うつ病になった話
(2021/11/18 双極性障害に診断が変わりました)
ある日突然、何もできなくなった。
海外に行く夢も、300個以上あったやりたいことも、全てどうでも良くなった。
おかしい。
何かおかしい。
3ヶ月前から体の不調は感じていた。
だけど、夢だけは無くならなかった。
コロナが終わったらきっと海外に飛び立つのだと信じて疑わなかった。
でももういいや。
夢を追いかけるのだって疲れたし、年金だってもらえないだろうし、適当に生きて、お金がなくなったら死んじゃえばいいや。
全部どうでもいいや。
いつの間にかこんな思考になっていた。
自分の異変に気がついて病院に行った時には、もう自分のエネルギーは枯れ果てた状態だった。
「休んでください」
初診はただこれだけ言われたのを覚えている。
最初は休みにくかった。
休み方がわからなかった。
まだ自分にはエネルギーがあると思っていたから、配信もできるし、すぐに復帰できると思っていた。
だけど、一週間経った頃から全く身体が動かなくなった。
糸が切れた操り人形
この表現が1番しっくりくる。
寝るしかできず、考えるのも頭を使うので疲れる。
食欲もなかったので、実家にお世話になって死んだように眠った。
時折寝ている間にやってくるのは、怖いという感情。
今までも気分が落ち込むことはあったが、絶対に何か原因があった。
だけど今回のは全く原因がわからない。
いつもだったら原因を分析して対処できる気分の落ち込みが、自分自身ではコントロールできない。
自分がわからない。
うつ病かもしれないと言われたから、とりあえずうつ病に関するサイトや本を読み漁る。
だけど自分の不安な気持ちは無くならない。
そして、ある日ふと気がつくと
「死ぬのってコストがかかるよなあ」
とか考えていた。
いつの間にか検索履歴には
「自殺 楽な方法」
「痛くない 死に方」
こんなのばかり溢れていた。
我に返った時、本当に怖かった。
あの時、もしも簡単な死に方が見つかっていたら実行していたかもしれない。
あの時は本当に白雪姫のリンゴが欲しいと思っていた。
死にたいわけではない。
痛いのも苦しいのも嫌だ。
ただ、生きるのに疲れただけだった。
ドラマや映画を見ても疲れる。
メッセージの返信も疲れる。
どん底の時は本当に何もできなかった。
今は少し調子がいい時期だから、こうやって自分の感情を分析できている。
相変わらず生きるのはめんどくさい。
未来のことも何も考えられないし、逆に何も心配していない。
焦りもないし、何に対しても執着しなくなった。
今はこの特性を活かして、断捨離をした。
進む進む。
全部どうでもいいから、全部捨てられる。
おかげで魔の巣窟がリラックスできる部屋へと変貌した。
もし彼氏がいたら、捨ててたかもしれないねと母が笑った。
そんなかんなで、なんとか生きている。
今までのように夢を追いかけるのはまだまだ先かもしれない。
とりあえず今は、自分の感情と向き合って、小さなやりたいこと、小さな幸せを大切に生きてみようと思う。