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香港に行けば、勝手に元気になるっぽい

「ディズニーがどうやら空いているらしい」という噂を聞きつけて、やりたいことと食べたいものを求めて香港へ。

1日目 香港ディズニー→尖沙咀

コロナ禍以前ぶりの羽田第三ターミナルは人がごった返して活気づいていた。日本食が食べられるフードコートでは、朝8時台だというのにたこ焼きやらつけ麺やらパンチのあるメニューを食べている人が結構いた。お茶漬けとか置いてあげたらいいのに。かくいう私はワッフルを食べた。あと香港は物価が高いらしいので、500mlペットボトルの水を2本買って飛行機に乗り込んだ。

香港までは4時間ちょっと。機内ではインサイドヘッド1と2を観て、この後のディズニー気分を徐々につくっていった。

今年で20周年!

空港からディズニーまでは(心配になるくらい速度を出す)タクシーで10分くらい。前日からアプリで待ち時間を見て薄々気づいていたが、春節で人が多く一番人気のアトラクションは120分待ち。半日もいられないスケジュールだったので、3アトラクション優先登場パスに課金。買ってよかった。当たり前だが、待ち時間が90分が3分になって2人とも終始ご機嫌だった。

いたるところが旧正月仕様に

その代わりに機内食をしっかり食べたのでおなかは空かず、園内での飲食はフロート1つだけにした。私が行った時はアイスでも1400円位したので、なかなか馬鹿にならない。

また東京だとアトラクションに乗るだけだが、前評判が良いライオンキングのショーも観た。「すごい歌声」で空間を圧倒されると、簡単に涙腺が緩んでしまう。円形のステージを囲うように客席があり、後ろの方だったが迫力があって引き込まれた。観て良かった。

なんだかんだ19時くらいにはもう満足して(限界まで爆速で走る)タクシーでホテルに向かう。しばらくすると車内から高いビルや旧正月のランタンが見えてきて、ようやく香港に来たことを実感する。

ワンタンは隠すスタイル

到着後夕飯を食べにホテルから15分ほど歩いて、エビワンタン麺が有名なお店「池記」へ。香港の麺はビヨビヨと聞いていたが、噛み応えがあって圧倒的アルデンテ派の私はすごく好みだった。スープもあっさり目で重くない。一緒に頼んだ揚げワンタンは程よくジャンクなでおいしさで、初日から大満足。

2日目 尖沙咀→香港島→旺角→尖沙咀

朝から近くの「紅茶」というストイックな名前のカフェへ。普段の朝ご飯は適当にあるものを食べているが、特に朝ご飯を外で食べる習慣のある地域に行くと張り切って食べまくる。

事前リサーチから食べたかったパイナップルパンとマカロニスープ、そしてミルクティーを注文。パイナップルパンはメロンパン同様にパイナップルは入っていない。メロンパンよりも本体のフワフワと上部のじゃくじゃく感のコントラストがあって楽しい。さらにその間にキンキンに冷えたバター塊を挟んで食べる。冷えたバター特有のなめらかな食感と背徳感は、茶葉の味が強いミルクティーとよく合う。マカロニスープも思ったよりもコクが強くおいしかった。

パイナップルパンとキンキンのバター
旨味たっぷりマカロニスープ

カロリーを摂取してバチバチに目が覚めたので、地下鉄に乗って香港島に向かう。モンスターマンションやピークトラムなどポピュラーな観光地にあまり惹かれなかったため、ずるずると気の向くままに街歩きした。

まず向かったのは、天井のぐるぐる線香が有名な文武廟。飾りかと思いきや常に火がついているのでかなり煙たい。地元の方々は入り口でお線香と思しき派手派手しいものを両手いっぱいに購入し、大事そうに抱えてお供えしていた。日本の参道のような寺中心のまちづくりはどうやらされておらず、このお寺を避けて都市開発が進んじゃった感が面白かった。

壮観の景色
それにしてもビルが高すぎる

少し歩いて、警察本部や裁判所、監獄などをリノベーションした「大館」へ。歴史的な建造物と現代アートや文化が入り混じっており、香港の分厚さを知れる施設だった。その後は休憩できるカフェを探しながらぶらぶらしたが、至るところに旧正月の飾りつけが施されていて見ていて楽しい。

窓にはとがったガラスが

建物の入り口には腰高くらいの金柑の木が鎮座しており、見上げると青空に赤と黄色のランタンが映えている。こたつでひっそり美味いものを食べてるお正月もいいが、派手に爆竹ぶっ放ってお祝いする旧正月もいつかは味わってみたい。

おめでたや

朝のミルクティーで牛乳疲れしたため、奥まった路地でたまたま見つけたMATCHALIというカフェで宇治抹茶をすする。

フェリーで九龍半島に戻ってきて向かったのは「黑地」という雑貨屋。今回の旅の目的の一つに食器を買うことがあり、ここではかわいいレンゲを購入。ただ調べた感じこの周辺が食器街とあったのだが、他の店は見つからず…。きっと長く続く道のどこかに香港の合羽橋があったのだろう、縁がなかった。

海側に引き返すように歩き、「點心到」で遅い昼ご飯。大好きな小籠包や腸粉などの飲茶を満喫。両隣の机を盗み見てどちらも頼んでいたピーマンの肉詰めの照り焼きのようなものも注文。油断してたが緑がすっごい辛い。で、赤がすごい甘い。そういうものなのだろうか。

最高のビジュ、皮薄すぎない系
手前は魚のすり身団子、これもミチミチでおいしい

夜はヴィクトリアハーバーの光のショーを見るためにショッピングモールの展望デッキへ行ったが、その日に限って巨大豪華客船が停泊しておりよく見えず。でも、でっかいミッキーいました。

豪華客船前で願うミッキー

夕飯は「深仔記」でラストエビワンタン麺。話には聞いていたが、香港飯は本当に野菜を摂取できない。ここでようやく食べられた茹で野菜、菜の花のような茎がしっかりした葉野菜で、濃い目のどろりとしたオイスターソースにつけて食べる。

ありがたきシンプル野菜

茹で具合が最高で、茎のホクホク感と塩気のだいぶ効いたソースがマッチして妙においしかった。肝心のエビワンタン麺も1店舗目のつるりとしたワンタンとは異なり、中身のエビが粗く食べ応えがあってすごく好みだった。終始厨房の親父が店員に爆音で怒鳴り散らしてたので、しょぼくれていた店員に気持ち大きな声で「謝謝!」を言って店を後にした。

3日目 尖沙咀→香港国際空港

あっという間にもう最終日。名残惜しい気持ちでとりあえず食べ忘れたものを片づけていった。朝ご飯はホテルのすぐ近くのお粥屋さん「大師傅粥品」へ。6組くらい並んでいたが、相席文化のこともあり10分弱で店に入れた。私はホタテのお粥を、彼は魚のお粥を頼み、油條という揚げパンを半分こした。

香港飯は全部シンプルな見た目。真骨頂。

見た目通り薄味で、遠~くにホタテがいる感じ。ただ相席で前に座っていた現地の方の食べ方を習い、机にある塩やらこしょうを入れるとだいぶ変わった。浸した油條の方がどちらかというとメインな感じでおいしかった。

だいぶ余裕をもって空港に向かい、出国審査後にスケジュールが合わず食べ損ねた中華スイーツを求めて、ちょっと高級な上海料理店の「蘇浙滙(JARDIN DE JADE)」へ。焼きそばや小籠包はもちろん美味しかったが、この湯圓スープが食べられたのが嬉しかった。

あったかデザートがもっと日本でも増えてほしい

中には黒ゴマが入っており、餡はしっかり目にとろみがついている。期間限定でお花?のようなものが浮かんでおり、大層高貴なお味で満足。次は街中にある甜品店でくるみのスープに浮かんだ湯圓を絶対に食べたい。

丁度焼き立て!

搭乗前に忘れてはいけないエッグタルトを。今回の旅行で街中で出会った有名なお店は、ことごとく訪れるタイミングで品切れしていて出会えていなかった。でも、空港にもありました。帰国後夜温めて食べたが、素朴でくどくなく思い出を振り返りながらおいしく頂いた。

今回はじめて香港を訪れてみて、こんなにもすぐにフィットできる国があるのかとびっくりした。街を見渡すと、スシローもドンキも24時間営業のすき家も松屋もコメダもあった。でも日本では決して感じることができない混沌とした空気やエネルギー、何よりおいしくてどこか懐かしいようなご飯が勝手に生気をチャージしてくれた。


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