好きが向こうからやってくれば良いのに
こぶしファクトリーの楽曲『好きかもしれない』は、恋が何かも分からない少女の葛藤を描いた、恋愛ソング。残念ながら、こんな恋愛経験はないが、曲中で繰り返される「ほんのちょっとだけ ちょっとだけ 好きかもしれない」という歌詞には、深く共感する。
なぜなら、何か物事を興味をもち始める時の心情と酷似しているからだ。
何かに対して、最初から直感的に”好き”と思うこともなくはないが、非常に稀なケースだ。
「好きぃぃぃぃ!!!」で始まることなんて、殆どなくて、大体がなんかいいなぁ、から始まる。
でもすぐに、
という思考が脳を駆け巡る。
しかし、このマイナス思考は私を完全に諦めさせてくれるほどには強くなくて、再び、”いいなぁ”という感情が現れる。そしてまた、マイナス思考君が登場する。
この現象が「ほんのちょっとだけ ちょっとだけ 好きかもしれない」という揺らめく恋愛感情と似ている。好きかもよりも、ほんのちょっとだけ好きよりも、もっと曖昧で不安定な「ほんのちょっとだけ ちょっとだけ 好きかもしれない」。
向こう側から、「これが好きなことだよ!」「これが得意なことだよ!」「これ面白いって思うことだよ!」って、手を引いてくれれば、私も一緒にいくのに。笑顔を見せてくれることはあっても、決して、あなたからは手を差し出してくれない。
自分から手を伸ばさないと、”好き”が本物か確かめることができない。
残酷で優しい現実。F太さん風に言えば、「にじりよる一歩」。
にじり寄れるほど、私はまだ強くはないけれど。
「ほんのちょっとだけ ちょっとだけ 好きかもしれない。」
この気持ちは否定せずに素直に受け止めたいね。