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待機期間、人と社会と「つながる」

JICA海外協力隊でモザンビークに派遣予定だったけど政情不安により渡航延期となり待機中。現在、任国変更の結果待ち。

今日は待機期間、何をしているかについて。


先の見えない待機期間

訓練を修了したのは10月末日で、事実上の待機はもうすぐ5ヶ月目を迎える。この待機期間中、一番困るのは「いつまで待つのかわからない先の見えなさ」だ。

隊員のほとんどは前職を退職して協力隊に参加する。私も例外ではなく8月で退職したため訓練後は定職がなく、年末まで短期バイトして準備したらちょうど渡航だなと計画していたところ派遣延期になり、1月からのバイトを探そうにも「いつまで」が明言できず苦労した。最初から4月に渡航となればそれなりに準備も出来るけど、ちょこちょこ状況が変わるので対応が難しい。

待機期間中はありがたいことにJICAから補助金が支給される。ただ、「待機期間」とは、モザンビークに渡航するはずだった1/8からの期間を指しており、訓練終了後から本来の派遣日までは支給がないのは注意が必要。(これはどこの派遣国も共通。)

補助金はあるのでバイトは必須ではないけど、働く理由はお金だけではなく社会との「つながり」が大きいと思っている。

もし仕事もなく家に籠もってしまえば、家族以外の人と関わることもなく、先の見えない待機期間で一人でぐるぐる考えて気が滅入ってしまう。バイトをはじめとした様々なアクションは社会とつながりを維持して自分のメンタルを安定させることにつながる。

私を含め8人は各々がバイト、語学、旅行(グローカルプログラムで派遣された町に行く人も)、能登半島ボランティア…終わりの見えない待機期間で出来ることを考えて行動している。本当によくやってるよ、私たち。
最近やっと渡航の兆しが見えてきてホッとしているところ。


「国際協力サロン」1期メンバーに

待機は正直しんどい。けど、「せっかく」待機の時間があるなら無駄にしたくないし、国際協力の世界から離れないようにしたい。
そんなときXで見つけた「国際協力サロン」の募集予告。これは入るしかない!と思い募集開始してすぐに応募。

「国際協力サロン」は元JOCV&JPO等、様々なご経歴がある田才涼哉さんが主宰するオンラインサロン。

加入して2ヶ月目。すでに国際協力業界で活躍されている方から、これから国際協力の道に進む方まで、様々なバックグラウンドを持つ方のお話を聞いて日々刺激を受けている。

私は修士2年の時にコロナ禍を経験し、そのときはルワンダでご活躍されている竹田憲弘さんのオンラインサロンに所属していた。(その後、休学期間中に個人的な困難に直面してフェードアウトしちゃったけど…)
ピンチのときはオンラインの繋がりに助けられているなと感じる。

協力隊同期とは今でもよく電話して楽しいしありがたいのだけど、任地での活動の話を聞いてもついて行けないし、羨ましいという感情が先行してしまうのも正直なところ。なので今の私にとって協力隊以外に国際協力業界で人との「つながり」があるのはありがたい。今後もたくさんのことを吸収するぞー!

(いつかは24-2次隊の同期が入ることもあるのかなと思っていたら、先日の追加募集で早速加入してきたのでお互いびっくり😂やっぱこの業界狭い…。)


最後に、平和構築関連の備忘録。
待機開始当初は、社会人時代に出来なかったこととして修士論文を投稿論文にしようかなと思って少し準備してたけど、大学院の友人から依頼され、論文の手伝いをすることに。

彼の研究はイスラエルにおける「良心的兵役拒否*」について。今回私は、実際に兵役拒否した方と彼のインタビュー(英語)を文字起こしして和訳させてもらった。

*良心的兵役拒否(Conscientious Objection)とは,一般的に自身の良心上の判断を根拠にし て兵役を拒否する思想や行為であると定義される。

申鉉旿「韓国における良心的兵役拒否に関する考察─憲法裁判所の決定と国連諸機関における議論を中心に」『立命館国際研究』第 25 巻 1 号、立命館国際関係学会(2012)

個人情報になるので内容は書けないけど…人を殺すことが許容されてしまう紛争地において兵役拒否するという、インタビュイーの意志の強さに感銘を受けた。なぜそんなに強いのだろう?パレスチナに侵攻(ジェノサイド)するイスラエルにも「人」がいる。そして、人を殺したい人なんていないよなと改めて思った。結局、戦争(紛争)って国家・地域レベルで勝手に始められるものだと痛感する。

和訳は骨が折れそうだったけど、待機期間にも平和構築に関わる勉強をさせてもらって、友人に感謝。自分の論文はその後も進まず(笑)流動的に生きるのもいいよね!

さて、JICAから任国振替の中間連絡が先日あったので今月中には新任国を知りたいところ。どうなるかなあ。

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yuki
心がちょっとでも動いたと思ったら、ご支援してくださると幸いです。 渡航が可能になったらインターンとして在籍する予定のアフリカのNGOでの紛争を経験した女の子をサポートする活動費に充てさせていただきます。