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生物:③動物の分類 ~6つの呪文~    by 茶茶 サティ



【Ⅰ、挑戦状】


 こんにちは、サティです。

  ところでみなさん、以下の生物を御存知ですか?
そしてなぜ隣に書いたり、改行しているのだと思いますか?

A アメーバ、ゾウリムシ

B カイメン、カイロウドウケツ(偕老同穴)

C ミズクラゲ、サンゴ、ヒドラ

D プラナリア
E ワムシ

F ゴカイ、ミミズ
G カイ(貝)、イカ、タコ

H エビ、カニ、昆虫
I センチュウ

J ウニ、ナマコ、ヒトデ

K ホヤ(海鞘)、ナメクジウオ

L スナヤツメ、コイ、イモリ、トカゲ、トリ、ヒト

 

 「知らんわ…」

 という大合唱が聞こえてきそうですね。

 近頃は田舎の田んぼを見て「大自然を感じてしまう」ような自然音痴さんが多くて… これは誹謗中傷ではなく、そういう世の中だから無理もないのです。
だからこそ考えてみてください。宅地や工業ほど目立ちませんが、農業は世界最大の「自然破壊」なんじゃないですか? 

ね、言われてみれば、そう思いませんか?

 子供の頃から生き物に触れた原体験や、ちょっとその気になって、見掛けた生き物を聞いたり調べたりして覚えた植物や昆虫の名前や性質… 
「分類」の分野のマスターにはそういう素地が必要なんです。

  しかしお受験は間もなく。そんなこと言われてもこの分野は生物の400ページもあるような分厚い教科書の最後の方にあってとても間に合いません。

 でも大丈夫です。

他のみんなもできないから…
そしてサティが「とりあえず得点を稼ぐ方法」を伝授するからです。

 なんちゃって、大きく出過ぎたかな?

 

【Ⅱ、動物門①】

 先ほどの動物リスト、ただし有櫛(ゆうしつ)動物、その他マイナーな動物門は除いてあります… というのは、入試ではまず見掛けないから、と言っておきましょう。だからといって生物の教科書に有櫛動物が載ってないわけじゃありません。「発生」分野の「モザイク卵」を持つ生物として「クシクラゲ」という生き物の名前を見掛けたはずです。「櫛」は1文字で「くし」と読むのです。名前こそ「クラゲ」ですが、生物学的にはクラゲが属する「刺胞動物門」ではなく、「有櫛動物門」という別のグループに分類されています。門が違う、ということは、相当遠い関係なんです。

  一例を挙げてみましょう。ヒトは哺乳(ほにゅう)類、脊椎動物門ですよね。じゃ、その辺を泳いでいるオサカナは…? 魚類もまた脊椎動物門ですので、ヒトとオサカナは遠い親戚に当たります。

  「クシクラゲ」や夏の海岸線に打ち上げられているコバルトブルーの「カツオノエボシ」は、外見上クラゲ、つまり刺胞動物門の生物であるミズクラゲと似ていますが、分類学的にはヒトとサカナの関係よりも遠い関係に当たるのです。

  あ、ついついうっかりと「動物門」というコトバを出してしまいました。こういった分類特有の階層(ディレクトリ)はなかなか厄介ですね。この階層(ディレクトリ)はいったいどうなっているのでしょうか?

 生物の分類段階は大きい方から

  ①ドメイン
  ②界
   ③門
    ④綱(こう)
     ⑤目(もく)
      ⑥科
       ⑦属
        ⑧種

 と定められています。さらに細かく分けるときには「亜門」「亜綱」…「亜種」のように「亜」という文字を入れる場合もありますね。作物や家畜、愛玩動物(ペット)では「品種」などというコトバも登場しますが、亜も品も入試では1点にもならないのでスルーさせていただきましょう。

 まとめて「門綱目科属種」、①②を加えても「ドメイン界門綱目科属種」ですが、これはもう、お坊さんのお経のように口で言って覚えてください。

 ただ逆読みという裏技のような手段もあります。いわく、
「種族、科目、肛門かいぃドドメ…」
こちらは周囲に聞かれると誤解必至なので、こっそりと練習…ねっ!

 
 『あれっ、「類」はないの?』などと思ったアナタはスルドイ。

 そう… 哺乳類、魚類といった「類」は便宜的な言い方で、そういう段階はありません。だから先ほどの説明を正しく言い直すと、

 『ヒトは哺乳綱、脊椎動物門ですよね。じゃ、その辺を泳いでいるオサカナは…? 魚綱もまた脊椎動物門』ということになります。

 ああ、型苦しい…

 

 よくご存じの関係に置き換えてみるとこんな感じでしょうか…
世界の分類段階を書いていきます。右端には日本の例を挙げておきます。

 ①海、陸上
  ②アフリカ 南/北アメリカ オーストラリア… ユーラシア
   ③ヨーロッパ 中東 アジア… アジアの島国
    ④インドネシア フィリピン… 日本
     ⑤北海道&北方四島 東北 北陸 関東 甲信越 東海
      近畿 中国&竹島 四国 九州 沖縄&尖閣諸島(都道府県)
      ⑥西表島、石垣島、慶良間(けらま)列島… 沖縄本島
       ⑦市町村
        ⑧地区と番地

 ⑧までがわかれば手紙も届くし、ナビに案内してもらいながらアナタの家まで辿り着くことができるワケです。

 この場合はアナタの家(おうち)が分類の最小単位になっていますが、生物の場合は「種」を基準にしています。

 

【Ⅲ、種の概念と分類】


 では「種(species:スピシィーズ)」とはどういう単位でしょうか。

 イノブタというブタっぽい生き物を創ることができます。イノシシとブタを交雑させた子になりますが、イノブタ同士を掛けあわせるとちゃんと子供ができます。

 一方ラバというウマっぽい生き物も創ることができます。オスのロバとメスのウマを交雑させた子ですが、丈夫で粗食に耐え、病気にも強く脚力もあり、学習能力が高く調教を行いやすいという点で親より優れた特徴をもっているため、世界各地でさかんに用いられてきました。しかしラバ同士では子は産まれないのです。

 これらのケース、生物学的にはイノシシとブタは同一種、せいぜい亜種としての違いしかないと見なされますが、ロバとウマは別種であると考えます。

 無理矢理ですが、ひとことでまとめて見ましょう。
「互いに交雑が可能、かつ、雑種の子供同士の生殖が可能であれば同じ種とみなす」ということなんです。

 ああ、人間の場合は… いわゆる「人種」の差があっても、どの「人種」同士も生殖可能で、その子(ハーフもハイブリッドも言葉狩りの対象になっている)同士の生殖は可能なので、みんなみんな同一種です。

 突っ込み過ぎると、
「あいつはレーシスト(人種差別主義者)だ」ってなことになる世の中ですので、そこは十分に御注意願います。
 人類みな平等… と言っておくのが無難かと…

 アノ国やアノ地域の国民性はどう考えても好きになれないので、同一種だとは思いたくないのですが、それは「社会の問題」であって、生物学には無関係なことなんですね。


 ヒトとオオカミ(タイリクオオカミ)を分類学的に分類してみましょう。

 
               ヒト         オオカミ

 ①ドメイン       真核生物ドメイン   同左

  ②界         動物界        同左

   ③門        脊椎動物門      同左

    ④綱(こう)   哺乳綱        同左

     ⑤目(もく)  霊長目        食肉(ネコ)目

      ⑥科     ヒト科        イヌ科

       ⑦属    ヒト属(homo)    イヌ属(canis)

        ⑧種    ヒト(sapiens)    オオカミ(lupus)

 

 こうした関係の中で、入試に頻出の部分だけを取り上げます。サティの分析によれば、それは①、②、③、④(脊椎動物に限る)、⑦⑧の部分です。

 
 ⑦⑧の「属種」は主に学名に関する出題です。
例えばゾウリムシの関するリード文があるとしましょう。

 『ゾウリムシ(学名:Paramecium caudatum Ehrenberg, 1834)は、顕微鏡下ではゾウリのような形に見える繊毛虫の和名である。真核を有する単細胞生物であり、微生物自体の発見者であるオランダのレーウェンフックによって17世紀末に発見された。日本語名は1930年、動物学者の川村多実二が英語名の「slipper animalcule」の「slipper」を「草履(そうり)」と意訳して命名した。

 以下略

問1 ゾウリムシの属名を答えよ。

問2 ゾウリムシの大きさとして最も適切なものを記号で選べ。      
 ア、1.5μm  イ、15μm  ウ、150μm  エ、1500μm

問3 以下の細胞と並べた時、ゾウリムシは大きな方から何番目になるか。 
   大腸菌   ヒトの赤血球   ヒトの白血球   

問4 ゾウリムシは弱い直流電気に対してどのような走性をしめすか。
   最も適切なものを記号で選べ
   ア、+極に向かう   イ、反応しない   ウ、-極に向かう
   エ、+極に向かうものも-極に向かうものもいる。

問5 ゾウリムシを三角フラスコに入れておくと、やがてフラスコの上部
   に集まって来る。これが「負の重力走性」であることを示すための実
   験を計画し、どのような結果になるかを推察して記述せよ。
   ただし刺激の種類として光、酸素、重力だけを考えるものとする。

 
 「えっ、属名なんて知らねえよぉ…(泣)」
大部分は方はそう言うでしょう。
目の前に答えがあるにも関わらず…

 答はもちろん 「Paramecium」 ですよね。リンネの二名法を知っていれば当然です。同様に種名は 「caudatum」 に決まってます。
 ちなみにParamecium caudatum Ehrenberg, 1834 お約束どおりに 
属名 種小名 命名者名 西暦 の順に並んでいます。

  ついでに他のも答えちゃいましょう。
問2はウで、ヒトの卵やウニの卵ともほぼ同じ大きさです。
問3は1番目です。大腸菌は約3μm、赤血球は約8μm、白血球は約
  16μmくらい(ただし不定形)ですね。
問4はウ、負の電気走性を持っています。
問5は… 重力を長時間に渉って打ち消すことは簡単ではないので、光と
  酸素の条件を消去する方法を考えましょう。
・暗い箱の中で同じことをしたときにもフラスコ上部に集まってくれば、正
 の光走性を否定できます。横や下から光を当てても良いでしょう。
・フラスコ最上部までゾウリムシと培養液を入れ、ビニールかラップで蓋を 
 して、気泡のない状態のまま輪ゴムで留めて液上面からの酸素供給を絶ち
 ます。この状態でもフラスコ上部に集まってくれば、正の化学(酸素)走
 性を否定できます。光でも酸素でもなければ、「負の重力走性」と結論付
 けるしかないですよね。

 しっかり読んだ方は元々の英語からして、実は「ゾウリ」ムシでなく「スリッパ」ムシだったことを読み取ったかと思います。顕微鏡で見るあの形はゾウリというよりスリッパでしょ、やはり…

 あららら、本題から外れてしまいましたが、まあ良しとしてください。

 

【Ⅳ、ドメイン】


 次は①の「ドメイン」に行きます。

 ドメインはウーズが提唱した説です。現在主流の3(さん)ドメイン説では、生物全体を細菌、古細菌、真核生物の3つに大別します。

 ⅰ)細菌(バクテリア)
 細胞膜がsn-グリセロール3-リン酸の脂肪酸エステルで構成される原核生
 物(核膜なし)。大腸菌、コレラ菌、枯草菌(納豆を作る)、シアノバク
 テリアなどを含みます。

ⅱ)古細菌(アーキア)
 細胞膜がsn-グリセロール1-リン酸のイソプレノイドエーテルで構成され
 る原核生物(核膜なし)。メタン菌・高度好塩菌・好熱好酸菌・超好熱菌
 などで、一部は高熱、高塩分などの極限環境に生息しています。

ⅲ)真核生物(ユーカリア)
 身体を構成する細胞の中に細胞核を有する生物、つまり真核生物。動物、
 植物、菌類、原生生物(単細胞生物および藻類など身体の体制が簡単な多
 細胞生物)などを含みます。

 ちょっと見、なんだかよく分かりませんが、要するに細胞膜の成分と原核か真核の相違で分類しているのですね(他にもリボソームの種類など)。出題ポイントは真核生物(ユーカリア)はバクテリア、アーキアのどちらから進化したか、です。

 答はアーキアですが、そんなの覚えられん… というヒトは「-」の有無に注目してください。アーキアとユーカリアは「-」が共通な遠い親戚、バクテリアとユーカリアは他人ですよ、と。人類がコレラ菌と一緒でたまるかい、てなもんです。やっぱ仲間に持つなら極限環境に生息できる特殊能力を持つ方が良いでしょう… なんてね。
 風流な方は、
「ヒトとバクテリアは「さいきん」別れたんじゃねぇ、もっともっと古い昔(さいきん)なのさ…」 と洒落こんでみてください。

 これであなたはもう忘れない…

 
 ②はホイッタカー(ある出版社ではホイタッカー)が唱えた五界説が話題の中心になります。
 まだ3ドメイン説がなかったころ、ホイッタカーの五界説では全生物を5つに分けていました。

 1、原核生物界(核膜がない):細菌(&古細菌)、シアノバクテリア
 2、原生生物界(真核生物の単細胞):ゾウリムシ、アメーバ等
 3、菌界:真核細胞の多細胞で従属栄養、体外消化…カビの仲間
 4、動物界:真核細胞の多細胞で従属栄養、体内消化…動物一般
 5、植物界:真核細胞の多細胞で独立栄養…植物一般(藻類を含む)

 これにウーズがいちゃもんをつけます。
「藻類は多細胞ではあるが、身体の体制が簡単すぎる。植物界から原生生物
 界へ転属すべきだ。そう言いたくてウーズウズしてたんだよ」
 このへん、出やすい所ですね。

 付け加えると、水中の植物には2パターンあります。藻類は多細胞であっても身体の体制が単純で、細胞や組織の分業化が進んでいないモノです。例えばコンブやアサクサノリなどの海藻が該当しますが、花を咲かせたり実を付けたりはしませんね。ウーズが注文付けたのはこういう藻類の分類です。

 もう一方は顕微鏡実習で「原形質流動」を観察したオオカナダモのような水「草」やアマモなどの海「草」です。草の名を付けているのは伊達(だて)ではなく、彼らの御先祖様はいったんは上陸し、陸上植物だった過去を持っています。しかし何らかの事情で水中に回帰し、現代に至っているのです。その証拠に…彼らは水中または水面で開花します。なかなか可憐な花ですよ。

 静岡県の清水町の柿田川には「ミシマバイカモ」という水草が繁茂していますが、バイカは梅花、つまり梅の花に似てる花を咲かせるのです。

 ちなみに1の原核生物界は「モネラ界」とも呼ばれました。モネラ(monera)とは、モネラとは「単純なもの」を意味するコトバです。鶏卵等に付いていた細菌サルモネラが原因で食中毒… なんて聞いたことがありますか? 
 あ、この場合のサルは「猿」ではありません、念のため。

 そして(&古細菌)となっているのは、この当時は「原核生物」としてまとめられていたためです。後にウーズが3ドメイン説を提唱するときには「古細菌ドメイン(アーキア)」として独立させています。ここも出題例が多いところですね。


 実は… サティもはっきり納得できていないことがあります。
それは3と4の「消化の場所」なんです。カビは消化酵素を体外に出し、分解された糖やアミノ酸を吸収します。これは納得できる、うん。
 しかし動物だって消化管の中(胃や腸)の中、つまり体外に消化酵素を出してますよね。

 動物の身体に基本形は「チクワ」、口から肛門まで複雑に折れ曲がっている消化管が通っていますので、基本はチクワです。 チクワの、あのチーズやキュウリを詰めるところ、あそこはチクワの中なのか、外なのか… そこが焦点です。

 チクワの実体のあるところは間違いなく体内ですが、キュウリの入るところは体外だと思うんですがねぇ…

 それにヒドラ(刺胞動物)みたいに口と肛門が一緒という生物もいるし、ヒトデみたいにはっきり体外で消化するやつもいるし、カメムシの仲間のアメンボやタガメ、それからクモなんかも犠牲者の体内に消化酵素を注入します。毒ヘビの毒だって、元々は唾液という消化液でしょ?

 あああ、わからん!

 議論が停まっちゃうので、追及はここまでにしますが… う~ん… こ?

 

【Ⅴ、脊椎動物の綱と門】


 では次は…④の「脊椎動物の綱」に行きます。ヒトが脊椎動物であるせいか、やはりここは出やすいところですね。

  似たような用語が3つあります。

  ⅰ 脊椎(骨):背骨のこと。「椎骨」と続けて読めば骨だとわかる
  ⅱ 脊髄:脊椎に沿って走る「中枢神経の束」
  ⅲ 脊索:脊椎動物の「発生」の際に生じる「中胚葉性組織」
    ・灰色三日月環➡原口背唇部➡予定脊索域の順に分化する形成体
    ・予定表皮域から神経管を誘導する役目を持ち、やがて消失する。
    ・一生のどこかの時期で脊索を持つ動物を「脊索動物」という。
    ・そのうち脊椎骨を生じない動物を「原索動物」門に分類する。

 脊椎動物はおおむね6つの「綱」に分けられています。横には学問的というよりサティのイメージを添えておきましょうか。例外はありますが…

 ア、無顎(むがく)綱:アゴがないため口は円形、多数の突起が怖い。
   代表はカワヤツメ、ヌタウナギですが、両種ウナギとは無縁です。
 イ、魚綱:軟骨魚類(サメ、エイ)と硬骨魚類(アジ、サバ、コイ)。
   ウミヘビの一部はコブラ科の爬虫類。クジラ類は哺乳綱
 ウ、両生綱:幼生は基本水中生活。手足や肺を作り変態して成体化。
   イモリ(井守:有尾目)、カエル(無尾目)
 エ、爬(ハ)虫綱:卵生か卵胎生のウロコ生物たち。変わり者多し。
   ヤモリ(屋守)、トカゲ、カメ。孵化温度が性別に影響するものも。
 オ、鳥綱:基本羽毛で覆われ、歯はなくクチバシを持つ。産卵で繁殖。
   爬虫類の恒温性恐竜の生き残りとも言われる。スズメ、アヒル等
 カ、哺乳綱;基本皮膚に覆われ、体毛を持つ。哺乳で育児
    単孔類(カモノハシ、ハリモグラ)は卵生だが哺乳で育児。
    有袋類(コアラ、カンガルー)は子宮が未発達で超未熟児を産む。
    有胎盤類(イヌ、ヒト)は胎盤が発達し比較的大きな子を産む。

  大雑把ですが、こんなところでしょうか。
蛇足ながらカモノハシちゃんの「単孔」とは「穴がひとつ」という意味です。何の穴が?

 ヒトの女性の場合、便を出すのは肛門、尿を出すのは尿道、赤子は子宮口から膣を経由してこの世に生を受けるワケですよね… あれ、違うかな?
なんかどれも微妙な場所に集中してるし、こればかりは男性には実感がないですからね。
 ではニワトリ(鳥綱)あたりではどうでしょうか? 便は肛門、尿は…便と一緒に排出されるアノ白い部分…不溶性の尿酸の結晶が尿なんです。つまり尿も肛門から出るのです。では卵は? これも肛門からシュポンと転がり出てきますよね。生みたてのタマゴの殻って柔らかいんですよ… 
 ちょっと待て… 3種類ともみんな肛門ってことなんですね。実は肛門ではなく「総排泄孔」と呼ぶのですが、爬虫綱、鳥綱はみんな同様です。そして単孔類も。もっとも原始的な哺乳類と呼ばれるのにはそういう根拠があるのです。


 さあ、いよいよメインイベントの③、「動物門」です。なんせここが大変なんです、生物音痴の方々には…
 自分では理解できるサティでも、誰かに説明するのはいっそ諦めるか… ってくらいにとっかかりが見つからず…

  いや、見つけましたよ。
ここは呪文で乗り切りましょう。


ここからは…
「動物界」に関して以下のような問題が軽々と解けることを目的として書いていきます。各動物の特徴は必要最低限にとどめ、ひたすら語呂合わせ系の呪文で解いていきます。あとは代表的な動物の名前だけで、けっこうイケてしまいます。

 
設問1、次の(1)~(6)に該当する動物群を下図の①~⑩からすべて選び,番号
   で答えよ。(ちなみに「棘皮」は「キョクヒ」と読みます。元々はウ
   ニを所属させるために創設した門でしたので「棘:トゲ」の漢字を用
   いていますが、後にナマコやヒトデ、ウミユリにテヅルモヅルなど、
   身体が5放射相称(身体が5つの類似したパーツで成り立っている動
   物)である生物をすべてここに所属させることになりました。
   見ての通り⑩は脊椎動物に近い仲間なんですね。

   ちなみに④⑤より上にある生物はすべて3胚葉生物です。
   また⓵~③と⑥⑦は「原口が口になる」先口動物(旧口動物)で
   あり、⑧~⑩は「原口が肛門になる」後口動物(新口動物)です。


設問1

(1) 胚葉が分化していない     (2) 二胚葉動物である
(3) トロコフォア幼生期をもつ   (4) 旧口動物で、脱皮して成長する
(5) 原口とは別の部分に口ができる (6) 発生の途中で脊索を生じる

 

設問2、下図は動物の系統を模式的に示したものである。各問いに答えよ。

設問2

(1) (ア)~(エ)に最も適する動物門の名称を①~④から,動物例として最も適 
  するものをa~dから選べ。

   ①脊索動物  ②環形動物  ③節足動物  ④刺胞動物

  a.ナメクジウオ    b.アブラゼミ  
  c.ミミズ       d.サンゴ

(2) グループA,B,Cの共通点として最も適切なものを,①~③からそれ
  ぞれ選べ。           
  ①脱皮動物  ②新口動物  ③冠輪動物

(3) グループA,B,Cが,海綿動物および(ア)と異なる点を答えよ。

 

設問3、 次図は動物の系統を模式的に示している。下の各問いに答えよ。

設問3

問1.次の(ア)~(ク)は,図中のいずれかの空欄(1)~(8)より上の動物群に共通
  して当てはまる特徴を示したものである。(1)~(8)として適当なものを
  (ア)~(ク)から選び,それぞれ記号で答えよ。

 (ア) 脊椎(骨)を形成する。   (イ) 脱皮しないで成長する。

(ウ) 脱皮して成長する。      (エ) 脊索を形成する。

(オ) 原口が口になる。       (カ) 原口とは別に口ができる。

(キ) 内胚葉と外胚葉を形成する。  (ク) 3つの胚葉と体腔を形成する。

 
問2.問1で解答した特徴から考えて,次の動物群を何と呼ぶか。

 ①B  ②C,D,E  ③F,G  ④I,J  ⑤C,D,E,F,G

 ⑥H,I,J  ⑦C,D,E,F,G,H,I,J

 
問3.DとEに属する動物の多くには,共通の名称の幼生期がある。
  その名称を答えよ。

問4.B~Jに属する生物例を次の①~⑨からそれぞれ1つずつ選び,番号で答
  えよ。

 ①センチュウ   ②ナミアゲハ(蝶) ③ミズクラゲ  
 ④シマリス    ⑤マボヤ      ⑥プラナリア  
 ⑦バフンウニ   ⑧マダコ      ⑨ミミズ

 

 ここで、文頭にあった【1,挑戦状】のアレを思い出してください。

 実は… 同じ地球上の生物仲間のうち、高校生物の教科書の「分類」分野に出てくるような生き物のリストだったんです。
細かく書くとこんなふうになります。


動物界はすべて真核細胞
そのうち単細胞のもの
A アメーバ、ゾウリムシ    :原生生物門(真核、単細胞)

多細胞
B カイメン、カイロウドウケツ :海綿動物門(無胚葉)

二胚葉
C ミズクラゲ、サンゴ、ヒドラ :刺胞動物門(二胚葉…内/外のみ)

三胚葉(中胚葉追加)、旧口(先口)動物の中の「冠輪動物」
D プラナリア         :扁形動物門(断面が扁形)
E ワムシ(輪虫)       :輪形動物門(横断面は円形、袋状)

そのうちトロコフォア幼生を経るもの
F ゴカイ、ミミズ       :環形動物門(横断面は円形、体節)
G カイ(貝)、イカ、タコ   :軟体動物門

三胚葉(中胚葉追加)、旧口(先口)動物の中の「脱皮動物」
H エビ、カニ、昆虫      :節足動物門(体節発達)
I センチュウ         :線形動物門(体節はない)

三胚葉の「新口(後口)動物)…原口が肛門になる」
J ウニ、ナマコ、ヒトデ    :棘皮動物門(骨片、五放射相称)

一生のどこかで脊索を持つ
K ホヤ(海鞘)、ナメクジウオ :原索動物門

脊椎骨を形成する
L スナヤツメ、コイ、イモリ、トカゲ、トリ、ヒト :脊椎動物門
   無顎綱  魚綱 両生綱 爬虫綱 鳥綱 哺乳綱

 ざっとまあ、こういうことです。

 
 そして… いよいよサティ開発の呪文を解き放つときがやってきました。

以下を有料ゾーンに設定します。

 そのコンテンツは

【Ⅶ、6つの呪文】
【Ⅷ、設問1~3の解答解説】
【Ⅸ、入試実例、設問4~7】
【Ⅹ、設問4~7の解答解説】  です。

 みなさまがこの分野をモノにできますように
 
では、イキますっ!

 

【Ⅶ、6つの呪文】

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