夜あけを思い出す頃
季節の変わり目というのは、早い。
段々と寒くなるのではなくて、やはり今年も、急に寒くなった。もう秋も深まっている。
前回の更新から、約1ヶ月が過ぎた。
夏休みの自由研究として、毎日noteを続けることを目標とし、数日できなかったものの、なるべく毎日更新することができた。
感想として、やはり毎日続けることは本当に大変だった。短い文章でも、頭の中の雫を文字にするというのはほんとうに大変なことだ。
やってよかったと思う。
やっぱり私は文章を書くのが好きだ。
大学2年生の夏休みが終わり、
ついに後期へと突入してしばらく経った。
前期よりも難しい授業、多い課題。未だに通学できない生活。
友達と会う頻度は増えたけれど
やはり私たちはまだ、コロナ禍の中にいる。
数日家に引きこもっていると、季節感を見失う。
気づいたら数日前なんかよりもすごく寒くて、秋だ。と感じた。
私は秋になると、predawnの曲を聴きたくなる。
夜明けと名乗る彼女の音楽が、私は好きだ。
彼女の歌に出会ったのは、
数年前、ある演劇を見たことだった。
大学の、小さなアトリエで行われた学生演劇だ。
その学生演劇の中で使われていた曲が、predawnの「autumn moon」という曲だった。
初めて出会った曲だった。
ギターのアルペジオではじまり、静かな夜を思い浮かべる。暑い夏夜が過ぎ、秋の夜は空気が澄み、ひんやりする。澄んだ空気の中で、空に浮かぶ月は、いつもよりはっきりと見える。
秋の夜空。私は一人でいた。
月と私。
predawnの静かな歌声が響く。
イヤホンを耳に入れ、autumn moonを聴きながら、秋の夜を一人で歩いたあの日々を、私は今でも思い出す。
センチメンタルになる秋の夜。
たしか、「夜あけのうた」というタイトルだったその演劇が行われた、その数年前。
私ほどに、その小さなアトリエで行われた、小さな演劇を、今でもこのような思い出として、毎年思い出す者は、いるのだろうか。
嘘だったのではないだろうか、と思う。
パンフレットもどこかへ行ってしまって、
私がその演劇を見た記憶は、
predawnのautumn moonという曲にしかない。
ただその曲を介して、数年前のその小さなアトリエを思い出す。
夜あけを思い出す頃。
もう10月も半ば。
早く、とても早く、季節は過ぎる。
私はそのアトリエに、またいつか行きたい。