支える筋群がバチっと活性するのですが、その時に舌は口蓋の後方の天井を頭のつむじの方向に強く圧迫します。


100メートル走のスタートの際。
頭頚部は俯き(屈曲し)目は上転、舌は口蓋の前方の屋根を強く圧迫して、強く地面を蹴り、反力を受ける連動につなげます。

咀嚼嚥下の際以外にも舌と口蓋の関係は重要な働きを持ちます。

そして、やってもらえれば分かることですが、地面を見るように頭位を俯ければ(屈曲すれば)、舌は口蓋にベッタリと着いてきます。

俯くよりも先に、舌と口蓋がベッタリと接する関係を作れば、頭蓋骨が下顎の方に吸い寄せられるように軽く頭位が俯きます(屈曲します)。
ものを飲み込む時には、この頭位が頷く動きが必要になり、頸部深層屈筋というローカル筋と呼ばれる頚椎を支える小さな筋群の働きが必要になります。

つばを飲み込んでみてください、軽くうなづくように顎が退けるでしょう。

舌と口蓋の良好な関係は自然な頭位の屈曲を生みます。

そして、その連動は腹筋群の機能活性、腹圧が高めやすい環境、脊柱の安定から、股関節の安定にも関わる大腰筋の機能しやすい環境へとつながります。

トレーニングの昔ながらの基本的な腹筋の形は、頭の後ろに手を回して頭頚部に屈曲の形を作るでしょう。

連動として、そういうことです。

口は身体から独立しておらず、他部位の機能との兼ね合いがあってこそ成立します。

”活動”とはそういうことです。そして健康は常に活動の中にあります。

そしてジョーダンのパフォーマンスも活動と同義です。

あんなハイパフォーマンスはみなさんの生活に必要ではありませんが、同じ仕組みで間違いありません。

口の中の出来事も、例外なく身体の活動に合っていなければいけません。

あれだけ大きく舌を動かしながら躍動できるということは、間違いなく舌と口蓋の関係は良好だったと想像できます。

「なぜ良好だったと言えるのか?」
「舌を出せることと、口蓋と舌の良好な関係はイコールなのか?」
そんな疑問をぜひ浮かべてください。

何でもかんでも世の中にある情報を信じてはいけません。
切り取りの情報には疑問が生まれるのがセットです。

上を見上げてみましょう(頭頚部の伸展)
口は開き、舌は口蓋から離れ、後方に引っ込むでしょう。
下顎も後ろに下がります。

このことから、普段から舌と口蓋の関係が不良の人は、舌を大きく前に出すことが苦手です。

ましてや大きく前に出した状態でビッグパフォーマンスを続けるなど不可能です。

頭部、頸部、下顎、舌、口蓋、これらの状況に影響を及ぼす要素はいくつもあります。

そしてこれらの要素が関わりジョーダンのように大きく舌を出すということができるわけですから、ただただ、鏡に向かって舌を出してエクササイズすることが何かの正解には辿りつかないことはわかるでしょう。

キャッチーで簡単な情報にはそういう側面があります。
それがビジネスです。

口蓋と舌の関係を使用して発語する音がうまくいかない人などは軽く俯いて(頭頚部屈曲)口蓋と舌の関係が取りやすい環境を作ってみるのも良いでしょう。

その状態から腹式呼吸で息を吐いて腹筋群を活性させてみても良いでしょう。

『ジョーダンの舌と口蓋の良好な関係は頭頚部の屈曲動作と腹筋群機能、股関節の安定、地面への強い出力と共にある』

ということです。

10本連続でシュートを外しても僕はためらわない。
次の1本が成功すれば、それは100本連続で成功する最初の1本目かもしれないだろう
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- マイケル・ジョーダン -

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