【ダウン症ベビーとの別れ⑦】人工中絶手術
人工中絶手術には、3泊4日の入院が必要だった。
🏥入院初日
朝からスーツケースに入院準備をつめこみ、夫婦で病院へ向かった。入院手続きや病棟の説明を聞いた後、薬剤師さんから入院中に処方する薬の一覧表を渡された。妊娠中は飲んではいけない「ロキソニン」が初日から処方される。3日目には「妊娠中絶薬」の文字が書かれている。もう妊婦じゃないんだと、涙をこらえながら説明を聞いた。
夜、ダイラパンを3本入れて子宮口を広げる処置が始まった。
ダイラパンとは、親水性ポリマーをベースにしたスティック状の器具らしい。子宮口に挿入すると、頸管内の水分を吸って徐々に子宮口を押し広げていき、12~18時間で2~3倍に膨張するようだ。
生理痛のような痛みが続き、ロキソニンで痛みを和らげた。
母性(産んで育てたい、我が子に会いたい)と、理性(夫婦で出した”答え”)・現実(中絶手術)が矛盾し続けた。
ここから先は
1,581字
/
1画像
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?