筆跡エレメント
episode.04
好きな数字は 「5」
かつて泥まみれだった頃の背番号。
好きな平仮名は 「さ」
ローンで買った第1号車のナンバープレート。
好きなアルファベットは 「R」
既にデザインされ切った美しい記号。
好きな漢字は 「志」
何故か代々継承される名前の中の一文字。
ちなみに仕事のPC資料で
よく使うフォントは 「Meiryo UI」
好きになった動機は様々だし、
どれもバランスがいいから好きなんだけど
書くとなると話は別になる。
直筆は、筆跡で文字の魅力が変わるから
書いてみるとどうもイメージと違う。
文字そのものの魅力の成分は、
ペンと紙の性質や書き手の癖で分割されるし
稀にそれが、文字が持つそもそもの
ポテンシャルを上回る奇跡だって起こる。
自分が書いていて頼もしいのは、
「3」とか「か」とか「E」だったりする。
このチームはいつも
歪んだ文章のバランスを助けてくれる
チームの勝利に必要な選手たちだ。
苦手だったはずの圏外な文字や数字も、
急にかっこよく身の丈以上の男に
なりすますこともあるってこと。
昨日までなんでもない人だったのに、
夢で見たからって今日から急に
意識したりするのに似てる。(似てない)
だから手書きは面白い。
3年通っていた習字でこの丸文字や癖は
なおるものだと思ってたんだ。
経験してみると習字を学んで体得したのは
余白がものを言うってこと以外、
忘れ物すると時間ずっとキツいってことと
墨汁はまぁ落ちないってこと。
目つき悪いくせに女子みたいな丸文字も
かぶりついた感じのクセ強な筆の持ち方も
筋肉痛レベルのマッチョな筆圧も
すべてこの歳までキープされ、
文字や数字への執着だけが養われて
バランスと余白ばかりが気になる
A型と言われるO型面倒野郎の出来上がり。
筆跡は、
暮らしや環境が創った人柄の形。
そんなこと思いながら今、
ここでしっかりデジタルノートを
書いています。
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