夫編⑵ ダウン症べビーとの別れ
検査が終わって別の医師から診断結果を聞かされた。
結果は妻の記事の通りであった。
1/4という数字の確率が比較的高いというのは事前にネットから仕入れていた情報ですぐわかった。
ただ、数学的に見ればたかが1/4だ。
3/4は大丈夫ということだから、かなりの確率で実際に胎児に問題はないのではないかと思いながら話を聞いていた。
医師は特別に4D画像を渡してくれて「とても可愛くとれてるよ」といってくれた。とても嬉しかった反面、逆にそのフォローの言葉が不安を仰いでいる、、そんな気持ちであった。
「自分の子供に染色体異常の可能性がある」という現実に当然不安な気持ちになったが、それは生を成して13週そこそこの子供への心配というより、今後の生活や経済面に対するものが大きかった。
あとは陽性だったら周りにどう報告するべきなのか、誰に相談すべきなのかとかが正直な感想で、命とどう向き合うのかという考えには殆ど及んでいなかった。
会計を済ませて帰り道に妻が「嫌な予感がしていた」と言っていたが、「まあ大丈夫だろ」と返した。
半分以上は自分に言い聞かせる意味もあったのだと思う。
いずれにせ3/4は大丈夫なのだから、きっと大丈夫だろう。
この日の午後からはひたすら検索魔で、次回の再診までひたすらネットサーフィンを繰り返した。
何度も同じようなサイトを繰り返し見たと思う。個人のブログからネットで読める英語の医学系論文にまで目を通した。
英語の論文を必死に訳して「海外の子供は鼻が高いから参考にならないらしい」そんなこともあった。
どれも「絶対大丈夫だ」と自分に言い聞かせるようなデータとは言えなかった。むしろ、¼と いう数字がとてつもなく高い確率で陽性だということことがわかった。
唯一、¼と診断された方が陰性だったブログだけが心を軽くした。
妻ともあーでもない、こーでもないと各々持ち寄った情報を元に言い合ったが、もちろん結論が出るわけでなく、なんとか前向きに考えられるように励まし合うことしかできなかった。