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Little Caesars リトル・シザース
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90年代、ニューヨークにはたくさんのピザ屋さんがありました。ドミノ・ピザやピザ・ハットのようなピザ・チェーン店もありましたが、友人たちは地元のパパママ(個人経営)レストランのピザ屋さんを好んでいました。今思うと、アメリカのピザは生地が分厚く、まるでパンのようです。そしてチーズも人工的なものでした。それでも当時は、若者はピザが大好きで週に数回はピザ店を訪れたものです。90年代の東海岸にはイタリア移民が多く、それなりにイタリア人たちが味を競っていたからこそ、学生たちは美味しいピザを求めてウロウロと歩き回るのでした。もちろんマンハッタンのリトル・イタリーやイースト・ビレッジには美味しいと言われるナポリピザ店がいくつもあり、その店はいつも行列を作っていました。
しかしシティを離れるとピザ文化は一変します。もちろん個人経営のピザ屋さんはありますが、CMを流しているチェーン店が幅を利かせていました。そんな中、それほど大きくないピザ・チェーンが頑張っていたのでした。名前は「リトル・シザース」テレビやラジオのCMでイタリア人のおじさんのキャラクターがピザを持って「ピッザ!ピッザ!」というキャッチフレーズを使い、東アメリカに住む誰もが知っている人気店でした。この店の特徴は、とにかく安いことです。普通ラージピザは1枚10ドルくらいするのに、リトル・シザーズは5ドルです。しかも2枚ついてくるのです。そしてチーズが本物というのも人気の秘密でした。これでどうやって儲けているのだろうと思いましたが、店に行くとそれなりに数は出ているので、薄利多売なのかなと思っていました。そしてサラミとチーズが大量に乗ったピザはなかなか美味しかったです。
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先日、ニューヨーク・シティに行くとリトル・シザースがすっかりなくなっていました。ネットで検索してみるとまだ運営はしているようですが、都心での店舗数は年々減っています。近年、本場イタリアの美味しいピザの味がアメリカ人にも知られており、これを食べたアメリカ人は、あのアメリカン・ピザを好まなくなってしまったようです。
ただ、よく調べてみると、なんとリトル・シザーズは全米での売り上げ高でピザハット、ドミノに次ぎ3位の巨大ピザ・チェーンであることがわかりました。まだまだ郊外では人気があるようです。
時代は変わるもの。食文化も変化していきますが、チェーン店でありながら、パパママ・レストランの雰囲気を残したリトル・シザーズの看板を見つけると、今でも嬉しくなります。