無常性を宇宙的なスケールで考えてみた
「諸行無常の響きあり」
この世のものはたえまなく変化し続ける。
万物は流転する。
中学生のときに『平家物語』のこの語り出しの一句に触れて初めて時間を概念として意識した。
「諸行無常」から連想する時の流れは栄枯盛衰、命が誕生して生きて死ぬというように「人生」や「生命」が紡がれていくイメージで、せいぜいこの地上界の次元で捉えていた。
ここ最近、宇宙というテーマに知的探究心がムクムクと湧いていて。物理素人なりに勉強していくうちに神秘が新たな神秘を呼んで興奮がおさまらない。というわけで、今日はこの「無常」について、もっともっと宇宙的なスケールに引き延ばして考えてみたい。
※最初に断っておくが私は筋金入りの文系女。感触のないマクロ/ミクロの世界はどうも想像が及ばない。趣味で調べたに過ぎないので、もっと専門的な説明を求める者はDIY。
※量子重力理論における時間の存在についてはここでは無視して話を進めるとする。
では、宇宙の旅へ、行ってみよう〜!!
私たちは太古から太陽の巡りや月の満ち欠けによって一日の長さ、一月の長さを計ってきた。朝昼夜、春夏秋冬、と繰り返されるサイクルは永遠に続くようである。が、実はこれも不変ではない。
月の重力によって起こる潮の満ち引きで、海水が海底で摩擦を起こし、地球の自転を僅かに減速させているらしい。つまり一日の長さは伸びている。そしてこの潮汐摩擦によって地球と月の距離は徐々に遠のき(年3.8cm!)一月の長さも伸びている。25億年後には一日は36時間、5000億年後には一日は今の45日ほどで一月の長さと揃ってしまう計算だ。
実際にはそうなる前に、50億年後、太陽は赤色巨星というとんでもない火の玉となって水星、金星を呑み込む。このとき地球は蒸発するか、内側へ引っ張られて呑み込まれるか、仮定によって見解は異なる。
そして1000億年以内に太陽は核融合反応を終えて白色矮星になり、いわば死を迎えることになる。このとき太陽系の惑星は太陽の重力を失うので公転するのをやめ、軌道から外れて宇宙空間に飛び立つらしい。
生命、地球、太陽、太陽系、銀河系、、、(以下略)と、とんでもない時間をかけて変化が連鎖的に続いている。しかも、もっと驚くことにこれは私たちが住む、観測可能な「この宇宙」の話だ。
理論上、幾つもの宇宙がそれぞれ異なる物理法則のうえに存在すると考えざるを得ないくらい、生命が成り立つ「この宇宙」が存在できるのは奇跡的な確率らしい。
つまりもっともっとスケールは大きい!!
(気になる人はマルチバース/泡宇宙について調べてみて。)
宇宙のはじまりと終わりにはいろいろな学説があるようだが、この無限に存在する無限の宇宙も、宇宙の法則によって筋書き通りの物語を進めているとすると、私たち人間が現実に抗ったり、未来をコントロールしようとするのはあまりに非力で頼りなさ過ぎないか。
無抵抗に宇宙的な力に身を委ねれば、万物はうまくいく気がする。自然の摂理に従って生きるが良い。宇宙を前にすると人間はあまりに無力。願えば叶うし、願いがないなら無理に願いを作る必要はないなと思っちゃった。(ライフプランとかキャリアとかごちゃごちゃごちゃごちゃ...)
宇宙の生涯と比べたら人の一生なんてあっという間だから他人の目は気にせず自分らしく生きましょう、と言っているのではないし、ここで有神論について語る気もないが、「なに急にスピってんの〜」と思った人はアインシュタインが娘に宛てた手紙を読んでみてほしい。
あなたも興奮して寝れなくなっちゃうでしょう。
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