Amtrak アメリカ鉄道旅 08 コーストスターライト
Coast Starlight(コーストスターライト)は、アムトラックの主要路線で、アメリカ西海岸を南北に走ります。今まで紹介してきたアムトラック路線はアメリカ大陸を東西に横断する路線でしたが、この路線はシアトルとロサンゼルスを南北に結びます。アメリカ西海岸を縦に走るルートで、西側に太平洋を見渡すことになります。
全線に乗ると、距離は2,216km。1泊2日、約35時間の旅となります。
カナダと国境を接するワシントン州シアトルから南下するとオレゴン州を通過して、カリフォルニア州に入ります。カリフォルニア州は縦に長く、サンフランシスコから長い時間をかけてロサンゼルスまで到達します。
この列車、シアトルとサンフランシスコ間、サンフランシスコとロサンゼルス間を利用する方が多く、全線を通して乗るのはアムトラックが好きな旅行客のようです。
コーストスターライトは、シアトルからロサンゼルスに向けて1日1便、ロサンゼルスからシアトルに向けて1日1便が運行されています。どちらも夜間はカリフォルニア州北部を通過します(この辺りは景色が単調であまり面白くないところです)。どちら向きの乗っても昼に美しい景色を楽しむことができます。
運行間隔:毎日運行
運行都市:シアトル - ロサンゼルス
時間:35時間
距離:2,216km
コーストスターライト号の南端の駅であるロサンゼルスからさらに南のサンディエゴに向かう場合は、パシフィック・サーフライナーというアムトラックに接続しています。パシフィック・サーフライナーはサンタバーバラからサンディエゴを結んでいて、コーストスターライトとはサンタバーバラーロサンゼルスを共有しています。乗り換えはサンタバーバラでもロサンゼルスでも可能となっています。
ハイライト
ロサンゼルス発の北行きは、朝出発して、翌日の午後にシアトルに到着します。シアトル発の南行きも朝出発して、翌日の午後ロサンゼルスに到着します。どちらの便も夜間は北カリフォルニアの森の中を走ります。太陽が出ている時には美しいウエストコーストの景色を楽しむことができます。
シアトルは深い入江位置する美しい町です。日本から最も近いアメリカとして直行便も頻繁に飛んでいます。スターバックス、マイクロソフト、航空機メーカ・ボーイングの街として有名ですが、観光都市とても人気があります。針葉樹が生える涼しい気候の町からコーストスターライトは南下します。そして霧のサンフランシスコを通り、太陽の街ロサンゼルスへ。路線は太平洋岸を走るので、オブザベーションデッキから美しい太平洋の海、広大な農地、山脈などが見え、あっという間の2日間の乗車となるでしょう。
座席のクラス
コーストスターライトはスーパーライナーと呼ばれる2階建の客車で運行されています。シートはコーチシート(上階、下階)、ルーメット、ベッドルーム、ベッドルーム・スイート、ファミリー・ベッドルーム、障害者用・ベッドルームと多彩な選択肢があります。カフェカーは誰でも利用できます。ダインニングカーはスリーパーカーの乗客のみ利用可能です。(空いていれば利用可)
この列車にはオブザベーション・カーがついているので、誰でも美しい景色を楽しむことができます。
食事について
コーチシート以外のお客さんには食事が付きます。
北向き/南向き共に、昼食、夕食。翌日は朝食、昼食、夕食が提供されます。食事はダイニング・カーで提供されますが車掌さんと話をして食事の時間を決めます。決められた時間にダイニングカーに行くと食事をサービスしてくれます。部屋で食事をする場合はそう伝えると食事を持ってきてくれます。コーヒーは車両にいつでも用意されています。
コーチシートを利用する方や、個室で食事時間外にお腹が空いてしまった方はダイニングカーにコンビニのようなショップがあるのでそこで食事や飲み物などを購入できます。カップラーメンもありました。
アムトラックに乗車中は、食べ物に困ることはありませんが、味は人により異なります。私は全体的にジャンクフード感と濃い味付けが気になりました。食事に気をつけたい方は、乗車前に駅や周辺のスーパーなどで食事を調達しておくと良いでしょう。
上に示したメニューがダイニングカーの朝食と昼食メニュー例です。時期によってメニューは変わりますが、大体いつも似たような感じです。
BREAKFAST(朝食)は、5つのメニューから選択します。CONTINENTAL BREAKFASTはよくあるアメリカの朝食で、フルーツとヨーグルトなどがメインの食事です。FRENCH TOASTはアムトラックがお勧めする朝食のようです。いわゆるフレンチトーストです。THREE EGG OMLETは卵を3つ使ったオムレツです。オムレツには色々と具が入っています。具はお好みで選べます。嫌いなものがない場合は「Everything」と言えば良いでしょう。SCRAMBLED EGGはスクランブル・エッグです。BREAKFAST QUESADILLAは、メキシコ料理です。ソフトタコスに色々な具材がむまっています。個人的には私はこの料理が好きです。朝食にはどのメニューにもクロワッサンがついてきます。
どれもそれなりに美味しく、アメリカを旅していると感じる食事です。
朝食ではサイドメニューが選べます。ベーコンやソーセージを選べます。
LUNCH(昼食)は、6種類からのチョイスとなります。GRILLED CHICKEN CAESAR SALADは、アメリカ人が好きなシーザーサラダの上にグリルしたチキンがついています。サラダと言ってもかなりのボリュームがあります。ARTISAN GRILLED CHEESE SANDWICHはチーズとハムが挟まったサンドイッチです。NATURAL ANGUS BURGERは、アンガス肉という牛肉を使ったハンバーガーです。これが一番無難な料理です。そして美味しいです。GRILLED PATTY MELTはハンバーガーのバンズがトーストのようなものに挟まった食べ物です。これ、結構美味しいです。ジューシーなハンバーグと溶けたチーズ、香ばしいパンの調和を楽しむことができます。PLANT BASED BEYOND BURGERは、豆などの植物を原料にして作った人工肉を使ったハンバーガーです。この人工肉、アメリカでは人気ですがカロリーは本物の肉とあまり変わりません。ベジタリアンの方が食べるのだと思います。そしてこの人工肉を生成するには様々な調味料が使われているので、単に体に良いというわけでもないようです。SABOY CHILI BOWLはメキシカンが起源のアメリカ料理です。チリソースをスープのように食べるのですが、スパイシーで美味しいです。日本人の口に合うかは人によると思います。
ダイニングカーでは、子供用のメニューも用意されています。飲み物は飲み放題で、コーヒー、お茶、オレンジジュース。コーラ、水(ガス入り/なし)など選べます。
DINNER(夕食)は、コースで提供されます。
前菜はAPETIZERSから1品選びます。PEAL TEMPURA SHRIMPは海老の天ぷらですが、日本の天ぷらを期待しないでください。エビを揚げて甘いチリソースで食べます。天ぷらだと思わなければ美味しいです。MIXED GREEN SALAD WITH BABY BRIEはサラダです。
ENTREESは主菜です。4つのメニューから1品選びます。AMTRACK SIGNITURE FLAT IRON STEAKはアメリカらしいステーキです。アムトラックが自信を持ってお勧めするメニューです。このステーキは1度は食べるべきです。PAN ROASTED CHIKEN BREASTは鳥の胸肉のローストです。ATRANTIC SALMONはサーモンです。ご飯や野菜がソテーられたものがサイドにつきます。ロブスターソースも美味しく、魚を食べたいときにはお勧めです。PASTA PRIMAVERAはパスタですが、あまり下のパスタはみなさんご想像の通りの味です。日本人にはちょっと辛いです。
デザートはAMTRACKの楽しみの一つです。濃い味のデザートが美味しいのです。CHOCOLATE SPOON CAKEはチョコレートケーキです。濃い味です。WHITE CHOCOLATE BLUEBERRY COBBLER CHEESECAKEが長い名前ですが、要はチーズケーキです。ベリーのソースが合います。
夕食にはお酒(有料)を含む飲み物が提供されます。ビース、ワイン、スピリットなどバラエティが多くありますので、夕食と一緒に楽しめます。
ロサンゼルスからシアトルまで
今回は私が乗車した北向き列車(ロサンゼルス発シアトル行き)でコースト スターライトの乗車を記します。
大陸横断路線とは違い、1泊2日の比較的短い路線となります。ロサンゼルスからサンフランシスコであれば1日なので日本人観光客にも利用しやすいのではないでしょうか。ではスタートしましょう!
<DAY 1>
・ロサンゼルス Los Angeles, CA – Union Station (LAX)
朝9時時51分にロサンゼルスを発車します。駅には時間に余裕を持って到着しましょう。ロサンゼルスのユニオン駅はとても美しく、これから旅に出るという感じがします。駅構内は映画「ブレードランナー」の警察として撮影された場所です。構内ではこれから旅行に行く人、通勤や通学で足早に移動する人などがいて賑わっています。駅自体は終着駅ではないので線路が行き止まりとなっているわけではなく線路の途中に駅がある感じです。日本の東京駅のような作りとなっています。そこに大きな2階建のコーストスターライトが停車しています。スタッフの案内で自分の席に着きます。長距離を移動する場合はルーメットやベッドルームの利用をお勧めします。
ロサンゼルスを出発し太平洋岸に向かうのですが、ロサンゼルスの街中には西に向かう鉄道路線がありません。アムトラックは、谷を越えサンフェルナンド・バレーに入り西を目指します。この谷のあたりにハリウッドのメジャースタジオが点在しています。車窓からもスタジオが見えます。そして谷の上はハリウッド・ヒルズです。ロサンゼルスの富裕層、映画スターなどが住む高級住宅地です。
・ヴァン・ヌイ Van Nuys, CA (VNC)
ロサンゼルスを出発してすぐ、10時20分頃到着です。ロサンゼルスの隣はバーバンク空港のそばです。飛行機からの乗り換え客も見られます。
この先はバレーと呼ばれる地域となります。ロサンゼルスの町からみると北にある山の裏側です。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「E.T.」「マグノリア」の舞台です。ただの住宅街がしばらく続きますが、映画の舞台となった場所だと思うと違った景色に見えてきます。
・オックスナード Oxnard, CA (OXN)
11時22分頃に通過します。オックスナードの手前からアムトラックは太平洋岸に出ます。進行方向左側には広大な太平洋が広がっています。この街はウォーターアクティビティが有名で、海岸ではサーフィンをしたりピクニックをしている人たちが見えます。遠くにはチャンネル・アイランドが見えます、大自然の景色はこの辺りから本格的になります。
・サンタバーバーバラ Santa Barbra, CA (SBA)
ランチタイムの12時15分頃到着します。10分程停車しますが、遅れているとすぐに発車しますので降りて外の空気を吸う方は車掌さんに確認してください。ランチの時間を調整すれば列車を降りて海の香りを楽しめます。
サンタバーバラの街はスパニッシュ・コロニアル形式の建物に統一されています、とても美しい街でハリウッド・スターの邸宅も点在します。この町のメインストリートは有名でいつも観光客で賑わっています。アムトラックは、ここからひたすら海岸沿いを北上していきます。
サンタバーバラから次の駅までは、とても美しい太平洋の景色が続きます。海沿いを走るアムトラックは、とても美しいです。
・サン・ルイス・オビスポ San Luis Obispo, CA (SLO)
午後2時50分頃到着します。10分程停車します。ロサンゼルスとサンフランシスコの間で唯一といっていい大きな町ですが、かなりのんびりとした景色です。
ここからはアムトラックは太平洋を離れ平地を走ります。隣には建築中のカリフォルニア・ハイスピード・レイルの工事中です。カリフォルニアの食材はこの辺りで作られているんだなあと感じるほど、延々と畑が続きます。この辺りはカリフォルニア米を作っている場所です。アメリカでは馴染みのある田牧米や錦などの田圃もあります。
・サリナス Salinas, CA (SNS)
夕方6時13分到着予定です。サリナスの近くにはモントレーやカーメルのゲートウェイです。モントレーはスタインベックの「カナリー・ロウ」の舞台になった観光地です。カーメルは美しい海辺の街で小さなホテルやレストランが点在しています。
・サン・ノゼ San Jose, CA (SJC)
夜7時46分到着予定です。IT産業の中心地です。夜なのでちょっと見にくいのですが、街はとても美しいです。この駅ではCAL Trainなど近郊列車の乗り換え駅となっています。サンフランシスコの街中やサンフランシスコ空港に直接入りたい方はここで近郊電車に乗り換えるという方法もあります。
・オークランド Oakland, CA (OKJ)
夜9時に到着です。サンフランシスコに行く駅となっています。サンフランシスコの街はオークランドからかなり離れています。この駅からはバスに乗り換えて1時間程かかります。サンフランシスコに宿をとっている方は気をつけてください。
オークランドからは向かって左側に大きな海が見えますが、これはサンフランシスコ湾です。この海の向こうにサンフランシスコの街があります。
・エメリービル Emeryville, CA (EMY)
この駅からもサンフランシスコにバスが出ています。エメリービスはアニメ制作会社のピクサー本社があります。ただ街は治安があまり良くないので、夜街を歩くのは避けるべきです。
・サクラメント Sacramento, CA (SAC)
深夜0時ちょっと前に到着します。おそらく多くの乗客は寝ているのではないでしょうか。サクラメントはカリフォルニア州の州都です。とても綺麗な街なのですが、よく見えないのが残念でした。
サクラメントからは夜となります。外を見てみると森林の中をひたすら走っているようです。夜のうちにカリフォルニア州は終わり、オレゴン州に入っています。
<DAY 2>
朝日が上がってくると、車窓の右側に山が見えてきます。この辺りの景色は見応えがあるので、是非早起きしてオブザベーション・カーで景色を楽しんでください。日が変わると景色も変わっています。昨日までの南カリフォルニアの景色から深い森林になります。日本で言うと東北や北海道のような景色です。列車にいると分かりませんが、気温もかなり下がってきます。
・ユージーン Eugene, OR (EUG)
ランチのタイミングでユージーンに到着です。ユージーンは映画「スタンド・バイ・ミー」の舞台となった街です。大自然の中にかわいい街が広がります。そして街はそれほど大きくないです。
・ポートランド Portland, OR (PDX)
午後3時40分に到着です。オレゴン州で一番大きな街ですが、とても美しく治安も良いところです。ユージーンからシアトルまでの景色は雄大で海は見えませんがついつい見入ってしまいます。ポートランドで降りて数泊したいくらい車窓からも魅力的に見えました。
向かって右側にマウント・レーニアが見えてきます。日本人にはコーヒーのブランドなので見た景色が見えてきます。そして西に陽が沈んでいきます。オリンピア駅の手前でワシントン州に入ります。
・シアトル Seattle, WA (SEA)
アメリカ北西部で一番大きな街シアトルに近づいてきます。森林地帯から町に入ってくると、空港が見えてきます。そしてスタジアムが見えてきたらシアトルの駅に到着です。スケジュールでは夜7時51分に到着です。シアトルの駅は街のダウンタウンにあるので、駅から降りてもホテルなどにアクセスしやすいです。
停車駅について
駅の数はかなりありますし、主要駅も多いので、どの駅でも乗り降りするお客さんがかなりいます。大陸横断路線とは違い、利用客も多くコーチシートの利用もかなりあるようです。駅毎に個性があるので、それを車窓から見るのもコーストスターライトに乗る楽しみです。(太字は主要駅)
Seattle, WA – King Street Station (SEA)
Tacoma, WA (TAC)
Olympia-Lacey, WA (OLW)
Centralia, WA (CTL)
Kelso-Longview, WA (KEL)
Vancouver, WA (VAN)
Portland, OR – Union Station (PDX)
Salem, OR (SLM)
Albany, OR (ALY)
Eugene, OR – Amtrak Station (EUG)
Chemult, OR (CMO)
Klamath Falls, OR (KFS)
Dunsmuir, CA (DUN)
Redding, CA – Amtrak Station (RDD)
Chico, CA (CIC)
Sacramento, CA – Sacramento Valley Station (SAC)
Davis, CA (DAV)
Martinez, CA (MTZ)
Emeryville, CA (EMY)
Oakland, CA – Jack London Square Station (OKJ)
San Jose, CA – Diridon Station (SJC)
Salinas, CA – Amtrak Station (SNS)
Paso Robles, CA (PRB)
San Luis Obispo, CA – Amtrak Station (SLO)
Santa Barbara, CA (SBA)
Oxnard, CA (OXN)
Simi Valley, CA (SIM)
Van Nuys, CA (VNC)
Los Angeles, CA – Union Station (LAX)
注意点
・WiFiは使えるとのことでしたが、私の携帯はあまり電波をキャッチしませんでした。WiFiにはあまり期待しない方が良いです。
・ラウンジカーがついているので、利用するのも良いでしょう。特に夕方が綺麗です。朝は人もいないので気持ちが良いです。
最後に
太平洋岸を南北に走るので、景色が大きく変わって行くのがこの路線の魅力でしょう。
コーストスターライトは北向きに乗るべきか?南向きに乗るべきか?とても悩ましいところです。どちらでも楽しめますが、夏の北向きがベストという意見が多いです。どちら側の席に座るべきかという問題もあります。北向きの場合は進行方向左側に太平洋が見えます。ただいくつかの山々を見るには右側が有利です。基本的に海側に席を取り、場所によってオブザベーション・かーに移動するというのが一番楽しめると思います。
アメリカを横断するアムトラックと違い、明るい太平洋岸を東西に進むアムトラックは、他のアムトラックとは違った楽しみがあります。この列車の特色として、美しい海と山、明るい乗客たち、そして短時間の旅などが挙げられます。シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルスという西海岸の大都市を繋ぐという特徴もあります。各都市間の移動にも使えるのがとても便利です。
そして我々日本人には、乗客にアジア人が多いのもなんとなく安心できるポイントかもしれません。
アムトラックの旅を楽しみたいのだけれど、3日以上の大陸横断ができるか心配な初心者には、ちょうど良い体験ができるのではないでしょうか。
各回テーマ:
01 アムトラックの旅
02 アムトラックの路線
03 アムトラックのチケット購入・座席の種類
04 アムトラックの駅
05 エンパイア・ビルダー号
06 カリフォルニア・ゼファー号
07 サウスウエスト・チーフ号
08 コースト・スターライト号
09 アセラ・エクスプレス号
10 エンパイア・サービス号
11 レイク・ショア・リミテッド号
12 メープル・リーフ号
13 シルバー・サービス号(シルバー・メテオ号 / シルバー・スター号 / パルメット号)
14 キャピタル・リミテッド号 / フロリディアン号
15 シティ・オブ・ニューオリンズ号
16 サンセット・リミテッド号
17 テキサス・イーグル号
18 クレセント号
19 カージナル号