八月一七日(20231022)

ひなちゃんが亡くなって気が付いたら二ヶ月も経っていた。
元彼から突然「ひなちゃんが亡くなったらしい」とLINEがきて、イヤホンで聴いていたはずの音楽が遠くで鳴っているような感覚に陥ったのを憶えている。

コロナウイルスの影響でオンライン授業ばかりだったこともあり、ひとり暮らしを始めたてのわたしは孤独を紛らわせるために朝から夜までYouTube漬けの生活を送っていた。そこでおすすめにでてきたのがひなちゃんだった。
ど田舎の高校で吹奏楽にしか興味がなく、大学に入学するまで化粧のけの字も知らなかったのにひなちゃんを知った次の日にはドンキで一万円近く化粧品を買い込んでいた。それくらい当時のわたしにとって魅力的な女の子だったし、かわいい女の子と自分の顔を比較しては夜な夜な泣いていたわたしに化粧という方法を教えてくれた恩人でもある。
ひなちゃんとの出会いがなかったら、と想像するだけでゾッとする。きっとアイラインの引きかたも、濃い色のアイシャドウをぼかすという概念も、パーソナルカラーという言葉すら知らなかったと思う、真剣に。
化粧の技術が飛び抜けている所だけではなくて、ひなちゃんの考え方も丸ごと好きだった。メンタルが落ちているときもありのままを投稿してくれて、話してくれて、それが病みやすいわたしにとってのなによりの救いになっていた。

これからも一生忘れることはないだろうし、動画も観るし、Armujeが販売終了してしまうまでにいっぱい買おうと決めている。
新しい世界を教えてくれてありがとう、憧れで居続けてくれてありがとう。

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