奇抜な髪型は大人女性がやるからこそかっこいい
突然だが、30代になったら坊主(バズカット)にしてみたいと思っている。
あとハイトーンカラーにしてお猿さんみたいなベリーショートヘアもやってみたい。
日本人は海外の人に比べて頭の形が悪く、坊主には向かないと言われているらしい。
それはなんとなく頷ける。
貶すわけではないが、確かに日本の坊主の方を見ているとジャガイモのように思えてくる。
後頭部がへこんだ人。逆に張り出ている人。
つるんとキレイなアーチを描いている人もいれば、絶壁のようにストンと落ちた後頭部の人もいる。
一周回って愛着すら湧いてくる。
見たことがないから分からないが、恐らくわたしの後頭部は張り出ているタイプ。
でこぼこ具合はよく分からないけれど、触るとちょうど目の延長線上に骨の出っ張りがある。
20歳頃から坊主にしてみたいと思っていたのだが、まだまだ10代を卒業したばかりのあどけない子供同然。
20歳のわたしはまだ顔が髪型に負けてしまうと判断した。5年経った今でさえまだ早いかなと思ってしまう。
そしてそもそも似合うのか、その髪型を決行する勇気が出るのか。
やりたいと言いながら「決めたならやらなきゃ」という義務感に囚われているのではないか。
そんなことをぐるぐる考えている時もあった。
ある日、わたしが働いているお店に40代くらいの女性が来店してきた。
彼女は頭にスカーフを巻いていて、坊主頭だった。
聞くと、最近まで髪が腰まであるスーパーロングヘアだったのだと言う。
人生で一度は坊主にしてみたくて、せっかくならと伸ばせるだけ伸ばして一気にばっさり切ってみたのだとか。そして切った髪の毛はヘアドネーションしたらしい。
衝撃だった。
理由にこだわりがあった方がいいとは言わないが、それにしてもカッコ良すぎる。
それを笑い飛ばしながらケロッと言っちゃうところなんて同性として惚れそうになった。
話は変わるが、わたしが20歳の時に働いていた古着屋に40代の女性マネージャーがいた。
ヴィンテージの洋服を素敵に着こなす方だった。
ある日、髪をオールバックにしてジェルで固め、レオパードのコートを着て出勤してきた日があった。
一見するとチンピラになりそうと思う組み合わせだが、これがめちゃくちゃ似合っていた。
ワルそうな雰囲気なんて1ミリもなく、むしろ大人の女性特有の気品があって女が憧れる女性といった雰囲気で溢れていた。
あぁ、これがいい年のとり方というやつか。
彼女を見ていると20歳ながらに年をとるのが楽しみにさえ感じた。
奇抜な髪型も年齢を重ねたことによる成熟した女性だからこそ品良く収まる。
あの雰囲気を出すには年齢の壁はどうしても越えられない。
しかもただ年を取るだけではなく、それなりに人生経験を積んだからこそ滲み出る余裕と品が何よりも大切なのだ。
そう考えるとあと5年で30代だが、どう考えてもまだ早すぎる気もしてくる。
やっぱり坊主もハイトーンのベリーショートも40代目標で頑張ろうかな。