#3 さるうさぎの生きる道
友達がいなくなった沙留卯
「おはよう。」「おはよう、猿江(さえ)。」
ある朝、沙留卯(さるうさ)が挨拶をしても、みんなまともに返してくれなかった。
親友の猿江でさえ、「あ。お、お、おはようー。」とびっくりしたような返事。先生も視線をずっと逸らしている。
沙留卯は思い切って、猿江に聞いた。
「猿江、どうしてみんな私から逃げるの?」
「ウッキー、知っているでしょぉ。」
猿江はそう言って、すぐ去っていこうとしたが、沙留卯はもっと詳しく聞きたかったし、今のじゃ答えにならないと思ったので、猿江をとめた。
そして、もう一度聞いた。
「猿江、教えて。私達親友でしょ。お願い。」
猿江は少したってから言った。
「もう、親友になれないよ。」
そう言って、猿江は去っていった。沙留卯の頬を一粒の涙が通った。
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