【渓流釣り】木曽川水系 とある支流系の最高地点の岩魚を求めて
本釣行は2024年7月の内容を記事にしたものです。
木曽川水系のとある支流系の最高地点にいる岩魚を求めて調査を進めてきました。結論から言うと調査していた支流系の岩魚最高到達点は2000mの大台に届かないことがほぼ確定しました。"ほぼ"と書いたのは可能性のある沢が残り1つになってしまったからです。その沢も地形図から2000mに届かないと考えています。
実は今年の4月にもこの沢を訪れており、F1の上にも岩魚がいることを確認していました。工程が長くなると踏んで暗い中ヘッデンで林道を照らしながら自転車を漕ぎ、明るくなると同時に入渓。F1上部から釣り始めました。
さらに進んでいくとF2が現れました。F2で魚止めかと思われましたが、F2上部でも岩魚の姿を確認。F2上部に岩魚が居ることにも驚きましたが、特に渓相に驚きました。
F2上部の渓相は地面が赤く、継ぎ目のないナメ床を形成していました。
この赤色の岩が古期火山の噴出物だとすると、安山岩質が酸化して赤くなったと推測できます。そうなると昔は滝上に岩魚はおらず、釣り師が運んだことに。釣りだけではなく、渓相を見ながら思いを馳せるのもいいですね。
↓長野県の地質図↓
https://www4.hokurikutei.or.jp/wp-content/uploads/2023/04/02-3-1.pdf
滝を越えるたびに濃くなる魚影、退渓時刻も近づいてきたので遡行メインで岩魚の棲んでいる最高到達点を目指します。
滲み朱点ヤマトイワナの姿も確認。滲み朱点岩魚は標高が高くなると出現率も高くなる気がします。
岩魚の朱点やパーマークは環境適応が大きく影響していそうです。
例えば水温、食物の種類、保護色などが挙げられます。
高標高地域では水温が低いので、低温での代謝活動や、紫外線の影響から体を保護するためのメラニンやカロテノイドの分布が関係している可能性があります。また雪に覆われる期間が長いと積雪により短波長側の光を良く浴びる(長波長の赤色がカットされやすい)なども考えられそうです。
朱点一つでたくさんの考察ができるので岩魚は奥が深く、飽きないですね。
遡行を続けるとF3手前で魚影が無くなりました。滝壺にも魚はいなかったためこの手前を魚止めということにしました。時間も無くなったので滝上までは行かず調査終了としました。