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ギランバレー症候群覚書①


覚書を残そうと考えた理由

私の母は、74歳。持病はなく全くの健康体だったのに、ある日突然心肺停止となりました。
診断名はギランバレー症候群
本日、1か月の入院を経て退院しました。医師によると、心肺停止まで至ったのにこんなに回復した例は見たことがないとのこと。
母がギランバレー症候群と診断された際、書籍、ネット、医学論文を読みましたが、人により症状も経過も千差万別だということが分かりました。
一例として、覚書を残しておきます。

前駆症状

ギランバレー症候群は、前駆症状として、風邪や下痢などがあることが多いとされています。これらの症状は通常は神経症状出現の1〜3週間ほど前に認められるそうです。また、後述しますが、新型コロナワクチン接種との関係も疑われており、宮崎県などは注意喚起をしています。
母は、令和5年6月上旬ころに風邪をひき、微熱と咳の症状がありました。6月中旬には一旦治り、普通の生活はもちろん、外出もできるほどでした。

発症

6月26日頃からまた微熱が出て、しっかり治さないとと珍しく昼間から横になっていました。27日に様子を見に行きましたが、怠そうで、物が飲み込みにくくて・・・と言っていました。28日朝に、頭が持ち上げられないと言い、救急車を呼んで受け入れてくれた病院を受診しました。そこでは、疲労でしょうということで点滴を受け、一旦家に戻るものの、昼頃にあまりに具合が悪いと入院施設のある近隣の病院を受診しました。そこでは、脳や心臓の疾患を疑われ、入院をすることになりました。入院する時の形式的なものですといって、もしもの場合の蘇生措置の希望を聞かれましたが、全く持病もありませんので、当然あらゆる蘇生措置を希望しました(実際に使うことになるとは・・・)。
1日かけてMRIやCTを撮り、血液検査もしましたが、内科的に何も悪いところはないとのことでした。

見逃された神経症状

主治医は心臓が専門とのことでした。内科的に何も悪いところはないので、病院としてはやることがないと、どうしても入院したいならもっと大きな病院に行ってください。週明けに転院しますか?と聞かれました(この日は木曜日)。
内科的に何も悪いところはないのに、こんなに症状が激烈なのは何かあると思うので、すぐ転院させてくださいとお願いしました。
主治医の女性医師は、「明日、私、休みなんですよね。今も、時間外で残業中なんですけど、今、何の緊急症状もないので、緊急搬送の対象ではないので、明日自力で行ってください。介護タクシーとか使ったら?」とイライラした様子でした。
「心療内科とかじゃないですか?総合診療科とかに行ったらいいかもしれないですね。気分の問題だと思います。」とも。
私と父で、大げさに言う性格ではない。本当に身体的に辛いと思うと伝えたところ、鼻で笑いながら、「この、1,2日しか知らないので、何とも・・・。呼吸が苦しいとか言ってナースコールを何度も呼んで、過呼吸みたいになっちゃったんですよね。それに、薬も飲めないとかいうので、点滴してあげてるんですよ。」と我儘なおばあさんで迷惑なんです!といった扱いでした。
思えばこの時、ギランバレー症候群の症状である、嚥下障害や呼吸機能の低下があったのだと思います。また、主訴である頭が持ち上がらないというのの神経症状であり、声がかすれて出ないという症状もありました。
ここで、ギランバレー症候群の疑いを持たないことが、標準的な医療水準に比べてどうなのかということについては、評価は分かれると思いますが、嚥下障害や呼吸機能の低下をただの我儘と軽視したことは、医療者として不適格な態度だと感じます。


突然の心肺停止

感じの悪い女性医師の態度に傷つきつつ、緊急搬送の対象ではないのであれば、翌日金曜日に自力で、近くの基幹病院に転院することを決め、そのための紹介状を書いてもらうことは承諾してもらい、その日は帰宅しました。
翌朝、6時頃、父が玄関先に突然来て(すぐ近くに住んでいます。)、「お母さんが心臓が止まっちゃったって!」と、その日は珍しくほぼ身支度は済んでいたので、父に先に病院に行ってもらってすぐ後を追いました。
病院に着くと、蘇生措置中なのか、たくさんの医師、看護師が病室に入っていきます。
父が、叔父や妹に連絡をし、妹は妊娠初期でつわりが最悪の時期だったのですが、タクシーで来ることになりました。叔父は、県外にいたのですが、すぐ来てくれることになりました。
8時30分頃病室に呼ばれ、主治医ではなく当直の男性医師から、説明を受けました。「僕は、今初めて診たので、前にどのような状態だったとかは分からないのですが、今は蘇生はしました。ただ、もう一度心肺停止があるとここではどうにもできないから、緊急搬送をします。9時になったら、搬送先を探します。」
何で9時にならないと探せないのかと、今は思いますが、9時まであと少しでしたし、救急車を待つしかありませんでした。

救急車の中で

救急車が来て、もともと自力で行こうと思っていた基幹病院に搬送してもらうことになりました。酸素マスクはつけず、普通のマスクをつけられて(コロナ対策?)、呼吸が停止したのに?と違和感がありました。
救急車は、私が一番説明が上手いからということで、私が乗り、救急隊の方と話しました。
その間、サチュレーションがどんどんさがって、44とかになるので、私は気が気ではありませんでした。
救急隊の方は、ここの病院の先生は、二酸化炭素がたまっているから(呼吸機能が弱って排出できないということ?)酸素マスク要らないと言っているが、搬送先の先生に確認をしますとのことで、電話で確認をして、酸素マスクありで搬送する事になりました。また、その電話で、呼吸停止は20分というのが分かり、もう脳細胞はかなり死んでいるかもしれないと絶望していました。
サチュレーションが安定するまでは、アンビューバッグで酸素を送ってくださり、だんだん80台~90台に戻っていきました。医療従事者ではないので、よく分かりませんが、あまり酸素が安定しないな・・・と思っていました。私は、ぽろぽろ涙がこぼれましたが、できるだけ冷静に観察しようと考えていました。
また、紹介状を見て、「新型コロナワクチンの後遺症って書いてありますね。」とおっしゃっていました。どういう趣旨で書いてあったか分かりませんが(コロナワクチン反対派の医師が、入院時に外来で母の担当をされていました。)、新型コロナワクチンの後遺症という観点があるのであれば、このワクチンとギランバレー症候群の関連が指摘されていることについて、もっと知見を持っていてほしかったと思います。

救急待合室で

救急の待合室で、父、私、妹、かけつけてくれた叔父夫婦とずっと待っていました。私たち姉妹の配偶者は、家で子どもの対応をしていました。
救急の医師、心臓の医師が代わる代わる説明してくださいましたが、皆さんお若く、頼りになる方ばかりでした。
救急の医師からは、20分呼吸停止をしていたとは思えない。心臓は安定しているが、その割に呼吸が弱いの原因が分からないとのことでした。その原因としていくつか候補があるものの、まずは、心臓の冠動脈が詰まっていないか検査をするとのことでした。
救急から撮影設備がある場所に行くまでの一瞬、ストレッチャー上の母を見る事ができましたが、全く意識はなく、顔色も悪かったです。

冠動脈の疾患は否定

17時頃、ICUに移動するということで、ICUの待合室に移動しました。
18時頃に、心臓専門の医師から、心臓の検査についての説明があり、冠動脈は詰まっていなかったと、たこつぼ型心筋症になっているとのことでした。原因についてははっきり言えないものの、呼吸苦により心身にストレスがかかったことにより一時的にこうなっている可能性があり、そうであれば、心臓自体の予後はよいと考えられるとのことでした。今、神経内科的な疾患を疑っており、そちらの主治医から説明があると思いますとのことでしたが、心臓自体の予後はよいという言い方から、神経内科の疾患の予後は悪いのではないかと思い、とても暗い気持ちになっておりました。






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