アルジェリアで感じた部外者が覗かせてもらうということについて
アルジェリア旅行 雑感
※あくまで私的な雑感です。
今回、久々にガイド付きの旅行となったアルジェリア。
語学ができたら個人旅行も可能なのだろうか?と、思った時に、この国はそういうことだけではなかなか物事を進められないのではないか?と、思った雑感です。
我々旅人が、ある一定の期間に、安全を保障される見込みの中で旅を行おうとした場合、交通機関や、宿泊施設、その他情報にアクセスできるインフラが必要だけど、アルジェリアはその整備が追いついていない気がした。
需要と供給というが、何せVISAの取得の難しさからか需要が乏しい以上、供給が先に整備されることは期待できない。
しかし、それ以上に、
アルジェリアという部族的な力の強い国では、人を介したインフラがとても重要なんだと思った。
今回でいうなら、オマル氏という人物を介したその人の培ったネットワークの中でムザブの谷やアルジェで安全に旅をさせてもらえた。
我々を歓待してくれた人たちもオマル氏という人物との信頼の中で彼らの仕事をしてくれたということかな、と。
もちろん、時間をかけて手数をかければやれなくはないと思う。アルジェリアは戦時中の国ではないし、国民性をみても、身ぐるみはがされたり命を狙われたりはしない。
しかし、それ以上に、カネだけでは簡単に動かない、信頼を構築するには時間のない旅人は、それを旅行をアレンジした人へ仕事としてお願いし、然るべき対価を払い、彼の信頼をお借りして旅を勧めるというのが、時間という制約のある旅人では合理的なんだと思う。
もちろん、供給が整えば完全な個人旅行も可能になる日が来るかもと思うが、今のアルジェリア政府ではいつになるかわからないし、その頃には今の良いアルジェリアはなくなるかもしれない。
外国人慣れしてない中、ガイドを連れていることで見せてもらえたムザブの谷。
そこに暮らす人が、外国人慣れしてお土産屋を営んだり、お金払えば妻と写真撮らせてやる、とかいうオヤジが現れたら、それこそ興ざめだ。
今のムザブの谷を観光するなら、彼らが安心する現地のガイドを連れることで、彼らの流儀を尊重し、彼らの生活を少し見させてもらう、というのが、彼らの生活を脅かせず、でも彼らの生活を見させてもらうギリギリの線なのかな、と。
外国人が好き勝手に動き回り、ムザブの谷の住民から反対が起きて立ち入り禁止になるのも嫌だし、外国人慣れしてしまうのも、なんか嫌だ。
もちろん、もしかしたら観光業で豊かになれるチャンスを潰してしまうかもしれないけれど。
このあたり、旅人の私が決められることではないけれど難しい問題とは思う。
皆が去った後、ホテルにガイドのザッキーと向かい、ザッキーは我々の今回のツアー代金を、ホテルの封筒に入れてホテルのフロントマンに渡してた。
5人分だから結構な額なんだけど、いつものことのように。
ちゃんとオマル氏の元にそれで届くのだろう。
ホテルもオマル氏とのネットワークの中、上手く立ち回ってくれたんだと思う。ビジネスの当たり前なのかもしれないけれど、でも同じことを旅人がお金で解決できるのかといえば難しいのかな、と、思った次第です。
アルジェのみなら、自由旅行は可能かな、とは思う。VISAの取得ではお願いする必要があるけれど、アルジェのみなら1人で歩き回れるかな。
しかし、アルジェを離れる場合はガイドを付ける必要はありそう。
これは、昔のイエメンにも近い。
イエメンもサナアとその近郊(ロックパレスのある、ワーディダハルの辺り)は、1人で動き回れたけれど、サナアを離れるときは、移動手段とパーミットの取得に現地のアレンジが必要だった。当時日本人の旅行者に有名だったアミン氏のようなひとに。
イエメンでは、サナアの他に、マーリブ(シバの女王の遺跡のある)や、ハジャラ、マナハ、ホダイブの山岳部族の城壁都市を見て、そして、とても有名なシャハラの橋のあるシャハラへの1泊2日のツアー、等、アミン氏のアレンジの中で安全に動かせてもらえただけだ。
そういう、不自由かもしれない国が、とても魅力的なのも事実で、それは、その魅力を楽しむ旅人は不自由を対価として支払うべきなのかな、と。
それ以上の経験ができるのだから。
あとは、せめてVISA取得が、当時のイエメンレベルになってくれたらなぁ、とは、期待したいことです。
人のネットワークの中で動くという話の中で思ったこと。
イスラムの国に行くと、そういう人のネットワークがとても重要で、そのネットワークのなかで安全が保障されているけれどある意味その呪縛から離れることは難しいことも感じる。
アルジェリアを旅行をして、この国の人として生きる場合を想像した。
不自由に感じるだろうか。これが当たり前と思うとそのなかでそれなりに快適に生きるのだろうか、とか。
ムザブの谷で、片目で外を歩く女性を見て特に思った。
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