第2回 信州01CAMP開催レポート(後編)
本記事は、ステッチと G's ACADEMY が長野県松本市で開催した短期集中型プログラミングキャンプ、第2回 信州01CAMP開催レポートの後編です。
前編では、キャンプの概要とステッチ社員の体験談をご紹介しました。
後編では、先日実施した参加者インタビューから明らかになった信州01CAMPの価値や具体的な成果、参加者の感想をまとめます。
前編を深掘りするような内容になっていますので、未読の方は下記のリンクからぜひご覧ください。
前編:第2回 信州01CAMP開催レポート(前編)|株式会社ステッチ
インタビュー参加者のご紹介
今回インタビューにご協力いただいたのは、ステッチのクライアントである株式会社UPDATERでデジタル関連業務を担当している山口さん、山浦さんのおふたりです。
【株式会社UPDATER】
電力、空気、土壌、衣服、農作物など、あらゆる商品サプライチェーンの「見える化」をすることで多様な社会課題の解決を目指している企業です。
「みんな電力」という事業ではブロックチェーンを活用し「どこのだれが作った電気か」を可視化する事で「顔の見える」電力供給を推進しています。
コーポレートサイト:株式会社UPDATER
山口さんは再生可能エネルギー由来の電力サービス「みんな電力」に携わっており、マーケティング関連の業務を担当されています。
山浦さんは「ShiftC」の営業を担当されています。
このサービスはファッションブランドを「エシカル」基準で評価し、世界のファッション産業の持続可能化を目指しています。
おふたりともエンジニアと連携してウェブサービスの構築を進める業務を担当されるそうですが、プログラミングは未経験で、漠然とした苦手意識があったそうです。そんな中、会社からの提案で信州01CAMPの存在を知り、普段の担当業務との親和性を感じて参加を決めたと語っていました。
以降はおふたりの感想や学習の成果から、信州01CAMPの有用性や、提供している学びに迫ります。
インタビューから見えた’’短期集中’’のメリット
前編でも書いたように、このキャンプは2.5日間という短期間で講座と課題に取り組むタイトなプログラムが特徴です。
そこでおふたりに、「短期間のプログラムについてどう感じたか」を質問したところ「短期間だったからこそスケジュールに集中しやすく、学習意欲を維持できた。」という感想が返ってきました。
合わせて、「もし信州01CAMPが1週間のプログラムだったら、あんなに楽しく学習できなかったかもしれない。」という感想もいただきました。
たとえ初心者向けの講座であっても、未経験者が0からプログラミングや事業ノウハウを学ぶのは決して簡単ではありません。長期間のプログラムであればモチベーションの維持や、時間の確保が難しくなるかと思います。
一方、2.5日間という短期集中型のプログラムであれば、学習期間が限られているためモチベーションの維持や学習期間の確保が比較的容易になります。
また、短期間のスケジュールは、「目の前の課題に集中しやすい」「余計なことを考えずに済む」といった意外な効果も生み出していました。
短期であることはデメリットに思われがちですが、実際にはモチベーションの維持や集中力の観点で大きなメリットがありました。
この意外な効果も含めて、信州01CAMPならではの価値と言えるでしょう。
参加者が語る信州01CAMPの’’魅力’’
おふたりにキャンプの満足度を伺ったところ「とても充実した内容だった」と高評価をいただくことができました。
その理由に、HTML・CSS・JavaScript・API連携といったアプリ制作に必要な一連の基本技術を短期間で網羅しつつ、一部応用的な内容まで触れるような幅の広い講座内容に学習意欲が刺激されたことを挙げていました。
山浦さんは、「チューター(講師)から紹介される様々な技術を見て、より多くの技術を試してみたくなった。」と当日を振り返っていました。
また、信州01CAMPは優れた指導力を持つチューターと、質の高いスタッフによる「活気あふれる学びやすい環境作り」にも注力しています。講座中には質問タイムが設けられ、チューターが親身になって疑問を解消することで参加者は安心して学ぶことができます。
このような工夫によって参加者同士のコミュニケーションまで活発になり、チーム内で質問しあいながら課題に取り組むアットホームな空間を生み出していました。
山口さんからは、「お堅い雰囲気の’’研修’’という感じではなく、協力して楽しく学べる’’イベント’’のように感じた。」と具体的な感想をいただきました。実際に、課題に取り組む中で自然と助け合い、時には笑い声が飛び交うような和やかな雰囲気が広がっていたそうです。
このように、信州01CAMPは短期集中型の効率的な学習プログラムと、イベントのような楽しい雰囲気を両立させることで、参加者に確かな学びと充実感を提供しています。
この相乗効果こそが、信州01CAMPならではの魅力と言えるでしょう。
成長につながる『オリジナルアプリ制作』
キャンプの締めくくる「オリジナルアプリ発表会」では、参加者がそれまで学んだプログラミングの基礎を実践し、アイデアをアプリとして形にすることで「0から1」を創ります。
ここからはおふたりが制作したオリジナルアプリのご紹介と、制作の感想から読み解くオリジナルアプリ制作の価値についてまとめます。
山口さんが制作したのは「3文字しりとりメモメモ」という3文字しりとりを楽しく効率的にすることを目的としたメモアプリです。
このアプリは「しりとりで出した単語を入力することでアプリに記録・表示」するほか、「文字数の過不足」など特定の条件でエラーを表示するようになっていて、細部へのこだわりが感じられる作品でした。
制作段階では特にCSSのコーディングで苦労したそうです。イラストの配置やフォントの反映など、多くの課題に挑戦したと語っていました。
山浦さんが制作したのは「あなたを助ける今日のラッキーひらがな2文字」というアプリで、「今日のラッキーカラー」ではなく「ラッキーひらがな」をユーザーに提示します。
50音をランダムに組み合わせて表示する仕組みで、時には意味のない2文字が表示されることもありますが、そのシュールさが独特の笑いを生み出しており、会場の空気を和ませる作品となりました。
発表会では、インタビューしたおふたり以外にも魅力的な作品が多く見られました。例えば「旅行先の名所を効率良く周るルートを提案する地図アプリ」など、全く異なるアイデアや技術が光る作品ばかりでした。
このように、同じ講座を受講した参加者でも、発想やアプローチ次第でここまで多様な作品が生まれる点に信州01CAMPの面白さを感じました。
プログラミングの基礎を学びつつ、自分だけのアイデアを形にする挑戦が、参加者の成長を後押しする。これこそがオリジナルアプリ制作の価値と言えるでしょう。
参加者が得た’’具体的な成果’’
最後に「信州01CAMPに参加したことで得られた成果」を伺うと、おふたりは共通して「エンジニアとのコミュニケーションの質が変わった。」と語っていました。
参加前は技術的な知識が不足していたため、エンジニアへの指示が抽象的になってしまい、やりとりに苦労する場面があったそうです。しかし、プログラミングを体験したことで技術的な視点を持てるようになり、指示や要望がより具体的になったことで業務がスムーズに進むようになったといいます。
山口さんは、プログラミングの奥深さと難しさを体感する中で「プログラミングは自分の専門領域ではない。」という気づきを得たと語ります。これをきっかけに自身の役割を再認識し、担当領域を明確にしたことで、エンジニアとのコミュニケーションを見つめ直すことができたそうです。
一方、山浦さんは「餅は餅屋」という考えを再確認し、より円滑にエンジニアと連携することの重要性を実感したと語ります。自身の業務を進める上で、エンジニアの専門性を理解し、尊重する視点が身についたと感じているようでした。
今回インタビューしたおふたりに「考え方」や「他者との連携のあり方」の変化があったように、信州01CAMPは、参加者のプログラミング知識やデジタルリテラシーの向上を超えた、それぞれの形での成長を後押しする場となっています。
このように、単なる学びの場ではなく、参加者一人ひとりの成長を支える貴重な場として、その価値がより一層深まっていると強く感じました。
最後に
山浦さんはキャンプを総括して「リスキリングの予備段階として非常に良い経験になった。」と振り返り、機会があればさらに踏み込んだ技術にも挑戦したいと感じているようでした。
これは、前編で触れたこの信州01CAMPのコアである「リスキリングの足掛かりの提供」が確実に遂行できている結果と言えます。
このように、参加者の立場や参加経緯に基づいた成果を提供しながら、コアのテーマも達成できることがこのキャンプの強みです。
レポートでご紹介した4名以外の参加者も、それぞれの立場に応じた成果が得られていることと思います。皆様には、このキャンプをきっかけに、さらに幅広い知識や技術の学習へと繋げていただければ幸いです。
ステッチは、これからも皆さまの成長を応援する取り組みを行ってまいります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!