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片目でみる世界とは_ムザブの谷で思ったこと

ムザブの谷は、アルジェリアの首都から約600km離れた場所にある、5つの高台に築かれた要塞都市(ブーヌーラ・メリカ・エルアティーフ・ベニイスゲン・ガルダイア)を総称していう。

とても戒律の厳しいイスラム教を信仰し、中世のイスラム文化が残る幻の谷、とも言われている。

観光客が現地のローカルガイドなしには要塞都市の中に入ることは許されない。実際、この中の3つの都市に入ったが、全てにローカルガイドがついた。

ムザブの谷に住む既婚女性は、白いベールで体をすっぽり覆い、片目だけを出して外に出る。

我々と目線を合わすことは絶対にしない。我々がいると、道の端の方を足早に歩いて避ける。

決して彼女たちを撮ってはいけない、と言われる。


片目で見る世界は、どうみえているのだろうか。何を考えているのだろうか。なぜ、自分たちは片目で外の世界と対峙しないといけないのか?と疑問は持たないのだろうか。


そんな世界を見たくて、憧れのムザブの谷に行った私も、そんな世界に住んだ自分を想像する。

当たり前と思うのだろうか。そもそもそれ以外しか知らない場合は、疑問も持たないのかもしれない。しかし、アルジェリアではネットもつながるし、世界を見るチャンネルは彼女たちにもあると思う。

彼女たちを守っているようで、いや、一体何を守っているのだろう。

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