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和歌、ときどき教皇フランシスコ

いわゆる平均的な日本の家庭の宗教観に育ったこともあり、家の宗派は仏教ではありますが、この感染症危機のご時世になってからその発信をよく読むようになったのは、ローマ教皇の教皇フランシスコさんの言説でした。

家の宗派もさることながら、高校までは公立学校でしたしその後も宗教とは関係のない学校に進みましたのでキリスト教との接点は全くなく、特段関係する本も手に取ったことすら皆無だったのもあり、キリストさんやキリスト教の教えも不案内というのも平均的な日本人だと思います。

よく拝読している批評家の(作家さんや尊敬している人との間に年齢の上下は関係ありませんが同い年の)若松英輔さんの書かれたキリスト教に関する著作に教皇フランシスコさんが紹介されていて興味を持ったことから、フランシスコさんの書物や回勅(ローマ教皇から全世界のカトリック教会の司教へあてられるかたちで書かれる文書)をを読むようになりました。

変れば変わるものだと自分のことながら思いますが、宗教への興味もさることながら、今の世の中の課題をどう考えたらいいのか、どう取り組んでいったらいいのか、という視点がよく述べられているので、普段の読書や問題意識の延長のような気持ちで読んでいるという感じです。

このコロナ危機においては、

コロナは、無関心というウイルスによる、もう一つのパンデミックの存在を浮き彫りにしました。
(「コロナの世界を生きる」教皇フランシスコ PHP)

と、現代社会の問題として、自分の周りにある苦しみから目を逸らし現実逃避をする自分本位等を挙げ、触れ合いをベースにしたコミュニケーションで前向きな行動を呼びかけています。

これを含めても彼の書物は文章としては平易で読みやすいのですが、耳が痛い話ばかりで読み進めるのがなかなか厳しい印象もあります。

ただしウクライナ問題を見るまでもなく、世界も日本も人間もこれまでの経済ベースな価値観を振り返ったり見直したりする必要があろうことは間違いなさそうでなので、歩みは遅いながらフランシスコさんの言説も読み進めていきたいと思います。

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