わたしは誰かにとっての藤野になれるか？映画『ルックバック』をみた
6月29日夜、『ルックバック』という映画を見た。
だいぶ前にTwitter(あの頃は間違いなくまだTwitterだった)で原作を見て、
藤本タツキってチェーンソーマンの人だわよね？？と思ってびっくりした記憶がある。
あらすじ
学年新聞で４コマ漫画を連載している小学４年生の藤野。
クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の４コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。
以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。
二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。
しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。
自信家で、周りより優れてると思いたかった学生時代だったので、
藤野の調子乗ってるところとか、負けず嫌いで熱中するところ、誰か(同級生や京本)の一言に揺れるところ、感情移入してしまった。
途中ちょっと苦しかった。
そして原作既読だったけれど、若干頭から離れてしまっていて、映画で改めて考えてしまった。
全編通して、藤野は京本にとってのヒーローなんだよね。
藤野にとっての京本は護るべき存在なのがずっとある。
だからこそ、大学の話が出た時も、事件の結末を迎えた時も自分が、自分がって言っちゃう。
全然そんなことないのに。全部京本が選択して京本が迎えた結末なのに。
でも京本にとっての藤野がいるの、強すぎる。
わたしは誰かにとっての藤野になれるのか？
ヒーローになりたいわけじゃないのだけど、
誰かにとっての藤野、なりたいよ。
誰かを前に向かせて、自分も誰かのおかげで前向きたい。
一歩間違えたら変な主従関係になっちゃうんだけど、うらやましくなっちゃったな。
仕事じゃない関係、懐かしくなっちゃった。
気持ちがずっとうまく整理できないけどすごいよかった。
藤本タツキ、同い年なんですよね。
すごいなあ、すごい。
なにより音楽も良すぎた。haruka nakmuraと山形の情景があまりに良すぎてそれだけで泣きそうだった。