あなたはコンテンツの集合体―人生の目標を、一言で表せますか?
「流れ星理論」をご存知だろうか。
これは、単なるスピリチュアルな話ではない。
星が流れるほんの一瞬のあいだに3回も言えるほど願い事が明確になっている人は、いずれ叶う。
そういうことなのだそうだ。
今日は、願い事を人生の目標に置き換えて考えてみたいと思う。
わたし探求メディア「Molecule(マレキュール)」にて、取材記事を書かせていただいている。
働く子育て世代の生き方・働き方のヒントとなるような、「わたし」主語のワクワクを大切にした記事をお届けするのがコンセプトである。
今回は、株式会社rainboww代表取締役であり歌手の顔ももつ朱静儀さん(以下、朱さん)にお話を伺った。
朱さんには、たいへん明確な人生の目標がある。
そして、その目標を支えるのが、多彩な「コンテンツ」だ。
私たち誰もがもっている、たくさんのコンテンツ
コンテンツとは、そもそも何だろう。
直訳すれば「内容」や「目次」であり、もう少し突き詰めていえば、「“情報の”中身」ということになる。
人は皆、複数のコンテンツをもっている。
たとえば私で言うと、しばしば「ライターの中村」であり、「コーチングセッションする中村」であり、また勤務先の学校では「先生」だ。
「妻」であり、「お母さん」であり、実家の家族から見れば「娘」「姉」でもある。
ピアノを弾くときには「音楽家のはしくれ」になるだろう。
大好きな寺社めぐりをしている時は参拝者、美術館をうろうろしている時は鑑賞者だ。
友人から見たら、地域の人から見たら…考え出すときりがない。
そして何より、自分と向き合っているときには「何者でもない、1人のにんげん」なのである。
それぞれが大事なコンテンツ。どれも自分の一部である。
あなたはどうだろう。
少し考えただけでも、たくさんのコンテンツを持っていることに思い当たるのではないだろうか。
あなたという総合エンターテイメントに看板を付けるとしたら?
ここまで、誰もがたくさんのコンテンツを持っていることを見てきた。
しかし朱さんのすごいところは、コンテンツの質や量、という話ではない。
「私の人生の目標はエンターテイメント」と言い切り、その目標と朱さんのもつコンテンツが見事にリンクしているところ、「あきらめない私」という看板を掲げているところ。そこが特筆すべき点だと思う。
自分がもっている、複数のコンテンツ。
それらを総合して「私の人生の目標はこれです」と言い切れる。
これはすなわち価値観を突き詰めることだろう。
自分が生きる上で、何をよりどころにするのか。
これだけは譲れない、というものは何か。
少なくとも今の自分には、これらのことを短い言葉でズバッと言い切るのは難しい。
私の場合は、「自由で、豊かで、楽しく生きる」ことを大切にしたいと思っている。
しかし、それらと自分が有するコンテンツが全てリンクしているか?というと、自信をもってYesとは言い切れないのだ。
流れ星が消える前に、人生の目標を3回言えるか
今回の取材で朱さんとお話して、「なんと頭の良い方だろう」という印象を受けた。
具体的な質問であれ、抽象度の高い質問であれ、瞬時にこちらの意図を読み取り、スパーンと小気味よいほど明確な答えを返してくださるのだ。
(しかも、しかもですよ、中国出身の朱さんは、母国語ではない日本語を自由自在に操ってお話されるのです)
朱さんが生まれつきの頭脳明晰さに恵まれていることは想像に難くない。
しかし、それだけではないだろう。
思うに、朱さんは日頃から「物事を深く考え、的確に言語化する」ことをいとわない方なのではないか。
「私の人生の目標はエンターテイメント」という一言も、これまで朱さんが自分の価値観、生き方、めざしたいことを考え抜いて生まれたものではないかと思う。
おそらく、朱さんは流れ星を見たときに即座に願い事を3回唱えられるだろう。
あなたはどうだろうか。
人生のテーマ・目標に沿って日々の行動をし、それらがコンテンツになる。
もちろん脇道にそれることもあるだろう。「ちょっと、違うことやってみよう」も全然アリだ。
しかし、その根っこに「譲れない1点」がある人は強く、美しい。
自分もそういう人間でありたいと思った。